月別アーカイブ: 2013年12月

Panasonic ニッケルマンガン電池 ZR6(D)

ZR6(D)_1前回はソニーのニッケルマンガン電池を紹介したが、今回はパナソニックが発売していたニッケルマンガン電池を紹介する。なお、ニッケルマンガン電池が何かと言うのは前回のソニーの回で書いたので、そちらを見て欲しい。
ラインナップは単3のみ、2本入り・4本入り・8本入りのブリスターパックでの展開だったようである。

 

 

ZR6(D)_2パッケージ。左が「新登場!」と記載のある通り、発売初期のパッケージ(旧タイプ)で、右が末期のパッケージ(新タイプ)。旧タイプがパナソニックの乾電池でお馴染みの“見分けるパック”を採用しているのに対し、新タイプでは採用されていない。その代わり、新タイプではパッケージの下がちぎることができ、下部だけをケースのように持ち歩けるようになっている。

 

ZR6(D)_3パッケージ裏。旧タイプでは『デジタルカメラで長持ち!』ということで、アルカリ電池では50枚程度しか撮れないのに対し、ニッケルマンガン電池では150枚程度撮れることが記載されている。こちらでは比較条件が詳細に書かれており、デジタルカメラはコダックの「DX3600 Zoom」を使用、30秒毎に1枚撮影(常温20℃の場合、常時液晶モニター使用、フラッシュ発光)と、かなり細かい所まで書かれているが、前回のソニーと同じで自社製のデジタルカメラではない。

一方、新タイプでは『デジタルカメラでさらに約15%長持ち!』と記載されており、2002年モデル(旧タイプ)よりも2003年モデル(新タイプ)の方がデジタルカメラで長持ちすることが記載されている。なので、新タイプのほうが2世代目という言い方ができるのかもしれない。ただし、電池自体のデザインは両者とも変わらないし、バーコードのコードも同じものである。
両者ともパナソニック社名変更前であり、“松下電器産業株式会社”と“松下電池工業株式会社”の連名表記である。なお、バーコードのベンダーはパナソニック(4984824)。

ZR6(D)_4注意書き部分。やはり、充電式電池との混同を避ける目的からか“充電禁止”の記載が大きく書かれている。もちろん、「水銀0使用」で日本製である。

 

 

ZR6(D)_5パナソニックのニッケルマンガン電池のデザインは、オレンジベースのデザインで当時発売されていた同社のニッケル水素電池(メタハイ、写真上)もやはり、オレンジベースだったので、余計充電式電池と混同しやすかったのでは?と思うのですが、どうだったのでしょうか。
一方、ニッケルマンガン電池の後継として発売された“オキシライド乾電池”(写真下)ではデザインを刷新、青ベースになり、今までにない乾電池であることを全面に出したデザインとなりました。

ZR6(D)_6使用推奨期限は「02-2006」(新タイプ)。ちなみに旧タイプは「04-2004」であった。ちなみに、写真下は初期ロットの“オキシライド乾電池”。使用推奨期限は「02-2006」で新タイプのニッケルマンガン電池と同じであり、しばらくは平行して発売していたと思われる。
蛇足ではあるが、初期ロットのオキシライド乾電池には本来「警告」の欄に書かれているはずである充電に関する注意書きが何故か書かれていない(なお、後期ロットでは記載されている)。

ZR6(D)_7プラス・マイナス側。マイナス極はパナソニック製独特の「紫外線硬化樹脂」を採用したタイプであるので、パナソニック自社製であると考えられる。
写真は左からニッケルマンガン電池(2本)、オキシライド乾電池、前回紹介したソニーのニッケルマンガン電池である。


SONY ニッケルマンガン電池 ZR6(DC)

ZR6(DC)_1ソニーが2004年頃に発売していたニッケルマンガン電池。ニッケルマンガン電池とはアルカリ電池の改良版で正極にオキシ水酸化ニッケルを加えたものとなっている。高負荷に強く、消費電力の高い機器において電圧が安定している特性を持っていたので、消費電力が高い初期のデジタルカメラ向けとして開発され、各社が「デジカメ用」電池として発売していた経緯がある。

 

ZR6(DC)_2パッケージ。やはり「デジカメ用」となっており、やはりデジタルカメラ向けで発売されていることがわかる。また、『アルカリ電池の約2~4倍!(当社単3形アルカリ比)』と書いてある。ラインナップは単3のみ、2本入り・4本入りのブリスターパックと4本入り・8本入りのシュリンクパックがあったようである。
これは以前紹介した、最終世代のウォークマン電池と同時期に発売されたもので、ブリスターパックの形と右上のアトムが共通であることがわかるだろう。

