DAISO/GP 酸化銀電池 SR44SW

daisosr44sw_1均一ショップ“ダイソー”で売られている酸化銀電池「SR44SW」。知らない間に無水銀化していた。パッケージはほぼ同じで、『デジタル機器に最適!』という表記から、『環境に優しい!無水銀』という表記に変わっている。ダイソーの品番は「電池-123」で同じ。
ちなみに酸化銀電池とはその名の通り、酸化銀を正極に用いたボタン電池の一種。放電時の電圧が安定しているので、腕時計に用いられているケースが多い。なお、同サイズのアルカリボタン電池と互換性があり、写真のSR44ならLR44を使う機種でも使用可能である。ただし、SR44(酸化銀電池)を指定している機種にLR44(アルカリボタン電池)を使うと使用機器が正しく動かなくなる場合があるので注意が必要である。

daisosr44sw_2パッケージ裏。左が旧品で、右が無水銀の新製品。どちらとも“GP”のロゴがあり、GP製造のものであるようだ。旧品は日本語だけの注意書きであるが、新製品は日本語に加え、英語での注意書きも記載されている。またWEEEマークもあり、無水銀なのにもかかわらず『Pb Hg』と、鉛と水銀を含有しているという表記が。どっちなの??
バーコードのベンダーは大創産業(4984343)。コードは両者とも同じもので、この電池を購入した時も同一品として認識していた。だが、右下の品番?は「A-12-P10」と「KW-13P-5」で異なっている、なおこの品番が何を指すコードなのかは不明。

 

 

daisosr44sw_3電池の外観。旧品は『SR44SW GP SILVER OXIDE CELL』の記載があるが、新製品は『GP SR44SW 0% Hg&Pb MADE IN CHINA』と記載してあり、水銀と鉛が含有されていないことと、原産国が中国であることが記載されている(旧品も中国製である)。と、いうことはやはり水銀と鉛は含有していないのだろうか。

ちなみに、酸化銀電池には「W」と「SW」という表記のものが存在する。例えば“SR44W”といった感じ。「W」表記が記載、またはどちらとも記載されていないものは電解液に水酸化カリウム水溶液が使われているタイプでデジタル多機能時計など、大電流消費用として向いている。一方、「SW」表記が記載されているものは電解液に水酸化ナトリウム水溶液が使われているタイプでアナログ時計など、軽負荷で長時間の使用に向いている()
それを踏まえるとこのダイソーで売られている酸化銀電池は「SR44SW」であり、大電流を必要とするデジタル機器での使用を堂々と勧めているのですが、大丈夫なのか気になる所です。

daisosr44sw_4マイナス側。左が旧品、右が新製品です。両者、微妙にマイナス極の大きさが異なっています。
旧品の刻印が「2Z」、パッケージの使用推奨期限は2015年12月となっているので、3年期限で2012年12月製造を表していると思われる。一方、新製品の刻印が「30」、パッケージの使用推奨期限は2016年10月となっているので、同じく2013年10月製造を表していると思われる。

【参考文献】
Panasonic 電池・電池応用商品 総合カタログ 2013 35ページ
パナソニック株式会社 コンシューマーマーケティング ジャパン本部


DAISO/GP 酸化銀電池 SR44SW」への6件のフィードバック

  1. 某茶葉生産地市民

    調べると米国中心に水銀電池のW、SWの概念がなくなっていっているようにも見えますね。
    GPは謎だらけです。型番(357系だった)的には日本型式SR44Wのはずですが、データシート記載の用途がアナログ時計となっています・・・(GPのカタログでは互換表の欧米型番(W相当)と日本型番(SW)が食い違っている)

    返信
    1. みはりん 投稿作成者

      GPのホームページを見る限りでは容量が少ない“Eシリーズ”というのと、容量が大きい“Fシリーズ”というのがあるみたいですね。恐らく前者が、“SW”グレード相当で後者が“W”グレード相当??
      疑問なのはどちらとも互換表のソニー型番で“SW”グレード相当になっていることなんですよね。
      http://www.gpbatteries.com/INT/index.php?option=com_k2&view=item&layout=item&id=370&Itemid=506

      マクセルの互換表ではSR44WがGP型番で「GP357」、SR44SWがGP型番で「GP303」になっており、区別はされているようですが。それを踏まえるとGPのホームページでは“357”の型番のみの記載なので全部SR44W相当なのではとも思いますが。
      http://www.maxell.co.jp/products/materials/button_battery.html

      以前読んだ電池の本で酸化銀電池はあまりにも種類が多いので時計店では在庫管理が大変だということが書かれていたことを思い出しました。そういう意味では“SW”グレードを撤廃して、“W”グレードもしくは無印だけの製造だけにすれば良さそうな話ですけどね。

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  2. 無名

    誤字
    3年期限で2002年12月製造を表していると思われる。→2012年ではないのでしょうか
    でも本当に10年推奨のボタン電池があったら腕時計などが一気に長持ちするだろうな…

    返信
    1. みはりん 投稿作成者

      誤字の指摘、ありがとうございます。修正しました。
      無水銀化も実現するのに大分かかりましたので、使用推奨期限10年のボタン電池は難しいのではないのかな。その上、無水銀で10年となると…。もしボタン電池(特に酸化銀電池)が10年期限になったら、機器の寿命よりかは長期在庫できる時計店に喜ばれそうですね。

      返信
  3. 匿名

    過去のブログ記事で知ってる情報があったので載せておきますね^^

    ダイソーで働いてる人に聞いたのですが、「A-12-P10」と「KW-13-P5」の表記は品番じゃないそうです
    英語はバイヤーの名前・真ん中の数字は製造年・P○は1箱に何個入ってるという表記みたいですよー^^
    AとかKWはバイヤーの名前(名前までは知りませんが・・・)
    P10なら1箱10個P5なら1箱5個

    返信
    1. みはりん 投稿作成者

      コメントありがとうございます。
      大変参考になりました。このダイソーのコードでは“A”と“KW”しか無い様ですが、電池はこの2つのバイヤー(供給元?)しか無いことになるのでしょうかねぇ…。
      何はともあれ、貴重な情報ありがとうございました。

      返信

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