月別アーカイブ: 2017年7月

SELEN アルカリ乾電池 単3形/単4形 SO-LR6/B4P / SO-LR03/B4P

今回は様々な防犯カメラや防犯ブザーなどのセキュリティ製品を発売する“株式会社セレン”のアルカリ電池を紹介します。『10年保存可能』を大きく謳った電池で、金色をベースとしながらオレンジ色を使うという他社ではあまり見られないデザインが特徴の電池です。

 

 

パッケージです。電池と同様にオレンジ色でアピールしており、派手で非常に目立つパッケージです。こちらでも大きく『10年保存可能』をアピール、キャッチコピーも「緊急時に役立つ長期保存」となっています。用途は“「ラジオ」「懐中電灯」「携帯・スマホの充電器」などに”。
電池の向きを揃えるためか、ブリスターパックの中に更にシュリンクもされている2重包装となっていました。

パッケージ裏。発売元は“株式会社セレン”となっていますが、輸入元は“株式会社オーム電機”となっています。住所表記やホームページアドレスはオーム電機のものになっており、問い合わせ先の電話番号もオーム電機です。一体どちらが真の発売元なのかわからなくなる電池です。
ただし、バーコードのベンダーだけは“セレン(456013168)”となっていました。

この電池はビックカメラで発見した電池で、単3・単4が4個入りのブリスターパックが税抜340円という無名メーカーの電池としてはいっちょ前の価格で発売されていました。何故このメーカーの電池がビックカメラで売られているのかと疑問に思って、発売元であるセレンのホームページを見てみると株主が「株式会社東芝」・「株式会社ビックカメラ」・「株式会社東京サービスステーション」となっているのを見て、なるほどと納得してしまいました。

電池の外観です。冒頭に書いた通り、金ベースオレンジ色が印象的なデザインですね。注意書きはオーム電機の「Vアルカリ乾電池」などのものと同一。他社には見られない“「加圧変形」しない”という注意書きが印象的です。
パッケージと同様に「発売元:株式会社セレン」で「輸入元:オーム電機」の記載となっています。問い合わせ先はやはりオーム電機の電話番号。

でも、この電池のデザイン何かに似てなくない?と思ってよく見てみたら「Vアルカリ乾電池」と同一デザインでした。多分デザインもオーム電機に丸投げしているのでしょうね。
「Vアルカリ乾電池」の「Vアルカリ乾電池 UPPER」の「SELENアルカリ乾電池」のオレンジと色が違うだけで大まかなデザインは同じで、違うのは社名表記とJISマークがあるか無いか程度の違いです。

プラス・マイナス側。マイナス極の絶縁リングは「」。使用推奨期限は単3・単4共に「02-2027」。電池やパッケージにはしつこい程に『10年保存可能』と記載されていますから、2017年2月製造の電池であることがわかります。
使用推奨期限10年という特徴から、オーム電機自身が発売するVアルカリ乾電池 UPPER」相当のアルカリ電池であると推測されます。

外装ラベルを剥がしてみました。単3には“D77303 7A131”、単4には“D43212 6K152”というレーザー刻印らしきロット番号が印字されていました。ロット番号の記載パターンは「Vアルカリ乾電池 UPPER」と同様です。
外装ラベル剥がしついでにマイナス極のガス抜き穴も見てみましたが、単3・単4共に2つ穴タイプのものでした

 

絶縁リングの拡大です。濃い緑の絶縁リングでリングの切り欠きを下に置いた状態で上には数字が、その左にはアルファベットが刻印されているものでした。これは「Vアルカリ乾電池」や「Vアルカリ乾電池 UPPER」と同様の特徴で、同電池を製造しているとされる、中国の電池メーカー“Fujian Nanping Nanfu Battery Co., Ltd.”製であると推測できます。

 

★関連記事
Vアルカリ乾電池 UPPER 単3形/単4形 LR6/S8P/U / LR03/S4P/U
→この電池のネタ元、いや相当品とみられるオーム電機のハイグレードアルカリ電池“Vアルカリ乾電池 UPPER”を紹介した記事。


【解体】SEGA GAME GEAR専用 充電式バッテリーパック HGG-3005

今回は久々の解体シリーズです。以前、解体シリーズで初代ゲームボーイの充電式アダプタを解体したことがありましたが、ツイッターなどのSNSで紹介していただいたり、懐かしいとコメントを頂いたりとなかなかの人気記事だったようです。
という訳で、今回はゲームボーイの対抗機種だったセガ“ゲームギア”のバッテリーパックを解体してみます。よりマニアックな方向に向かうのが当ブログの方針だと思いますw。

 

これがバッテリーパック本体です。ゲームボーイの充電式アダプタと比べると大きい印象を受けますが、それも当たり前ゲームボーイが単3電池4本の6Vだったのに対し、ゲームギアは単3電池6本の9Vでした。当時のカラー液晶は電気大食いだったのです。
充電は別売の初代メガドライブ用のACアダプタを使い、充電時間8時間で3時間の連続プレイが可能でした。充電するにはバッテリーパックの充電スイッチをONにします。