 

 

ZR6(DC)_3パッケージ裏。『デジカメ用ならたくさん撮れる!』ということで、A社のデジタルカメラでアルカリ乾電池の約2倍、B社のデジタルカメラでアルカリ乾電池の約4倍撮れることが記載されている。“当社設定条件”による実機テストとは書かれているものの、どういう条件で比較しているのかは不明。
当時のソニーの乾電池は消費電力により「軽負荷」・「中負荷」・「重負荷」の3段階でのランク分けがなされていたが、この電池は堂々の重負荷である。

ZR6(DC)_4注意書き部分。“ニッケルマンガン電池”のニッケルという響きが、ニッケルカドミウム電池(ニカド電池)やニッケル水素電池などの充電式電池と混同されることを想定してか、“充電禁止”の文字が目立つように書かれています。
デザインは白を基調とした青の特徴的なもの。まだ確立していなかったジャンルの電池のためか、各社が様々なデザインで発売していた。

ZR6(DC)_6プラス・マイナス側。マイナス極はミゾに絶縁用の樹脂を流し込んだ「紫外線硬化樹脂」があるタイプなので、これはパナソニックのOEMではないかとみられる。ちなみに左側のものがパナソニックが発売していたニッケルマンガン電池、ZR6(D)である。

 

 

ZR6(DC)_5使用推奨期限は「01-2007」。印字も上のパナソニックのものと比べると極めて似ている。

 

 

 

ニッケルマンガン電池は消費電力が高い機器では本領を発揮したものの、消費電力の少ない機器ではアルカリ電池とさほど寿命が変わらないという特徴から各社がこの電池の発売から撤退していきました。また、デジタルカメラ自体の技術進歩により低消費電力になったこと、乾電池を使用するものから専用充電式電池を使うタイプのデジタルカメラが多くなったという背景もこの電池が消えたきっかけとなったようです。
その中でこの電池の可能性を諦めていなかったのがパナソニックでした。ニッケルマンガン電池の低電圧特性を改善、消費電流の少ない機器でも長持ちするように改良したものが“オキシライド乾電池”です。


Panasonic 電気ウキ・竿先ライト用 リチウム電池 BR-435/5B

BR435-5B_1釣り具店で見つけたピン型リチウム電池BR435”のお買得パック品。この5個入りのお買得パックはパナソニックのホームページカタログでは見られない製品で、特定ルート限定品であると考えられる。まぁ、特定ルートも何も釣り具店限定でしょうし、そもそも釣り具店でしか売れないでしょう。
通常のBR435の2個ブリスターパックが300円前後の価格なのに対し、この5個入りは500円と断然安く、ヘビーな夜釣りファンは必見かもしれない。

ちなみにパナソニックは電池だけではなく、電気ウキなどの釣り用品も発売していたが、現在は撤退。事業は山田電器工業に譲渡され、同社による“Hapyson”ブランドで発売を続行している。

BR435-5B_2パッケージ裏。パナソニックの電池事業は松下電池工業を経てパナソニックの社内カンパニー、“エナジー社”へ現在は“オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社(AIS社)”となっているが、エナジー社時代は『パナソニック株式会社 エナジー社』の表記がある記載になっているが、AIS社になってからは『パナソニック株式会社』表記のみになっている。ちなみに、左のエナジー社表記のものと右のパナソニックのみ表記のものでは注意書きの字体(フォント)が異なっている。

バーコードのベンダーはパナソニック(4984824)。両者とも日本製。最近はパナソニックのCR123Aなどでインドネシア製に移行しているが、ピン型リチウム電池は日本が生み出し、世界で初めて実用化されたリチウム電池。この電池だけは日本製を貫き通して欲しいと思う。

★関連記事
ピン型リチウム電池
→本記事でも取り上げたピン型リチウム電池を紹介した記事。


EBF SUPER HEAVY DUTY R6P

EBF_1前回の“Huge(ヒュージ)”ブランドに続き、今回は“EBF”なるブランドのマンガン電池を紹介。この系統の中国の胡散臭いブランドのマンガン電池も集め出したら、キリが無いと思う。
電池本体には“Suzhou East Battery Factory”と書いてあるが、現在は“Suzhou Industrial Park East Battery Co., Ltd.”という中国の電池メーカーで、現在でも“EBF”ブランドの乾電池を発売しているようです。

