月別アーカイブ: 2020年4月

MITSUBISHI DRY BATTERY vital SUM-3(R) 1.5V R6P

三菱電機のマンガン電池“vital(バイタル)”です。三菱電機は1985年より“200px-Mitsubishi_logo”マークから“MITSUBISHI”ロゴに変わることになりますが、これは新ロゴに変わって初めて発売された電池となります。
上面に配置された“MITSUBISHI”ロゴよりも電池のブランドである“vital”が目立ち、使用フォントも相まって非常にオシャレなデザインです。個人的に真紅を思わせる赤いカラーリングもなかなか好きです。


電池の外観。冒頭では赤いカラーリングと書きましたが、よく見てみるとの交互なまるでシマシマなデザインとなっていますね。80年頃よりマンガン電池で主流だった“液漏れ補償”付き。この電池では底面表示の製造年月より2年間となっています。一般的に単1と単2が3年補償単3以下が2年補償であるケースが多かったようです。
カラーリングの通りの赤マンガン電池で、黒マンガンであるスーパーバイタルはシルバーと黒の交互デザインであったようです。
注意書きの文字はデザインを追求したあまりちょっと小さめかもしれないですね…。保証条件が書いてある部分は文字が凝縮されてる分、更に細かいかも。JISマークの表示は“C8501 T.T.K.”とあるので、東洋高砂乾電池製だと思います。許可番号の表示は無いため、どの工場で製造されたのかは不明です。もちろん、生産国は“MADE IN JAPAN”で日本製
なお、注意書きの全文は以下の通り。

[補償] 期間:製造年月(底面に表示)より2年間
この電池の液もれにより使用器具を損傷させた場合、使われた電池と一緒に下記へお送り
ください。お客様がこの電池を充電したり、(+)(-)を逆に入れた場合を除き器具を修理ま
たは同等品と交換いたします。 〒100 東京都千代田区丸の内2-2-3 200px-Mitsubishi_logo三菱電機株式会社
ご注意 ●充電式ではないので、充電すると液もれ、はそんのおそれがあります。
●はれつのおそれがあるので(+)(-)を正しく入れてください。


前モデルと思われる“VITAL”と比較してみました(85-02製)。前モデルでは“200px-Mitsubishi_logoMITSUBISHI”のロゴが大きくブランドが小さいですが、後継モデルでは社名ロゴが小さくブランドが大きくなって逆転しています。型番が“SUM-3(R)”という点は同一であるようです。
液もれ補償の補償条件は前モデルの方が大きく取られていて文字も大きいので幾分か読みやすいです。しかし、注意書きの文字は前モデルが小さく、後継モデルの方が大きい…。それでも読みづらく感じるのは赤地に黒文字だからなのかもしれません。両者の補償条件および注意書きの文面自体はまったく同じものです。

最後にプラス・マイナス側です。プラス極絶縁リングの色は「」となっています。写真ではちょっと見にくいかもしれませんが、底面の刻印は「88-08」となっていて、1988年9月製造の電池であると思われます。


サッポロ一番 おしゃべりRADIO SUM-3(S)

サッポロ一番”のブランド名でインスタントラーメンを発売している食品メーカー“サンヨー食品”の電池です。
これは1986年頃にサッポロ一番ブランドのカップ麺や袋麺を購入して貰うことの出来た「おしゃべりラジオ(RADIO)」に付属していた電池であったようです。今では景品の付属としてオリジナル電池が付属することはめったに無いでしょう。そういう意味ではここまで力を入れていた時代のレアな電池であります。


当時のCM映像がYouTubeに残っていました。おしゃべりラジオの名の通り、上に配置されたアナウンサーの口がラジオの音量にあわせてパクパクする仕組みでした。実は、ワタシもサッポロ一番の景品では無いものの同じラジオを持っていたことがあります。
仕組みが気になって、好奇心旺盛な当時のワタシ、分解したことがあったのですが、口の部分が電磁石と連動してラジオの音量と同期している仕組みであったと記憶しています。大きいコイルが入っていたのが今でも印象に残っています。スピーカーと並列で接続されていたのか、音量を上げると口のパクパクが大きく反応した思い出が…。だから、口を反応させたい時は音を大きくしなければなかったのですね。しばらくしたら飽きちゃいましたw。