バッテリーパックの裏側。ゲームボーイの充電式アダプタと同じくフックを装備していますが、取り外し可能。フック取り付けのネジは固定できないので無くしてしまいそうです。
ただし、充電式アダプタと比べると重量があるので腰ベルトに付けるとズボンがずり下がりそうで怖いです。ズボン以外のところに引っ掛けましょう。

 

お待たせしました。では、解体してみましょう。例のごとく特殊ネジが採用されていました。現状ではこのタイプのネジを緩められるドライバーは存在していないようです。ワタシは先細のラジオペンチを用いて強引にネジを回しました。

 

 

中身を開けてみると、ラジコンで多く使われているのと全く同じサブC・6セルのニカド電池が内蔵されていました。このタイプのバッテリーパックは多く普及していて現在でも模型店で入手できるバッテリーなので組み換えも容易です。しかも、充電式アダプタのように直付けタイプでは無くコネクタ付きです。これはバッテリー交換を想定してますね。

 

バッテリーパック銘板の拡大です。「ニッケル・カドミウム蓄電池」と記載、モデルナンバーは“6KR-1300SC”、定格は7.2V 1300mAhとなっています。ちなみに取説での表記はDC7.2V 1200mAhとなっており食い違っている。
MADE IN JAPAN”で日本製、「S.E.T INC.」という社名表記も見られますが、聞いたことが無い社名です。

 

充電制御基板です。ゲームボーイの充電式アダプタがなるべく部品数を減らしてコストダウンを目指したのに対し、ゲームギアはその逆を突き進んでおり、トランジスタにオペアンプやICなど部品数が多い。これは充電式アダプタが3800円だったのに対し、こちらは6800円だったことにも現れています。

 

最後に意味不明なカスタムICが実装されていました。“MITSUOKA”なるメーカーの「MH-2060C」。これは1999年11月に倒産したとされる三岡電機製作所のものと推測されます。ICにも見える同社マルエムのマークがモトローラに訴えられたこともあったそうです。ロット番号記載の仕方(西暦下2桁+週番号)から東芝製でしょう。恐らくは充電制御を行うICだろうか。

 

ワタシが持っていたのは箱付きの完品だったため、取扱説明書も付属していました。ここに取扱説明書を掲載しておきますので参考にどうぞ。なお、現在は当然サポートが終了しておりますのでセガ(現・セガゲームス)に問い合わせをするのは厳禁ということでお願いします。

ゲームギアのバッテリーパックはこの後パワーアップバージョンと言える『パワーバッテリー(HGG-3017)』が発売されています。本体装着が可能になった他、ノーマル充電モードで充電しながらのゲームプレイが可能、クイック充電モードを使えば2.5時間で短縮充電が可能になりました。価格は据え置きの6800円でした。


Fujitsu Premium(プレミアム) 単3形 4個パック LR6FP(4B)

2017年4月FDKのアルカリ電池がリニューアルされました。あくまで、電池内部の改善とされており電池本体のデザインは変わっていないと言われています。では、パッケージはどうなのでしょうか。今回はハイグレードアルカリに当たる“Premium(プレミアム)”の4個入りブリスターパックを例に取って見てみましょう。
まずは表面のパッケージです。素人目では同じように見えてまるで間違い探しのようです。

 

左が旧モデルのもので、右がリニューアルモデルのものです。旧モデルのキャッチコピーが『選ぶなら日本品質』だったのに対し、リニューアルモデルでは『信頼の日本製』となりそれが原産国表示を兼ねているため型名表記の下に“4個パック”の表記が移動しています。旧モデルでは右下の端に記載されており、非常にわかりにくいものでした。
両パッケージの共通点として「液漏れ補償」「抗菌ラベル」「10年保存」「漏液防止」記載が左にありますが、リニューアルモデルでは右に「保存性能向上」という表記が追加されています。

パッケージ裏です。注意書きなどの記載に違いはありませんが、上部特徴を表示している星マークギザギザ付きの丸模様に変更されています。こちらにも『保存性能向上』という特徴が追加されて、その下の項目にも同じように追加されています。
小さな違いではありますが、旧モデルではFDKの住所が表示されているのに対しリニューアルモデルでは何故か省略されておりフリーダイヤルのみの記載となっています。

念のため電池本体の違いも見てみました。ちなみに今回入手したロットは使用推奨期限「03-2027(2017年3月製造)」と「04-2027(2017年4月製造)」のものでたった一月違いのロットです。2017年4月製造分からリニューアルされています。
予想した通り電池本体のデザイン変更は無く、パッケージでは省略されていたFDKの住所も電池ではそのまま残されています。注意書きも全く同じものです。

プラス・マイナス側。両者とも絶縁リングの色は「」で違いは見られません。従って、旧モデルかリニューアルモデルかの違いは使用推奨期限から割り出すしか無さそうです。
なお、今回“Premium”では正極缶の内側にレアメタルコートを施すことにより、初期放電性能が約10%アップ長期保存後の放電では約20%の性能アップを果たしているようです。