月別アーカイブ: 2017年5月

National HYPER UM-2・UE

今回はナショナル(現・パナソニック)の一昔前な単2マンガン電池“HYPER”を紹介します。
ナショナルのハイパー(HYPER)は国産初の完全金属外装乾電池として誕生したブランドです。しかし、ナショナルハイトップが登場すると“ニューハイパー”と改名され廉価版マンガン電池へと格下げされます。その後“HYPER”の名称に戻るものの組み込み向け青マンガン電池に成り果ててしまいます。それが今回紹介する電池だったりします。

 

今回紹介する“HYPER”は赤マンガン電池である“Hi-Top(ハイトップ)”の格下に当たる青マンガン電池で主に各種機器に付属されるOEM(組み込み)向けの電池となっていました。
電池下Nマークの場所には「leak proof」と記載されています。この表記は初代のハイトップで使われていた表記ですが、小文字Nationalロゴの段階で「long life」に変わってしまいます。しかし、この“HYPER”では「leak proof」を継続使用していました。

ただし、この「leak proof」表記を行っていたのは“HYPER”でも単1と単2のみで、単3と6P形では「long life」表記となっていたようです。

電池の側面です。型番は“UM-2・UE”となっており、注意書きの記載はありません。表面に“long life”表記が無い代わりに、こちらの面に「Longer Life」の表記がありました。
社名表記は表面に「UNDER LICENSE OF MATSUSHITA ELECTRIC, JAPAN」という表記があるのみで生産国の記載もありません。意味的には「松下電器産業の許可を得ている」というものですが、他社が製造していた電池なのでしょうか。

プラス・マイナス側です。プラス極の絶縁リングは「」。底板の刻印には「05-97」が見られますが、本体に表記が無いため、これが製造日か使用推奨期限の表記であるかは不明です。
この印字は数字が細長い独自の字体で、現在でも発売されているパナソニックのインドネシア製マンガン電池と比べるとほぼ同じです。このことから、この電池はインドネシア製で尚且つ“パナソニック・ゴーベルエナジー インドネシア”製と推測されます。

★関連記事
ナショナル 通信用乾電池 FM-3(H)・FM-5(H)
→ナショナルの通信用乾電池を紹介した記事。この電池も本記事で紹介したものと同様に青いデザインを用いており、かつては“HYPER”ブランドも冠していました。


Fujitsu 酸化銀電池 SR44

今回も酸化銀電池を紹介します。前回は日立マクセルのものを紹介しましたが、今回は富士通(FDK)です。酸化銀電池とはボタン形電池の一つで、放電時全体に渡り電圧が安定しているのが特徴で計測器やテスターとかではこの電池指定の機器もあります。
1979~1980年に銀の価格が高騰し、それに影響して酸化銀電池の価格も数倍になったと言われています。そこで作られたのが、現在広く普及しているアルカリボタン電池なのです。

パッケージです。富士通ブランドのボタン電池はアルカリボタン電池が「水色」、リチウムコイン電池が「黄色」のパッケージを使っていますが、酸化銀電池は「オレンジ色」となっています。
パッケージ裏は他のFDK発売のボタン電池と同様で、上部にある黒い帯に型番・使用推奨期限・JANコード(バーコード)などが集約されているものです。
今回入手したロットの使用推奨期限は「03-2019」。

電池の外観。電池には“FDK SR44”の記載があります。“MADE IN JAPAN”の表記があり日本製。最近は日本メーカー発売のものでもアルカリボタン電池は中国製に移行する例が多くなっていますが、酸化銀電池は日本製のものがまだ多いようです。
ちなみに写真のSR44はアルカリボタン電池のLR44と上位使用が可能です。逆にSR44を指定する機器にLR44を使うと不具合を起こす機器がある場合があるので注意です。

何か、マイナス極の突起が前回紹介したマクセルと似ていると思ったので比較してみました。FDKの方はマクセルのようにプラス極が金メッキ加工されていませんが、マイナス極はかなり似ています。ということでこれはマクセル製なのでしょうか?
電池本体の印字は「73」。マクセル製と信じて読み解くと2017年3月製造を表しているようですが…。一応、使用推奨期限は2年であるので、表記の「03-2019」と一致はしています。