電池の外観です。このおしゃべりラジオは単3電池4本使用するラジオで、4本の電池が付属していたようです。これはそのうちの2本みたいですね。
電池には『サッポロ一番』と『おしゃべりRADIO』のロゴがあるのみで注意書きの記載はあるものの、電池の種類、そして製造メーカーや生産国の表記は一切ありません。ここまで殺風景な電池も珍しいと思います。注意書きの全文は以下の通りです。

ご 注 意:この電池は充電式ではありません。
充電すると液もれ、破損することがあります。
破裂のおそれがあるので(+)(-)正しく入れること。
SUM-3(S) 1.5VOLTS

型番のみは記載されていて“SUM-3(S)”という表記があります。構造を見るからしてこの電池はマンガン電池であると推測されるのですが、マンガン電池で“S”の符号が付くものは同電池で最下位に当たるグレード緑マンガン電池だったりするので、付属品なこの電池はこのようなクラスに位置付けられる電池なのかもしれません。はたまた、サッポロ一番の“S”かもしれませんが…。


最後にプラス・マイナス側です。状態は非常に悪く、マイナス極は1本粉吹きのもう1本は穴が空いて中が露出しています。そのため製造年月などは見られない状況になっていますが、粉吹きのスキマからの様子を見てみると、恐らくは亜鉛缶剥き出しの構造だと思いますので、もともと製造年月の印字は元々無かったのでは?と思っています。
外装は80年代製造の電池ではあまり見られなかったビニール(PVC)外装です。最近の安物系マンガン電池ではよく見られる外装ですね。やっぱり、あまりグレードの高くない電池だったのかもしれません。


【別バージョン】AA 単3形 ALKALINE アルカリ乾電池

これは均一ショップ“ダイソー”で発売されているアルカリ電池の一つです。前回の記事で同柄な単3・単4アルカリ電池を紹介しました。この記事を書いた後に同じ柄で別バージョンなアルカリ電池を我が家の電池の山から発掘したので紹介します。
本当なら、前回記事の追加として紹介した方が良かったのでしょうが、写真を撮りだしたら違いが意外に多くなってしまったため、別記事での紹介と相成りました。


まず、パッケージを比較してみましょう。写真は上が現行品で、下が発掘された旧品です。ひと目で分かる違いはQRコードの下『表面QRコードから乾電池の正しい使い方をご確認の上、お使いください。(通信料金が必要となります)』という注意書きの更に下に使用推奨期限の表記があります。これが現行品です。旧品にはありません。よく見ると注意書きの改行位置も変わっています。
次にバーコードが記載されたラベルに目を向けてみると、バーコードやQRコードは同じで商品名が「アルカリ電池E100 No.3」という点も同じですが、型番が異なっていて、現行品が「K-19-P120」となっているのに対し、旧品が「K-16-P120」となっています。
また、ラベル自体も若干ながら違いがあり、旧品はラベルが角ばっているのに対し、現行品はラベルが丸まっているという違いがあります。


左は旧品の電池の外観です。右の写真は旧品(上)と現行品(下)を比較してみた様子です。カラーリングや注意書きは全く一緒なので見分けが付きません。しかし、新旧並べてみると“AA ALKALINE”と書かれている黄色い部分の濃さが違っていて、旧品は暗めの黄色現行品は明るめの黄色になっているのが写真でも感じ取れるかなと思います。
実はそんな粗探しをしなくても、ひと目でわかる点があります。それは使用推奨期限の印字です。旧品はか細い印字になっているのに対して、現行品は太い印字となっているのです。

プラス・マイナス側を比較してみました。左側2本が旧品で、右側2本が現行品なのですが、まず絶縁リングの色からして違っています。旧品では絶縁リングの色は「」となっていますが、現行品では「」になっています。
旧品の使用推奨期限は「04-2021」。パッケージには使用推奨期限の記載が無いので推測の域は出ませんが、5年期限の2016年4月製造の電池であると思われます。

旧品のラベルを剥がしてみました。現行品は前回の記事でひん剥いでいますのでそちらをご覧ください。マイナス極に細かいロット番号と思われる印字が見られます。これは現行品で見られたロット番号印字とは異なっています。
ロット番号は「2602613」という印字です。

 

これは旧品(左)現行品(右)を比較してみた様子です。この写真を見るとロット番号の印字パターンが違っていることが伺えますが、更に旧品ではマイナス側下部に筋が入っているような構造になっています。
このことから旧品と現行品では製造メーカーが異なる可能性が高いのではないでしょうか?