 

EBF_2しかし、このEBFのロゴ、日本では安価なボールペンやヒゲソリを発売していることで知られるフランスの企業“BIC(ビック)”のロゴに似ているような気が…。“BIC”の方はボールペンのペン先のボールを模したキャラクター“BICBOY(ビックボーイ)”が横にあるのに対し、“EBF”の方は可愛らしいネコのキャラクターになっています。

EBF_3電池本体には“SUPER HEAVY DUTY”とありながら、記号は「R6P」。記号だけで見ると赤マンガン相当と言えそうですが…。注意書きは英語のみで、前回の“Huge”のように無理矢理な日本語の注意書きは記載されていないのは素晴らしい所。
0% Mercury & Cadmium”の記載があるので、水銀やカドミウムは含有していない模様。鉛は不明。しかし、この系の電池は鉛含有の記載が無いのが殆どですね。

EBF_4プラス・マイナス側。本体には表記がないので、恐らく使用推奨期限と思われる刻印は「09-2003」。この電池も例の如く、ビニール外装タイプです。


Huge SUPER HEAVY DUTY R6P

hugesuper_1Huge”なるブランドのマンガン電池。一見、Hugeってなんて読むの?と思うのかもしれないですが、これはヒュージ」と読むそうです。見た目だけだとフゲと読めそうですがw。
これは中国の“Kingbolai Battery Industrial Co.,Ltd”という電池メーカーの電池のようです。

 

 

hugesuper_2一応、日本輸出向けの様で日本の注意書きでも書いてあるのですが、この注意書きが凄いw。
『●(+)(-)を正しく入れあてと。●異なあ種類の電池や新しい電池と使用した電池と使用した電池の混用・シート・分解・加熱・火に投入・充電をしないこと。』
書いてあることは正しいのですが、誤字が…。これこそが中国の電池と言った感じですね。

電池本体には“0.00% MERCURY & CADMIUM”という記載があり、水銀やカドミウムは含有していない模様。鉛は不明。「MADE IN PRC」の表記があるので中国製、MADE IN CHINAではない所に悪意を感じる。電池本体の“HEAVY DUTY”の表記や「R6P」の表記から赤マンガン相当と思われる。

hugesuper_3電池のプラス・マイナス側。本体に表記がないので、恐らく使用推奨期限だと思われるマイナス極の刻印は「05-2008」。写真だと腐食している関係で見えにくいかもしれないですね。

 

 

hugesuper_4この電池、袋に入れて保管していたのですが、大半が液漏れしてプラス極が錆びていました。特に凄かったのが写真右の電池で、全体が液漏れして“Huge”のロゴが滲み、怖いことになっています。

 

 

hugesuper_5外装は安物の中国製マンガン電池ではお馴染みのビニール外装タイプ。液漏れは封止してあるプラス極からのもので、内部の亜鉛缶は至って綺麗であった。

 

 

hugesuper_6液漏れが一番酷かった電池も外装を剥がしてみた。亜鉛缶が腐食して液漏れしたような跡は見られなかったので、プラス側から漏れた多量の液が本体にも迄び、腐食したようである。


DAISO/GP 酸化銀電池 SR44SW

daisosr44sw_1均一ショップ“ダイソー”で売られている酸化銀電池「SR44SW」。知らない間に無水銀化していた。パッケージはほぼ同じで、『デジタル機器に最適!』という表記から、『環境に優しい!無水銀』という表記に変わっている。ダイソーの品番は「電池-123」で同じ。
ちなみに酸化銀電池とはその名の通り、酸化銀を正極に用いたボタン電池の一種。放電時の電圧が安定しているので、腕時計に用いられているケースが多い。なお、同サイズのアルカリボタン電池と互換性があり、写真のSR44ならLR44を使う機種でも使用可能である。ただし、SR44(酸化銀電池)を指定している機種にLR44(アルカリボタン電池)を使うと使用機器が正しく動かなくなる場合があるので注意が必要である。

daisosr44sw_2パッケージ裏。左が旧品で、右が無水銀の新製品。どちらとも“GP”のロゴがあり、GP製造のものであるようだ。旧品は日本語だけの注意書きであるが、新製品は日本語に加え、英語での注意書きも記載されている。またWEEEマークもあり、無水銀なのにもかかわらず『Pb Hg』と、鉛と水銀を含有しているという表記が。どっちなの??
バーコードのベンダーは大創産業(4984343)。コードは両者とも同じもので、この電池を購入した時も同一品として認識していた。だが、右下の品番?は「A-12-P10」と「KW-13P-5」で異なっている、なおこの品番が何を指すコードなのかは不明。

