【解体】SEGA GAME GEAR専用 充電式バッテリーパック HGG-3005

今回は久々の解体シリーズです。以前、解体シリーズで初代ゲームボーイの充電式アダプタを解体したことがありましたが、ツイッターなどのSNSで紹介していただいたり、懐かしいとコメントを頂いたりとなかなかの人気記事だったようです。
という訳で、今回はゲームボーイの対抗機種だったセガ“ゲームギア”のバッテリーパックを解体してみます。よりマニアックな方向に向かうのが当ブログの方針だと思いますw。

 

これがバッテリーパック本体です。ゲームボーイの充電式アダプタと比べると大きい印象を受けますが、それも当たり前ゲームボーイが単3電池4本の6Vだったのに対し、ゲームギアは単3電池6本の9Vでした。当時のカラー液晶は電気大食いだったのです。
充電は別売の初代メガドライブ用のACアダプタを使い、充電時間8時間で3時間の連続プレイが可能でした。充電するにはバッテリーパックの充電スイッチをONにします。

バッテリーパックの裏側。ゲームボーイの充電式アダプタと同じくフックを装備していますが、取り外し可能。フック取り付けのネジは固定できないので無くしてしまいそうです。
ただし、充電式アダプタと比べると重量があるので腰ベルトに付けるとズボンがずり下がりそうで怖いです。ズボン以外のところに引っ掛けましょう。

 

お待たせしました。では、解体してみましょう。例のごとく特殊ネジが採用されていました。現状ではこのタイプのネジを緩められるドライバーは存在していないようです。ワタシは先細のラジオペンチを用いて強引にネジを回しました。

 

 

中身を開けてみると、ラジコンで多く使われているのと全く同じサブC・6セルのニカド電池が内蔵されていました。このタイプのバッテリーパックは多く普及していて現在でも模型店で入手できるバッテリーなので組み換えも容易です。しかも、充電式アダプタのように直付けタイプでは無くコネクタ付きです。これはバッテリー交換を想定してますね。

 

バッテリーパック銘板の拡大です。「ニッケル・カドミウム蓄電池」と記載、モデルナンバーは“6KR-1300SC”、定格は7.2V 1300mAhとなっています。ちなみに取説での表記はDC7.2V 1200mAhとなっており食い違っている。
MADE IN JAPAN”で日本製、「S.E.T INC.」という社名表記も見られますが、聞いたことが無い社名です。

 

充電制御基板です。ゲームボーイの充電式アダプタがなるべく部品数を減らしてコストダウンを目指したのに対し、ゲームギアはその逆を突き進んでおり、トランジスタにオペアンプやICなど部品数が多い。これは充電式アダプタが3800円だったのに対し、こちらは6800円だったことにも現れています。

 

最後に意味不明なカスタムICが実装されていました。“MITSUOKA”なるメーカーの「MH-2060C」。これは1999年11月に倒産したとされる三岡電機製作所のものと推測されます。ICにも見える同社マルエムのマークがモトローラに訴えられたこともあったそうです。ロット番号記載の仕方(西暦下2桁+週番号)から東芝製でしょう。恐らくは充電制御を行うICだろうか。

 

ワタシが持っていたのは箱付きの完品だったため、取扱説明書も付属していました。ここに取扱説明書を掲載しておきますので参考にどうぞ。なお、現在は当然サポートが終了しておりますのでセガ(現・セガゲームス)に問い合わせをするのは厳禁ということでお願いします。

ゲームギアのバッテリーパックはこの後パワーアップバージョンと言える『パワーバッテリー(HGG-3017)』が発売されています。本体装着が可能になった他、ノーマル充電モードで充電しながらのゲームプレイが可能、クイック充電モードを使えば2.5時間で短縮充電が可能になりました。価格は据え置きの6800円でした。


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