 


最後に旧品の絶縁リングとマイナス極の拡大です。絶縁リングの色は薄緑色です。切り欠きを右に置いた状態で「上“26” 下“G6”」の刻印が見られました。マイナス極のガス抜き穴は普通な2つ穴タイプとなっています。

★関連記事
AA 単3形 / AAA 単4形 ALKALINE アルカリ乾電池
→“ダイソー”で発売されている当記事と同柄のアルカリ電池を紹介した記事。当記事では「現行品」として記載。ずっと同柄の電池であったのでノーマークだったのですが、定期的に製造メーカーが変わっているとなると、今後も要チェックなアルカリ電池かもしれません。


AA 単3形 / AAA 単4形 ALKALINE アルカリ乾電池

長年発売されていながらも、ずっと当ブログで紹介していなかった、均一ショップ“ダイソー”のアルカリ電池です。
この電池は結構前から発売している電池であり、現在多くの店舗では単3と単4のみの発売となっていますが、かつては同柄の単1と単2ブリスターパック(1本入り)のアルカリ電池も発売されていたことがあります。
デザインはプラス極の金色から→黒のグラーデーションとなっているカラーリングです。


パッケージ。単3と単4、各5本シュリンクパックでの展開です。ダイソーのアルカリ電池では“DAISO & HW”、“ALKALINE new”、“DAISO & GO”と言った3大(?)主要アルカリ電池がブリスターパックとして目立つ位置にぶら下がっている点からこの電池があまり目立っていないという噂が…。この電池の他にダイソーがシュリンクパックで展開しているアルカリ電池は、アメリカ国旗似なカラーリングのアルカリ電池6本入りのみとなっています。
シュリンクパックに貼られているのは商品名やQRコードと使用推奨期限が記載されたラベルバーコード(JANコード)や型番と社名表記が記載されたラベルで両面となっています。QRコードを読み込むと“http://j.mp/1g3dpnF”という短縮URLを通じて、“https://www.takedac.jp/products/gochuui_denti.htm”にリンクされています。リンク先は武田コーポレーションのWebサイトとなっていて、供給元は武田コーポレーションなのかな?
商品名は単3が「アルカリ電池E100 No.3」、単4が「アルカリ電池E100 No.4」で型番は共に「K-19-P120」となっていました。社名表記は“(株)大創産業”となっており、日本語以外にも英語での社名・住所表記があります(DAISO INDUSTRIES CO .,LTD.)。バーコードの事業者名も“(株)大創産業(4549131)”となっていました。


電池の外観です。プラス極の金色が目立ちますから、誤挿入は防げそうなデザインです。金色の下は単純に赤色かと思い込んでいたのですが、じっくり見てみると→黒のグラデーションだったんですね。意外にも凝ったデザインかもしれません。
社名表記はパッケージと同様の“(株) 大創産業”。住所表記は日本語のみですが、社名表記は英語でも記載されています。生産国は“MADE IN CHINA”で中国製

プラス・マイナス側です。マイナス極絶縁リングの色は「」。ここ最近のアルカリ電池で黒い色の絶縁リングは珍しいですね…。中国製アルカリ電池の大半は緑系ですから。
使用推奨期限は単3が「09-2026」、単4が「08-2026」となっていました。パッケージに使用推奨期限の年数表記はありませんでしたが、7年期限のそれぞれ2019年9月と8月製造の電池であると思われます。

外装ラベルを剥がしてみました。単3には「上:151M 下:G19F」の、単4には「上:211M 下:G19F」の印字が見られます。このタイプの印字は初めて見ました。今まで日本に入ってきたことが無いメーカー製かもしれませんね…。

 

 


最後に絶縁リングとマイナス極の拡大です。絶縁リングは黒色。単3と単4ではタイプが異なっていて、単3は切り欠きはあるものの無刻印。単4のみ切り欠きを下に置いた状態で「上:“37” 右:“G11”」の刻印が見られました。
マイナス極のガス抜き穴は一般的な2つ穴タイプとなっていました。