 

 

daisosr44sw_3電池の外観。旧品は『SR44SW GP SILVER OXIDE CELL』の記載があるが、新製品は『GP SR44SW 0% Hg&Pb MADE IN CHINA』と記載してあり、水銀と鉛が含有されていないことと、原産国が中国であることが記載されている(旧品も中国製である)。と、いうことはやはり水銀と鉛は含有していないのだろうか。

ちなみに、酸化銀電池には「W」と「SW」という表記のものが存在する。例えば“SR44W”といった感じ。「W」表記が記載、またはどちらとも記載されていないものは電解液に水酸化カリウム水溶液が使われているタイプでデジタル多機能時計など、大電流消費用として向いている。一方、「SW」表記が記載されているものは電解液に水酸化ナトリウム水溶液が使われているタイプでアナログ時計など、軽負荷で長時間の使用に向いている()
それを踏まえるとこのダイソーで売られている酸化銀電池は「SR44SW」であり、大電流を必要とするデジタル機器での使用を堂々と勧めているのですが、大丈夫なのか気になる所です。

daisosr44sw_4マイナス側。左が旧品、右が新製品です。両者、微妙にマイナス極の大きさが異なっています。
旧品の刻印が「2Z」、パッケージの使用推奨期限は2015年12月となっているので、3年期限で2012年12月製造を表していると思われる。一方、新製品の刻印が「30」、パッケージの使用推奨期限は2016年10月となっているので、同じく2013年10月製造を表していると思われる。

【参考文献】
Panasonic 電池・電池応用商品 総合カタログ 2013 35ページ
パナソニック株式会社 コンシューマーマーケティング ジャパン本部


SONY WALKMAN アルカリ乾電池 LR6(WM) その2

LR6(WM)2_1前回のブログでは2001年頃に発売された、ソニーのウォークマン電池を紹介したが、今回はその後継に当たる2003年に発売されたウォークマン電池を紹介する。
型番は前世代のものと同じ“LR6(WM)”。ソニーのアルカリ電池は世代が変わってデザインが変わっても型番を変えない。例えばソニーの主力アルカリ電池(現在だと「スタミナ」)はずっと“LR6(SG)”である(単3の場合)。なので、今回のブログのタイトルも“その2”することにした。

LR6(WM)2_2前世代は特殊ケースに入っていたのに対し、この世代のものは至って普通のブリスターパッケージとなっている。ラインナップとしては、前世代と同じく単3のみ、2本入りと4本入りのブリスターパッケージと4本入りと8本入りのシュリンクパックがあったようである。
この電池はアトム柄のアルカリ電池やマンガン電池が発売されていた頃の電池で、このウォークマン電池のパッケージ右上にもアトムがあるのがわかる。

 

 

 

LR6(WM)2_3パッケージ裏。ソニーのMDウォークマン「MZ-E909」による比較で、充電池のみでは53時間持続するのに対し、アルカリ電池と充電池を併用すれば145時間持つことが記載されている。ただこの数値は、このウォークマン電池に限ったことではなく、普通のソニーのアルカリ電池と同じ持続時間であり、カタログ値だったりする。

 

LR6(WM)2_4注意書き部分。電池のデザインとしては前世代と同じで、色がブルーになったのみのデザインと言えます。控えめで小さいSONYロゴも同じ。

 

 

LR6(WM)2_5ソニーはアルカリ電池の生産から撤退し、FDKのOEMへ移行するが、このウォークマン電池も後期ロットでFDKOEMへ移行している。写真、左2本が使用推奨期限01-2007(2005年1月製造)のものがFDKのOEM、右2本が使用推奨期限11-2005(2003年11月製造)のものがソニー自社製です。
前回のブログでも書きましたが、これを見るとFDK製とソニー製の絶縁リングの色の違いが一目瞭然ですね。よく見るとプラス極の特徴も違うのがわかります。

LR6(WM)2_6使用推奨期限の印字も大きく異なります。左がFDKOEM、真ん中と右がソニー自社製。

 

 

 

