ユアサコーポレーション(現・ジーエス・ユアサコーポレーション)より発売されていた“DINAM(ダイナム)”というブランドのマンガン電池です。カラーリングは鮮やかなエメラルドグリーンで一瞬クラスがわからなくなりますが、“R6P”の型番から分かる通り、赤マンガン相当の電池です。
上位クラスに当たる位置付けである、黒マンガン相当でありながらもゴールドなカラーリングだった“SUPER DINAM(スーパーダイナム)”が存在していました。
“YUASA CORPORATION”と社名表記が表に記載されている点も変わったポイントです。2006年には“YUASA”ブランド乾電池の販売権が“ユアサM&B株式会社”という会社に譲渡され、その後に発売されたDINAMでは社名表記が“YUASA M&B CORPORATION”に変更されているバージョンがあるらしいですが、今まで見たことが無く本当にレアなのはこちらなのかもしれません。
注意書き部分。住所が記載されており、小田原市扇町の住所ですが、ここはかつてユアサコーポレーションの小田原工場があった場所です。日本電池とユアサコーポレーションが合併し、ジーエス・ユアサパワーサプライになっても健在でしたが、2009年に閉鎖。現在はamazon.co.jpの小田原フルフィルメントセンター(FC)となっています。
電池は“MADE IN JAPAN”で日本製。JISマーク表記が“C8501 R6P T-T-K”と記載されていますから、東洋高砂乾電池(現・トーカン)製であると思われます。注意書きよりも、マンガン乾電池の表記よりも使用推奨期限表示位置の表記が一番大きいという面白い構成の電池です。
プラス・マイナス側。プラス極の絶縁リングはこの頃のマンガン電池では主流だった「緑」です。
使用推奨期限は「09-97(1997年9月)」となっており、当時の単3マンガン電池では2年期限主流であったことを踏まえ推測すると1995年9月製造の電池であると思われます。
次は未開封な単1です。バーコードが貼られており、ベンダーは“ユアサエムアンドビー(株)(491504)”となっていました。ちなみにこのユアサM&Bですが、株主にジーエス・ユアサやユアサ商事などが名を連ねており、同社と関係がある会社なのは間違いないのでしょう。
デザインは単3と同様のデザインで、シマシマ模様と緑色のデザインは改めて個性的だなぁ、と思わせます。
注意書き部分。こちらも日本製なのは単3と同様ですが、JISマーク表記が“C8501 R20P T-S”になっており、こちらは東芝電池の佐久工場製であると思われます。
マイナス側。ちなみに写真右側の電池が液漏れている。使用推奨期限は「03-00(2000年3月)」となっており、当時の単1マンガン電池では3年期限が主流であったことを踏まえ推測すると1997年3月製造の電池であると思われます。
ちなみに自分が幼かった頃はこの前モデルに当たる湯浅電池時代のDINAMが何故か文具店で売られていたことを今でもよく覚えています。