M’s one 長時間パワー アルカリスタミナ乾電池

主にツルハドラッグくすりの福太郎など、ツルハグループに属されるドラッグストアで発売されていたプライベートブランド“M’s one(エムズワン)”のアルカリ電池です。
現在は後継ブランドである“くらしリズム”に移行、このアルカリ電池は発売終了し、パナソニックブランドのアルカリ電池が発売されています。
アルカリ電池の象徴である“”にメタリックブルーを加えたデザイン。美しいです…。


単3と単4、4本シュリンクパックのパッケージです。8本か10本かは忘れましたが、多本パックも展開されていました。キャッチコピーは“長時間パワー”で、このコピーが電池にも記載されている珍しいタイプです。
ブランドはツルハグループの“M’s one”となっていますが、パッケージ記載の製造販売元は“兼松株式会社”となっています。バーコードの事業者名は“(株)ツルハグループマーチャンダイジング(457129269)”というツルハグループ関連会社のものとなっていました。
ちなみにパッケージ裏注意書きのまえがきは『電池の使い方を誤ると、電池の漏液、発熱、破裂したり、けがや機器故障の原因となるので、次のことを必ず守りましょう。』という呼びかけスタイル。通常は「次のことを必ず守ること。」というタイプが多いので、ちょっと珍しいと思ってしまったのです…。


電池の外観です。プラス・マイナス側のメタリックブルーな帯、そして中程に金色が配置されたアルカリ電池らしいデザイン。写真では伝わり難いかもしれませんが、青い部分のピカピカは思ったよりも綺麗です。青好きなワタシが惚れました。
製造販売元はパッケージと同じく“兼松株式会社”。普通プライベートブランドのロゴは電池表面に大きく配置されることが多いですが、この電池では社名表記横の生産国上に“M’s one”ロゴが配置されており、随分と控えめです。
そんな生産国は“MADE IN CHINA”で中国製です。

プラス・マイナス側。マイナス極絶縁リングの色は「」。この赤い色の絶縁リングは兼松“MEMOREX”ブランドのアルカリ電池でも見られた特徴です。
使用推奨期限は単3が「07-2022」、単4が「10-2022」となっていました。パッケージに使用推奨期限の記載はありませんが、時期的に5年期限と推測、それぞれ2017年7月と10月製造の電池であると思われます。

外装ラベルを剥がしてみました。確かにロット番号と思われるレーザー刻印が見られるのですが、いつもより刻印が薄いです。フラッシュを焚いてなんとか刻印を撮ることが出来ました。それでも見にくいかもしれませんが…。
単3には「N88108 7F262」の、単4には「N30204 7H251」の刻印が見られました。あまりにも薄すぎる刻印のため、読み違えているかも。


最後に絶縁リングとマイナス極の拡大です。絶縁リングの色は見ての通りの赤色切り欠きを下に置いた状態で左にアルファベットが、上に数字が刻印されているタイプになっています。単3には「左“X” 上“35”」の刻印、単4には「左“G” 上“21”」の刻印が見られました。
マイナス極のガス抜き穴は一般的な2つ穴タイプとなっていました。

★関連記事
【くらしリズム】Panasonic アルカリ乾電池 Alkaline ベーシック 単3形/単4形 LR6(BJTR) / LR03(BJTR)
→現在ツルハグループの店舗で売られているパナソニックブランドのアルカリ電池を紹介。電池本体には記載が無いが、パッケージにのみ“M’s one”の後継ブランドである“くらしリズム”のブランドが付いている。


単3 / 単4 アルカリ乾電池 ALKALINE Battery

前回のグラモラックスと同じく、買ったまま放置で紹介のチャンスを逃していたアルカリ電池です。確か、数年前にどこかのアピタで購入した記憶が…。
これは“伊藤忠リーテイルリンク”という企業から発売していたアルカリ電池で、前社名の“VCJコーポレーション”の時代にもアルカリ電池を発売していたことがあります(VCJコーポレーション時代に発売された電池のデザインはマクロスニッパンのアルカリ電池に引き継がれた)。


