今回は長野県松本市に所在する“ヒーローグリーン”より発売されている、1.5Vのリチウムイオン電池を紹介します。
リチウムイオン電池はエネループなどに代表されるニッケル水素電池と比べ、軽量で継ぎ足し充電も可能というメリットを持っていますが、通常の乾電池と同じ1.5Vにするには降圧回路が必要で価格がどうしても高価になってしまう点とその回路の分、中に内蔵する電池の容量が低くなってしまうデメリットもあります。
パッケージ裏。キャッチコピーは以下の通り。
●一般的な乾電池として使用可能
●最初から最後まで電圧 1.5V 持続
●充電中・充電完了表示LED
●過充電・過放電防止
●使用温度範囲 -20℃~60℃
生産国は“Made in China”で中国製です。
パッケージ裏の注意書きにはありませんが(ホームページには書いてある)、この電池には不適な機器があります。それは“ラジオ”です。冒頭にも書きましたが、この電池にはリチウムイオン電池3V台の電圧から1.5Vへ落とし込む降圧回路を備えています。ラジオがこの回路が発するノイズを拾ってしまい電波障害を引き起こしてしまうのです。試しに筆者が持っているミニラジカセ(アイワTR-5)でアルカリ電池と比較実証してみましたが、AMは全く受信せず、FMはノイズ混じりでした…。もちろんカセットはOKなので、知らない人はまさか電池が誤動作を起こしているとは気付きづらいかもしれません。
発売元は“株式会社 ヒーローグリーン”。バーコードの事業者名も“(株)ヒーローグリーン(458032913)”となっていました。ちなみにこの電池を買ったディスカウントストアでは1パック1000円でしたが、2個パック同時購入すると半額になるような売り方がされていて、単3と単4を1パックづつ購入しました。実質1パック500円です。これなら十分安いのでは無いでしょうか。
電池の外観、まずは単3を見ていきます。冒頭書き忘れていましたが“RevoEnergy(レヴォエナジー)”というブランド名が付けられており、なかなかカッコいいネーミングです。電池のデザインはメタリックピンクな色となっていて、充電池でもなかなか見られない珍しい色を採用。プラス極の部分がキャップとなっていてこれを取るとUSB端子が現れます。
公称容量はMin.1000mAh。これは内蔵されているリチウムイオン電池の容量なのでしょうかね…。もし、そうであれば降圧回路を通した放電容量との差異が出てくるはずですから、実際の放電容量も調べてみたい所ではあります。
充電中の様子。充電はUSB端子を使って充電しますが、容量不足に陥ってしまう為か、パソコンを使っての充電は禁止。USB ACアダプタなどを使って充電します。
電池のプラス極キャップは磁石が付いているので、充電中は本体もしくはマイナス極に引っ付けるのが正しい運用方法のようです。充電中はUSB端子側に付いているLEDが点滅、完了するとLEDが点灯した状態に変わります。
充電時間は約80分(1時間20分)で、これは使うUSB ACアダプタによっても上下しそうです…。
お次は単4。単4は単3のピンク色とは打って変わっての黒です。なんか一気にシブくなりましたね…。単4ではUSB端子が装備できなかったのか、MicroUSBによる充電となっています。ケーブルは別売りとなっていますから、持っていない時は別に購入することとなります。
公称容量はMin.400mAh。前述の通り、放電時の容量と比較することは出来ないかもですが、単3も単4もスタンダードタイプのニッケル水素電池との比較ではおおよそ半分の容量となっています。
充電中の様子。単4はケーブル別売りなので購入しますが、2本同時充電を行うために写真のような2叉に分かれたMicroUSBケーブルを使うと便利です。充電中は単3と同じくプラス極のLEDが点滅、完了するとLEDが点灯した状態になります。どうでもいいですが、単3は赤色のLEDですが、単4は緑色のLEDで点灯していました。
注意として写真のような2叉のMicroUSBケーブルを使用している場合でプラス極とマイナス極を近づけると充電が停止する現象が見られました(写真右)。恐らく、充電回路が内部ショートしているものと思われます。ワタシが実証した結果では充電が停止するだけで何も起きませんでしたが、プラス極とマイナス極を近づけるような充電にならないようにしましょう。
充電時間は約1時間です。
ヒーローグリーンのホームページによると、電池本体には過充電・過放電防止機能を備えており、作動しなくても電池本体にも保護機能が備わっているとのことです。
この写真を見ると電池というよりか電解コンデンサのような形をしています。確かに現在、電解コンデンサのような外装のリン酸鉄リチウムイオン電池が登場しているそうです。釘刺し試験もしているということは、本当にリン酸鉄リチウムイオン電池なのかもしれませんね。