皆さま、あけましておめでとうございます。今年も「電池コレクションブログ」をどうぞよろしくお願い致します。
2022年初めてのブログはパナソニックの電池にまつわるとある噂から取り上げます。それはパナソニックの乾電池エボルタに関するもので、日本製だった乾電池エボルタがタイ製に変わったという噂です。今回、タイ製な乾電池エボルタの単3と単4を本当に見つけたので記事にしてみたいと思います。
これがタイ製だった乾電池エボルタが発見された8+2本パックの自称“お買い得増量パック”です。現状、タイ製の乾電池エボルタが見られるのはこのような多本パックのみで、2本や4本のブリスターパックやシュリンクパックなどでは見られないようです(つまり日本製)。もし、これらの2本や4本のブリスターパックやシュリンクパックでタイ製が存在してたら電池掲示板まで写真付きで教えて欲しいな。個人的に見たいです。
型番は単3の8+2本パックが“LR6EJSP/10S”、単4の8+2本パックが“LR03EJSP/10S”となっています。バーコードの事業者名は“パナソニック(株)[4984824]”。となっていました。
パッケージ上からタイ製の個体を見つける方法です。パナソニックの電池は日本製の場合のみだけ生産国が記載されない法則があるため、タイ製の個体では何処かに生産国が記載してあります。今回のものではパッケージ裏、プラスチック包装の識別マークの下に“タイ製”の記載があります。
また、パナソニックのアルカリ電池は全て正面を向いているため、パッケージの側面から電池自体に書かれている生産国が見えますのでそっちを見た方が早いと思います。
パッケージをバラしてみました。相変わらず、パナソニックの多本パックでお馴染みな4本パック×2の2本パック×1で10本が構成されています。
通称“アルカリベーシック”こと、パナソニックのエントリーモデルアルカリ電池では普通のシュリンクパックとなっていましたが、これは電池が一本づつ切り離せる「見分けるパック」を採用しています。さすがはエボルタですね。
電池の外観。金ベースに青いというエボルタおなじみのデザインです。一時期ハイグレードアルカリといえば青!というブームもありました。デザインや注意書きなどは日本製と同じですが、生産国の部分のみが“タイ製”となっています。電池に記載されてている型番は単3が“LR6(EJ)”、単4が“LR03(EJ)”です。これは日本製のものと同じです。社名表記は“パナソニック株式会社”。
これは個人的に感じた小さな違いなのですが、単3はつや消しなラベルなのに対して、単4は艶があるラベルを使っているようで「金」の部分がよく光っているように見えます。これは当ブログで取り上げた海外版のタイ製乾電池エボルタと同じです。ラベルの材質が違っているのでしょうか?
更に単3で日本製とタイ製を比較してみました。前述の通り、デザインや見た目は日本製と全く同じ。生産国の表記が異なるのみです。外観の点では単4の方が艶ありラベルを使っていますから、こちらの方が外観的な違いが感じられるかもしれませんね。
単3では使用推奨期限の印字が日本製では大きいタイプとなっているのに対し、タイ製では小さいタイプとなっています。外観上唯一の違いだと思います。
プラス・マイナス側。絶縁リングは無いタイプです。パナソニックの単3アルカリ電池は日本製だけでマイナス極のミゾに絶縁用の樹脂(紫外線硬化樹脂)を流し込んでいるものになっていますが、これはタイ製なのでそれが省略されています(後ほど比較しています)。
使用推奨期限は単3が「07-2031」、単4が「09-2031」となっていました。パッケージには“10年保存可能”とありますから、それぞれ2021年7月と9月製造の電池であると思われます。
タイ製の乾電池エボルタは私が見る限りでは多本パックでしか見られず、上記使用推奨期限以降のものでも日本製個体が見られる点、シュリンクパックやブリスターパックの2本や4本入りではタイ製が見られない、という点から一時的なもので日本製メインという方針は当分そのままなのでは?と推測されます。そもそも海外版の乾電池エボルタではタイ製だし、乾電池エボルタネオの登場で下位クラスのエボルタはタイ製になるのではという不安がありましたが…。変わらないという保証もないので、今後乾電池エボルタを買う時はパッケージの生産国に要注意でしょう。
外装ラベルを剥がしてみました。近頃パナソニックのアルカリ電池でよく見られる、外装ラベル端にロット番号の印刷が見られました。単3には“BAM2SVT229EA”、単4には“BAM2SVT220EA”の記載が見られます。
電池本体にもロット番号の印字がありましたが、単3にのみ2ヶ所の印字が見られました。単3は“1507213 23:12”と“290721 14704”の、単4は“0909211 21:48”の印字があります。
最後にマイナス極の拡大です。絶縁リングは無いタイプとなっていますが、単3のみマイナス極の周りに樹脂が付いている構造となっています。
これは短絡防止機構で、マイナス極のバネが電池外側プラス極に触れてショートを防止する機能であると思われます。なお、マイナス極のガス抜き穴は単3が4つ穴タイプ、単4が2つ穴タイプとなっていました。
おまけ。いい機会なのでタイ製と日本製の単3マイナス極を比較です。右の日本製ではマイナス極のミゾに樹脂が流し込まれているのに対し、左のタイ製はマイナス極の周りに樹脂が付いていることがわかります。
両者ともショート防止という効果は変わらないとは思うのですが、何が違うのでしょう?ミゾに流し込んだほうが樹脂を多く使うからということなのでしょうかね…。謎です。
★関連記事
Panasonic EVOLTA LR6EG/LR03EG
→海外では先行していたタイ製の乾電池エボルタ、単3と単4を紹介した記事。