パッケージ。大きめなブリスターパックが目立つパッケージで、特にキャッチコピーなどは見られません。単3と単4の4本ブリスターパックでの展開で、確か他サイズは存在しなかった記憶。型番は単3の4本が“LR6(4B)1.5V”で、単4の4本が“LR03(4B)1.5V”となっていました。
販売者は“伊藤忠リーテイルリンク株式会社”。バーコードの事業者名も“伊藤忠リーテイルリンク(株)(4933691)”となっています。使用推奨期限は5年


電池の外観です。のベーシックデザイン。金色はゴールド的な色では無く、黄色がかったような金色になっています。デザイン的には当ブログでまだ紹介していないダイソーのアルカリ電池のデザインに似ているかもしれません。その中で『アルカリ乾電池 ALKALINE Battery』の文字までもが金色なのは中々珍しいのでは無いでしょうか。
社名表記は“伊藤忠リーテイルリンク株式会社”、原産国は“MADE IN CHINA”で中国製となっています。注意書きは一般的なもので誤字はありませんが、単4の方が文字が小さい印象がありますね。単4のみに『●電池は乳幼児の届かない所に置く、飲み込んだ場合すぐに医師に相談する。』という一文が追加されている分、凝縮されているのかも…。

プラス・マイナス側です。マイナス極絶縁リングは無いタイプです。使用推奨期限は単3と単4共に「03-2021」。パッケージには“使用推奨期限:5年”の記載がありましたので、それぞれ2016年3月製造の電池であると思われます。古いです…。
以上の通り、使用推奨期限は残り1年残があるのですが、単4アルカリ電池のマイナス極をよく見てください。若干の液漏れでマイナス極周囲が色変わりしているのがわかります。

外装ラベルを剥がしてみました。単4にのみインクによるロット番号と見られる印字があり単3に印字や刻印はありませんでした。単4の印字は“A0301604”となっています。
このアルファベット1文字から始まる8ケタのロット番号三菱電機ホーム機器の中国製アルカリ電池で見られるパターンであり、同じ製造元なのかもしれません。

 

この電池には絶縁リングが無いタイプなので、最後はマイナス極の拡大です。マイナス極のガス抜き穴は一般的な2つ穴タイプとなっています。
また、マイナス極底板の中心には小さい丸印が見られます。これもまた三菱電機系中国製アルカリ電池で見られる特徴です。


GRAMOLUX アルカリ乾電池 単3 / 単4

今回はかつてレンタルビデオ店“ゲオ”で売られていた、“GRAMOLUX(グラモラックス)”のアルカリ電池を紹介します。
この電池を発売するグラモラックスはゲオと同じゲオホールディングス傘下の企業であり、実質のゲオプライベートブランドのような位置づけであったようです。
いつの間にやらゲオからこの電池が消えたと思っていたら、早々に生産終了となってしまったようです


パッケージです。単3と単4、各4本と8本シュリンクパックでの展開。いずれもシュリンクパックの中に商品名やバーコードなどが記載された台紙が入っているタイプでラベルではありません。キャッチコピーは『パワフル&長持ち』。『お買い得! 8本パック』は納得できますが、『お買い得! 4本パック』はあまりお得感がありませんね。普通なような気がする…。
使用推奨期限は5年。型番は単3と単4の4本シュリンクパックが“GRAMO-TAN3P04”と“GRAMO-TAN4P04”、単3の8本シュリンクパックが“GRAMO-TAN3P08”となっています。パッケージ上に社名表記はありません。なお、バーコードの事業者名は“(株)グラモラックス(458956912)”となっていました。


電池の外観。デザインはプラス極からシルバーゴールドのグラデーションになっているもの。一瞬、何かの電池に似てるな?と考えたら、そこはかとなく乾電池エボルタ”に似てるかなと思いました。ただしエボルタにはシルバー要素が無いので、まぁ違うんですけどねw。
発売元は“株式会社グラモラックス”。問い合わせ先は東京03から始まっている電話番号となっているのですが、実はこの電話番号は兼松“MEMOREXブランド製品カスタマーサポート”と同じだったりします。思わぬ所から供給元がバレてしまいました。
生産国は“MADE IN CHINA”で中国製となっています。

プラス・マイナス側です。マイナス極絶縁リングの色は「」。使用推奨期限の表記は印字ではなく、注意書きなどとともに印刷されているタイプで、使用推奨期限の月と年の間が“_(アンダーバー)”で区切られているのも特徴的です。
使用推奨期限は単3と単4共に「04_2022」。パッケージには“使用推奨期限5年”の記載がありましたので、それぞれ2017年4月製造の電池であると思われます。