LR6(WM)2_7前世代モデルとの比較。シルバーとブルーのみの違いでデザインはほぼ同じです。
ウォークマン電池は今回の記事のブルーのものを最後に後継モデルは現れませんでした。その背景としてはウォークマンに関わらず、単3電池を扱うポータブルMDやCD、ヘッドホンステレオが減少し、iPodなどを代表するデジタルオーディオプレーヤーが台頭となったからと考えられます。


SONY WALKMAN アルカリ乾電池 LR6(WM)

LR6(WM)_1ソニーが2001年頃に発売していたウォークマン用のアルカリ電池。これは最終モデルの前のもので、ウォークマンのロゴも2000年より使われている“W.(ダブリュー・ドット)”の新ロゴとなっている。
ラインナップは単3のみで2本入りと4本入りがあったが、このような特殊ケースに入っていた。中身は普通のアルカリ電池と同じだったようで、パッケージで差別化を図っていたようである。

 

LR6(WM)_2表にはウォークマンロゴが目立つ形で表示されており、SONYロゴは注意書き部分に小さくあり控えめ。生産国は日本。住所は現在の港区港南(ソニーシティ)ではなく、旧住所の品川区北品川。

 

 

LR6(WM)_3電池のプラス・マイナス側。マイナス極は「◎」。絶縁リングは「緑」ですが、FDK製のように濃い緑ではなく薄い緑色(限りなく黄緑に近い)で、これは正真正銘ソニー自社製のアルカリ電池の特徴です。
使用推奨期限は「02-2003」で、2001年2月製造とみられる。


Panasonic Heavy Duty D R20DPT

R20DPT_1懐かしいデザインのパナソニックのマンガン電池。一見OEM(組み込み)向のものに見えるが、海外向けデザインのようです。
電池本体の型番表記は“R20DPT”であり、ランクは不明ですが『Heavy Duty』という表記から、赤マンガン相当かな?

 

 

R20DPT_2この電池はオリンピックというスーパーマーケットで100円で売られていた。100円の値札の下には248円という価格表記が見えます。マンガン電池で248円は高いですね。この価格だったら買わなかったな。

 

 

R20DPT_3電池には謎のラベルが書かれていた。“Google 翻訳”で調べてみるとこれはマレー語である事が判明、表記の「Diimpot & Diedarkan Oleh:」という表記は“輸入元&販売元:”という意味であり、パナソニックのマレーシア現地法人、“Panasonic Malaysia Sdn. Bhd.”という会社が販売しているようです。従ってこの電池はマレーシア向けの電池なのかな??

 

この電池の型番「R20DPT」をネット上で検索してみると、フィリピンのパナソニックサイト(画像は何故か乾電池エボルタですが)にたどり着くので、フィリピン向けのマンガン電池なのかもしれません。

R20DPT_4電池の外観。黒ベースの赤デザイン。これはかつて日本でもOEM向のマンガン電池に用いられたデザインなので、懐かしいと思われる方もいるのではないでしょうか。社名表記は“Panasonic Corporation”でインドネシア製、「NO MERCURY ADDED」という表記があるので水銀は含有していないようです。

 

ちなみに電池上の「D」という表記はサイズであり、日本では単1を指す。気が向いたので、以下に対応表を作ってみた。

日本 IEC規格
(マンガン電池)
アメリカ 中国
単1 R20 D 1号
単2 R14 C 3号
単3 R6 AA 5号
単4 R03 AAA 7号
単5 R1 N 8号
(単6)() R61 AAAA

※:“単6”の呼び名は日本ではあまり一般的ではないことから、カッコとしています。本ブログでもこのサイズの乾電池は『AAAA電池』記載で統一しています。

R20DPT_5プラス・マイナス側。プラス極の絶縁リングの色は「」。マイナス極の刻印は震災時にインドネシアよりの個人輸入で売られていた、“PT. Panasonic Gobel Energy Indonesia”表記・インドネシア現地向けの「Panasonic NEO(黒)」と同じ刻印なので、同社製とみられる。

 

 

R20DPT_6前の写真では刻印が見にくいので拡大。右がR20DPT。使用推奨期限は「05-2014」。期限が近づいているため、値下げされたと推測される。以前紹介したベクセルのマンガン電池もそうですが、震災時に大量輸入した電池が今になって、期限が近づき叩き売られているケースが多いような気がします。
現在、日本向けの“Panasonic NEO”は単1と単3は中国製、単2はインドネシア製であるが、単2の刻印はこの電池と同じであるので、製造元は同じと思われる。

