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LIVICA ALKALINE SUPER 単3形アルカリ乾電池 LR6(AM3)

今回は大手スーパーである“イオン”がまだ“ジャスコ”時代に発売していたプライベートブランドのアルカリ電池を紹介します。ブランドは“LIVICA”と言うもので普通に読めば「リビカ」という読みでしょうが合っているのかどうかは不明。ロゴの下には“365 days brand”という文字も見えます。
デザインは金色をベースとし、上下に緑色の帯を配したアルカリ電池としてはオーソドックスなデザイン。個人的には80年代デザインに見えます。ちょっと古くさいかな?

注意書き部分です。販売者は“ジャスコ株式会社”、供給元は“デュラセル・バッテリー・ジャパン(株)”となっています。前回紹介した“生活良好”のマンガン電池もブランド名やその字体から同社からの供給ではないか思われましたが、こちらははっきりとデュラセル・バッテリー・ジャパンからの供給であることが記載されていますね。なお、使用推奨期限はこの面に刻印で記載されている珍しいタイプです。

 

社名表記部分の拡大。販売者であるジャスコの住所が千代田区神田錦町のものになっています。ジャスコが同地に本社を置いていたのが1983年から1994年までで、1994年5月に幕張のイオンタワーに移転しています。その後1994年9月には最初のトップバリュ製品が発売されていることから、“LIVICA”なるブランドがトップバリュブランド以前に展開していたものであることは間違いなさそうです。

なお、注意書きの全文は以下の通り。全体的に文量は少なめ。生産国を書き忘れていましたが“MADE IN JAPAN”で日本製です。そう言えばこの頃のアルカリ電池で中国製は皆無と言っていいほど無かったような気がします。

単3形アルカリ乾電池 LR6(AM3)1.5V
(ご注意)●この電池は充電式ではありません。
充電すると液もれ、破損することがあります。
●はれつ、液もれのおそれがありますので(+)(-)
は正しく入れること。   MADE IN JAPAN

プラス・マイナス側。マイナス側の絶縁リングは「」。本体記載の使用推奨期限は「12-95」となっており、2年期限と推測すると1993年12月製造の電池であると思われます。
マイナス極の絶縁リングが黒いという特徴は同時期に売られていたデュラセルのアルカリ電池と同様ですが、使用推奨期限の印字がデュラセルが印字LIVICAが刻印となっていますから、同じ製造元であることを断定することはできないでしょう。

★関連記事
DURACELL ALKALINE BATTERY MN2400(AM4)
→デュラセル・バッテリー・ジャパンが発売していた“DURACELL”ブランドのアルカリ電池を紹介した記事。使用推奨期限が「95-09」となっており、本記事紹介のアルカリ電池と製造時期が近く生産国も日本製となっている。


生活良好(くらしりょうこう) NEO SUPER 超高性能/単2形 SUM-2(NS)

今回はかつて発売されていた“生活良好(くらしりょうこう)”ブランドのマンガン電池を紹介します。この電池は“オール日本スーパーマーケット協会(AJS)”に加盟するスーパーマーケットで発売されているプライベートブランドの電池で、発売は同協会の傘下である“コプロ株式会社”で行われています。
現在でもこのブランドは続行していますが、“くらし良好”とされ「生活」の当て字であった“くらし”がひらがな表記となっています。

電池の外観。デザインは黒をベースとし、上部に金色の帯が入っているシンプルなものとなっています。グレードは“R14PU”とあり、“超高性能”の記載もありますから外観通りの黒マンガン電池となっています。
発売元は前述の通り“コプロ株式会社”。生産国は“MADE IN JAPAN”で日本製となっています。

 

注意書きの全文は以下の通り。注意書きの文量は少なめで文字も小さめ。注意書きの中に「水銀0使用」の表記がある他の電池ではあまり見られないものです。また、注意書き以外にも『この商品はオール日本スーパーマーケット協会グループの共同開発商品です。』の記載も見られます。

・注意
●(+)、(-)を正しく入れること。
●新しい電池と使用した電池、他の電池をまぜて使わないこと。
●この電池は充電式ではないので、充電すると液もれ、破損のおそれがある。
●使い切った電池はすぐに機器から取り出すこと。(水銀0使用)

プラス・マイナス側です。プラス極の絶縁リングは「」。使用推奨期限は「12-99」となっており、3年期限と推測すると1996年12月の電池であると思われます。
気になるのは製造元ですが、外装缶がレーザー溶接ではないのでナショナル(パナソニック)製では無いですし、刻印の字体が違うので東芝電池製でも無いでしょう。残るはマクセルか東洋高砂乾電池のどちらかかな?

この電池は「NEO SUPER」のロゴがかつて“デュラセル・バッテリー・ジャパン”が発売していたマロリーブランドのマンガン電池と同様で尚且つ型番も“SUM-2(NS)”で“(NS)”が付加されている特徴が一致することから、同社の供給であると推測されます。

 

 

★関連記事
生活良好 アルカリ乾電池
→本記事と同様の“生活良好(くらしりょうこう)”のアルカリ電池を紹介した記事。2013年頃の電池を紹介しているが、本記事のマンガン電池とほぼ同時期の1997年のアルカリ電池も紹介。どちらもFDK製となっていた。


ナショナル高性能乾電池 SM-1 1.5V

今回は久しぶりとなる特殊電池を紹介します。これは大昔の電話やベルなどに使われていた、“SM-1(正1)”というサイズの大型マンガン電池です。電池のデザインはとても古そうですが、既に小文字の“National”表記となっています。
片面は日本語表記となっており、社名表記は“松下電器産業株式会社”、もう片面は英語表記となっており社名表記も“MATSUSHITA ELECTRIC INDUSTRIAL CO.,LTD”と英語表記となっています。

側面です。『日本工業規格合格品』と記載され、C8501(マンガン電池)で許可番号は“690”となっていますから、松下電器産業(当時)の辻堂工場で製造された電池のようです。両面とも同じ表記で注意書きの記載はありません。用途は“通信用”・“電鈴用”・“その他”とあります。
79-06 T」という印字が見られるので、1979年6月製造の電池であると推測されます。

 

 

 

 

2個入手したうちの1個が下から液漏れで腐食していたので分解してみました。分解して驚き、中は単1のマンガン電池が8本並列で接続されていました。最初は大きい電池が1本だけ入っている構造(単セル)だと思っていたのですが、こういう構造になっていたのですね。単純に考えただけでも単1マンガン電池8倍の容量を持っていることになります。

中に入っていた単1のマンガン電池。銀ピカ無印字の金属外装なマンガン電池です。プラス極の絶縁リングは「」。気になるのはランクです。普通に考えるとハイトップ相当の赤マンガン電池であると推測できそうですが、電池の英語表記には「HYPER DRY BATTERY」との記載があることからハイパー相当の青マンガン電池かもしれません。

 

最後に電池の外装を剥いでみました。このような無印字の電池では極稀に内部に別電池の絵柄が印字されている事例があるらしいとのことで。残念ながら、今回の電池には何の印字もありませんでした。ちなみにロット番号などの記載もありません。通常、マンガン電池の場合はロット番号などの記載は無いのが普通です。

昭和45年(1970年)のカタログより。FM-5やFM-3ナショナルの乾電池と同じような新しいデザインになっているのに対し、RM-1(丸一)と今回のSM-1(正一)は古いデザインを使い続けていたことがわかります。これから9年間も同じデザインを使っていたんですね。1970年当時の価格はRM-1の380円に対し、SM-1は750円と高価です。SM-1はRM-1の上位版と言った位置付けだったのでしょうか。