外装ラベルを剥がしてみました。ダイソー発売の“DAISO & HWアルカリ乾電池”でお馴染みな上4ケタ(アルファベット)・下4ケタ(数字)で別れているタイプのロット番号が印字されていました。印字は電池本体に記載されていたようですが、ラベル側に転写しています。
単3には「上:ASBB 下:2808」の印字が、単4には「上:ASBC 下:0723」の印字が見られました。


最後に絶縁リングとマイナス極の拡大です。絶縁リングは薄緑色切り欠きを右に置いた状態で上に数字が、下にアルファベットまたはアルファベットと数字が刻印されているタイプです。単3には「上“19” 下“G”」の刻印が、単4には「上“9” 下“G1”」の刻印が見られました。これも“DAISO & HWアルカリ乾電池”で見られるパターンの絶縁リングとなっています。
マイナス極のガス抜き穴は一般的な2つ穴タイプとなっていました。


Vアルカリ乾電池 3/4 LR6VN4S / LR03VN4S

ディスカウントストアや家電量販店など多くの店舗で見られる“オーム電機”の低価格アルカリ電池「Vアルカリ乾電池」がリニューアルを果たしたので紹介です。
新デザインはで前モデルを引き継ぎつつもメリハリのあるツートンカラーとなり、より洗練された印象があります。
そして、今回のリニューアルでは使用推奨期限が延長され、前モデルの5年から7年となったのも大きな特徴です。


単3と単4、各4本シュリンクパックのパッケージです。前モデルではバーコードが記載されるラベル上に商品名や使用推奨期限の表記などが凝縮されていましたが、新モデルではバーコードが記載されたラベルとは別に商品名やキャッチコピーなどが記載されたラベルが追加され、シュリンクパック両面にラベルが貼られたものになっています。
パッケージには『7年保存可能』、『性能アップ長持ち(当社従来品比)』と言ったキャッチコピーが記載されています。型番(品番)は単3が“LR6VN4S(08-4033)”、単4が“LR03VN4S(08-4036)”です。社名表記は“株式会社 オーム電機”で、バーコードの事業者名も“(株)オーム電機(4971275)”となっていました。
その他にもダイソー発売のアルカリ電池のようなQRコードが記載されていて、これはオーム電機ホームページ内のユーザーサポートページ“電池の安全で正しい使い方”へのリンクとなっています。電池の正しい使い方なので読んでみて損は無いと思います。


電池の外観です。冒頭にも書いた通り、のツートンデザインが特徴的。赤色がより濃くなって目立つ電池になりました。注意書きは一般的なもので誤字はありませんが、オーム電機の電池で印象的だった“「衝撃」「加圧変形」をしないこと。”という注意書きが『強い衝撃を与えたり、変形させたりしない。』という文言に変更されていました。
社名表記はパッケージと同様の“株式会社 オーム電機”、生産国は“MADE IN CHINA”で中国製となっています。

前モデルとの比較です。“Vアルカリ乾電池“の「V」の文字がスマートになり大きくなっている他、“Vアルカリ乾電池”表記の右には形名表示を表す数字(3)が記載されてサイズが明確にわかるようになりました。
大きな違いとして、前モデルでは中国製のアルカリ電池唯一と思われるJISマーク表示がありましたが、新モデルでは使用推奨期限7年になった影響か、JISマークが削除されています。

プラス・マイナス側です。マイナス極絶縁リングの色は「」。使用推奨期限は単3と単4共に「03-2027」。パッケージには“7年保存可能”の記載がありましたから、それぞれ2020年3月製造の電池であると思われます。
オーム電機のホームページではこのアルカリ電池の発売日が「2020年3月」となっていましたので、製造日と一致はしています。

外装ラベルを剥がしてみました。写真だとちょっと薄くて見えにくいかもしれませんが、単3には「D21114 9K0210」の、単4には「D30209 9J2620」のロット番号と思われるレーザー刻印が見られました。
この特徴を持った印字として、トライアルカンパニーのPower Energyアルカリ電池ビックカメラグループのORIGINAL BASICアルカリ電池で見られます(いずれもオーム電機供給)。