R20DPT_7おまけ。インドネシア現地向けの“Panasonic NEO”は『Panasonic』のロゴが横に記載されている日本にはないデザインが入っていて、なかなか格好いい。


国内メーカー単5アルカリ電池の異変

alkalineLR1_1店頭で富士通(FDK)の“PremiumG”の単5を見てみると、ある異変に気づいた。これはこの写真上でも分かる異変です。わかりますか?
写真左のパッケージには「エコ対応」「日本製」と記載してありますが、右のパッケージには「エコ対応」だけが書かれていることに気が付きます。

 

 

alkalineLR1_2どういうことなのか。パッケージ裏を見てみます。使用推奨期限05-2014(2012年5月製造)のものは日本製ですが、11-2015(2013年11月製造)のものはインドネシア製になっています。

 

 

alkalineLR1_3電池本体。左が日本製、右がインドネシア製です。生産国以外に違いは見られませんが、チラッと見える使用推奨期限の印字が若干ですが、異なっています。

 

 

alkalineLR1_4プラス・マイナス側。絶縁リングは無いタイプで特に違いは見られないが、マイナス極の真ん中“●印”がインドネシア製の方が濃く見える感じがします。

 

 

alkalineLR1_5では、他のFDKの単5アルカリ電池はどうなっているでしょうか。まずは“G-PLUS”です。パッケージの表だけを見ると特に生産国の違いは見られないですが…、

 

 

 

alkalineLR1_6パッケージ裏を見てみると、左の使用推奨期限06-2015(2013年6月製造)のものは日本製で「日本製」の表記もあります、しかし右の10-2015(2013年10月製造)のものはやはりインドネシア製に変わっており、「日本製」の表記も削除されています。

 

 

alkalineLR1_7電池本体。左が日本製、右がインドネシア製。日本製の方はJISマークもあります。マイナス極の特徴はPremiumGと同じでした。

 

 

 

以上、FDKの単5アルカリ電池は“PremiumG”・“G-PLUS”共にインドネシア製に変わっています。これは日本メーカーの単5電池のほとんどがインドネシア製に変わるかもしれないということを示唆しています。なぜなら、日本メーカーの単5アルカリ電池のほとんどはFDK製であるためです。
現に筆者は店頭でマクセル「ボルテージ」の単5ソニー「スタミナ」の単5でインドネシア製を確認しています。どちらとも使用推奨期限は10-2015でした。富士通ブランドのものにおいても、“PremiumG”が11-2015、“G-PLUS”が10-2015であったのでFDKOEMの単5アルカリが2013年10月製造ロットあたりからインドネシア製に移行した可能性が高いと言えるでしょう。

alkalineLR1_8ちなみに“R SPEC”の単5も見てみましたが、店頭に置いてあったのが使用推奨期限が07-2015(2013年7月製造)だったからか、日本製のものしか確認できなかった。これまでのものを踏まえるとこれも2013年10月製造ロット以降はインドネシア製になる可能性は高そうですが…。

 

alkalineLR1_9もう一つ、単5のアルカリ電池に異変がありました。それはパナソニック“パナソニックアルカリ乾電池”の単5です。

 

 

 

 

alkalineLR1_11なんと、これもパッケージ裏を見るとインドネシア製の表記になっています。使用推奨期限は11-2015(2013年11月製造)。

 

 

 

alkalineLR1_10電池本体の表記も『パナソニック株式会社 インドネシア製』になっています。

 

 

 

alkalineLR1_12かつての“パナソニックアルカリ乾電池”の単5には単3と同じように、マイナス極のミゾに絶縁用の樹脂を流し込んだ「紫外線硬化樹脂」を用いられていたが、これは絶縁樹脂や絶縁リングの類は無く、今回紹介したFDKのインドネシア製に酷似している。

 

 

alkalineLR1_13使用推奨期限の印字もそっくり…?

 

 

 

alkalineLR1_14実は“パナソニックアルカリ乾電池”の単5はいつからかは不明ですが、日本製のものも紫外線硬化樹脂を用いていないものに変わっており、マイナス極の構造が富士通のアルカリ電池に似ていたので、これはFDKのOEMなのでは?という妄想をしていたのです。
今回のインドネシア製への移行でFDK製説がより確実になったのかな、と思っています。

 

alkalineLR1_15今回の検証で富士通ブランドの単5アルカリ電池を全種類買ってみましたが、全てのランクにおいて9V形(6LR61)と単5が用意されているのが他社にない特徴と言えますね。