今回も松下電器産業(現・パナソニック)のナショナルブランドによるマンガン電池“Hi-Top(ハイトップ)”を紹介します。
前回紹介したものは“NATIONAL”ロゴの1970年初頭のものでしたが、今回紹介するのは“National”ロゴの1970年後半のものです。ハイトップが登場した当時はマンガン電池に赤だとか黒だとかの概念はありませんでしたが、ネオハイトップが登場し黒マンガンが定着、この頃は既に赤マンガンが認知されている時代であります。
“National”ロゴのハイトップにはナショナルマーク(Nマーク)の左右に“long life”となっているバージョンもありますが、こちらの電池は既に表記が無くなっているものであり、1991年の“NEO(赤)”まで多少注意書きなどのデザインが変更されるものの、ハイトップは最後までこのデザインを貫きました。まさにロングライフデザイン言えるのではないでしょうか。
注意書き部分。“NATIONAL”ロゴのものには注意書きがありませんでしたが、この電池には注意書きが記載されています。
「ご注意 はれつのおそれがあるので
(+)(-)は正しく入れ、充電はしないこと。
アルカリ乾電池などとまぜて使わないこと。」
“アルカリ乾電池”という単語が、この頃アルカリ電池が普及し始めた時期であることを物語っていますね。
型番も“UM-3D”から“SUM-3(D)”へ変更、JISマークは記載されていますが、認定番号が省略されているのでどこで製造されているのかは不明であります。また、プラス・マイナスの記号もよりわかりやすいものに変化しています。
プラス・マイナス側。前回の“NATIONAL”ロゴのものと同様、プラス及びマイナス極両方共に絶縁リングがあり、両方共「赤」となっています。
マイナス極には「78-01 T」の刻印があり、1978年1月製造の電池であると思われます。
今回は今まで紹介したハイトップの単3電池を並べてみました(年代的に所々抜けがありますが)。
左:「NATIONAL Hi-Top」(1969年9月頃製造)
中:「National Hi-Top」(1978年1月製造)
右:「National Hi-Top[ディズニーバージョン]」(1990年10月製造)
★関連記事
NATIONAL Hi-Top UM-3D
→本記事の前記事。1969年頃製造と思われる“NATIONAL”ロゴ時代のハイトップ単3を紹介した記事。
当時はマロリー電池がマンガン電池みたいなデザインで間違って混ざって使ってしまうことが考えられたのでしょう、
この赤マンガンで「アルカリ電池などと混ぜて使わない」というのは、
始めてみました。
この頃の松下は蓄電池・アルカリ・マンガンと同じようなデザインでしたね~