最後に絶縁リングとマイナス極の拡大です。濃緑色の絶縁リング、切り欠きを下に置いた状態で左にアルファベット上に数字が刻印されているタイプです。単3には「左“Z” 上“9”」の刻印、単4には「左“N” 上“14”」の刻印がありました。このタイプの刻印は今までの“Vアルカリ乾電池”にも見られるものであり、製造元は変わっていないのかもしれません(Fujian Nanping Nanfu Battery Co., Ltd.製?)。中国製アルカリ電池の絶縁リングは大半が薄緑色の絶縁リングなので、濃緑色の絶縁リングだったらこのメーカー製である可能性が高いと思います。
マイナス極のガス抜き穴は一般的な2つ穴タイプとなっていました。

★関連記事
V-アルカリ乾電池 OHMLR6/4S/V / OHMLR03/4S/V
→当ブログで初めて“Vアルカリ乾電池”を紹介した記事。JISマークが付加されるようになり、思わぬ所から製造工場が判明して話題になる。

Vアルカリ乾電池 単3形/単4形 LR6/S4P/V / LR03/S4P/V
→“Vアルカリ乾電池”のデザインがリニューアル。数ヶ月後にデザインが早くも変更されて、これが当電池の前モデルとなった。

アルカリ乾電池 単3形/単4形 LR6/S4P/V / LR03/S4P/V その2
→紆余曲折あり、当電池の前モデルとなった“Vアルカリ乾電池”を紹介した記事。こちらは4年続くロングセラーモデルとなった。


Hapyson(R) 釣り仕掛け用 ピン形リチウム電池 3V BR311/2B(BR311)

今回は夜釣り用として使われる集魚ライトや竿先ライトなどに用いられるピン形リチウム電池BR311”を紹介します。
この電池は山田電器工業が展開する釣り用品のブランド“Hapyson(ハピソン)”によるもので、2011年4月にパナソニックから釣具事業を譲り受けて立ち上げた経緯を持っています。
パナソニックからはBR425BR435というピン形リチウム電池が発売されていますが、こちらはそれらを上回る極小の電池となります。

パッケージ。パッケージはパナソニックのピン形リチウム電池に似たブリスターパックを採用しています。社名表記は“山田電器工業株式会社”。バーコードの事業者名も“山田電器工業(株)(457138319)”となっていました。
生産国はなんと“韓国製”。パナソニック似なパッケージとなっていますが、パナソニック製では無いようです。製造年月は「2015-12」で結構古い個体でした。やはり売れてない?


電池の外観です。写真左が問題の“BR311”なのですが、マッチ棒と比較してもかなり小さい電池であることが伺えます。韓国でここまで極小の電池が作れるとは…。製造メーカーがとても気になる所です。電池そのものは無印字・無刻印となっていて、電池単体で入手したら何が何だかわからないでしょう。まさに知る人ぞ知る電池ですね!
右の写真は各ピン形リチウム電池とサイズ比較してみたものです。パナソニックのBR425やBR435と比較してみると断然小さく、かつて松下電池工業(現・パナソニック)が製造していたBR211と比較してみると同じぐらいの大きさですが、直径はBR311よりもBR211の方が細い感じでしょうか。
現在はパナソニックが製造している2タイプのみではなく、今回紹介したBR311の他にBR309という更に小さいサイズの電池やBR316やBR322という特殊サイズのものも存在したりとピン形リチウム電池も中々奥深い世界となっています。


電池だけ買ってもしょうがないので、今回はBR311を使う竿先ライトも同時購入してみました。電池と同じ“Hapyson”ブランド「竿先ライト ミニ」YF-8813です。『LED竿先ライトで世界最小・最軽量』を売りとしています。価格は税込み1000円前後。
竿先ライト本体は“中国製”で、付属電池(BR311)はやはり“韓国製”となっています。


電池はマイナス極(ピンが突き出ている側)を下ケース(発光部)側に入れるだけで点灯します。点灯している状態は右の写真で約15時間点灯し続けるそうです。なお、点灯させない時は電池を逆向き挿入すればOK。

最後に強引にLEDを接続して点灯させてみました。やはり、小さな電池は扱いにくいですね。ここに至るまで結構な苦労でしたw。特殊電池は専用機器で使うのが一番です。

 

 

★関連記事
ピン型リチウム電池
→当ブログで初めてピン形リチウム電池を紹介した記事。パナソニックが製造する各種ピン形リチウム電池を比較して紹介している。

Panasonic 電気ウキ・竿先ライト用 リチウム電池 BR-435/5B
→一部釣り具店で流通している、ピン形リチウム電池BR435の5本パックを紹介した記事。


SAFT LS26500 3.6V Li-SOCl2

フランスの電池メーカー“サフト(SAFT)”の塩化チオニルリチウム電池です。日本では馴染みのない電池メーカーですが、かつて日本電池(GS、現・GSユアサ)と合弁でジーエス・サフトを設立し、ニカド電池やニッケル水素電池を製造していたことがあります。
こちらは単2サイズ(Cサイズ)の比較的大型な塩化チオニルリチウム電池で、とあるデータロガーに使われている電池だそうです。この電池は一次電池であり、充電は出来ません。

なお、一般的に市販されているアルカリ電池やマンガン電池が1.5Vの電圧なのに対して、この塩化チオニルリチウム電池は倍以上の3.6Vとなっているため、普通の乾電池を使う機器で使うことは出来ません。最悪、機器が故障してしまう可能性があります。

電池の外観です。型番は“LS26500”。塩化チオニルリチウム電池は通称“ER電池”と呼ばれ、ERから始まる型番が付けられることが多いのですが、こちらはLSから始まる独自型番となっています。LSシリーズは高容量重視のモデルで、このLS26500は7.7Ah(7700mAh)の容量となっているようです。26500という数字は直径26mm高さ50mmの電池を示しています。
生産国は“Made in France”で自社製と思われるフランス製


今回、結構な本数を入手したのですが、1本だけ注意書きが異なっているものがありました。多くは英語とフランス語の2ヶ国語な注意書きなのですが、1本のみ英語だけの注意書きになっていました。一見、英語のみの注意書きが古いもののような印象を受けますが、今回は多くの電池を入手したこともありロット番号を見てみることにしました。
電池本体に印字されたロット番号は“08.350.H49”のような2・3・3の形式で記されたものになっています。その中で先頭の2桁は08や09、13などの表記が見られることから西暦の下2ケタを表しているものと推測できます。そこで各ロット番号を集計してみたのが以下の結果です。

07.241.A34:3本
07.278.038:4本
07.348.D45:4本
07.352.E49:1本
08.350.H49:1本
09.048.I07:1本
10.021.D02:1本
10.048.B06:3本
10.270.C37:6本
13.036.C01:7本
13.324.G44:1本

で、注意書きが異なっていたのがどれかと言うと、上記表中一番下の“13.324.G44”という一番新しいと思われるロット番号の電池でした。従って注意書きが英語だけなのは古いものなのでは無く、新しいものではないかということが判明したのです。

プラス・マイナス側です。プラスもマイナスもあまり見たことがない独自の形状です。プラス極は空気電池でも無いのに2つの穴が見えます。マイナスも3つの模様が見えますね。

 

 


外装を剥がしてみました。外装はビニール(PVC)外装となっています。電池にはロット番号“H01L4R L3 N”の印字の他に、Nと言う文字と二次元コードと思われるものもレーザー刻印されています。ちなみに電池本体のロットは13.036.C01です。


プラス極には緑色の絶縁リングらしきものが見えたので、引っこ抜いたらプラス極ごと抜けちゃいました…。後で絶縁リングとプラス極を分離してみると、プラス極から伸びたヒゲのような細い線が電池本体のプラス端子に接続されていました。


プラス端子の拡大。外装缶がマイナス極でしょうから、大分プラス極が近いですね。この状態で使ったら短絡しそうです。プラス端子の周りに見える白いものはガラスシールでしょう。塩化チオニルリチウム電池では塩化チオニルという電解液が液体のままで封入されています。そのため、ガス抜き穴などは設けない完全密封構造となっています。それが塩化チオニルリチウム電池が充電出来ない理由です。充電するとガスの逃げ場が無いため、最悪爆発を引き起こす可能性が高いです。

最後にマイナス部分の拡大です。マイナス極の底板が溶接で取り付けられているようです。マイナス極の模様は溶接の跡だったようですね。

 

 

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