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Panasonic 6LF22・9V Industrial ALKALINE / 6LF22XWA

今回はパナソニックの組み込み(OEM)向けの9V形アルカリ電池を紹介します。現在、パナソニックのサイト上ではOEM向けの9V形アルカリ電池は用意されておらず市販と同じ“6LR61Y(XJ)”が用意されていることから、これは主に海外で出回っている電池であると推測されます。
パナソニックは自社製の“6LR61”タイプのアルカリ電池を発売していることで知られますが、今回紹介するのは“6LF22”タイプという大変珍しいものです(両タイプの違いはこちらを参照)。

電池の裏表です。デザインは日本の“パナソニックアルカリ乾電池”に準じたものとなっています。日本の市販向けでは『アルカリ乾電池』と種類を訴求したものとなっていますが、OEM向けでは“6LF22・9V”と型番を大きく打ち出しています。
裏面は市販向けではないので、バーコードは無く注意書きのみの表記となっています。注意書きは英語フランス語2ヶ国語表示でもちろん日本語はありません。

電池の側面です。型番は“6LF22XWA”となっており、こちらでも6LF22表記になっています。社名表記は“Panasonic Corporation”で、生産国は“Made in Malaysia”でマレーシア製です。“6LF22”タイプでは実質1社のみの生産となっており全てがマレーシア製となっています。
社名表記の反対側は注意書きも無く寂しい雰囲気ですね…。日本の市販向けみたいに絵表示もありません。

電池の底面と端子部分です。使用推奨期限は「01-2020」と「07-2020」が混在、5年期限の2015年1月、7月製造の電池と思われます。使用推奨期限表示は刻印のタイプとなっていて、三菱電機ホーム機器マクセル(日立)ソニーなどのアルカリ9V形と同様のものになっています。
端子部分のマイナス極は六角形のタイプになっていますね。これも“6LF22”タイプで見られる特徴の1つです。

日本の市販向けと比較してみましたよ。日本で売られているパナソニックの9V形アルカリ電池(エボルタも含む)は“6LR61”タイプとなっており、端子構造も大きく異なっています。端子部分のプラスチック?が赤色(エボルタは黒色)になっており、マイナス極の端子にショート防止の絶縁リングが嵌っているのが大きな特徴です。おまけにタイ製であればそれは9割方6LR61です。
よく見てみると、外装缶の縁、6LF22の方が雑ですね。

もういっちょ、今度は同じく海外でOEM向けとして出回ったとみられるベルギー製の“6LR61XWA”と比較してみました。こちらは一時期日本のショッピングサイトでも入手可能でした。
こちらは同じOEM向けの電池なので瓜二つです。型番が違うだけで注意書きや表記も同様なので、間違い探しレベルの域に達していますね。製造国の違いからか、色合いが若干異なっているものの素人目から見た限りでは同じ電池にしか見えないでしょう。

★関連記事
6LR61と6LF22の違いについて
→本記事で“6LR61”タイプとか“6LF22”タイプとかなんぞや?と思った方はこちらの記事を参考にしてみてください。


Rocket(R) HEAVY DUTY SIZE D R20 UM-1 【日本語版】

2018年初のブログはロケットの古いマンガン電池を紹介します。ロケット(ロケット電気)は韓国の電池メーカーで、1981年に日本進出しましたが2016年に突然ホームページが削除され現在は消息不明となっています。
背景に白色灰色のツートンカラーを採用した電池で…、ってこれ何処かで見たことがある?そうです。これは以前紹介したマンガン電池と同じデザインなんです。でも、タイトルには「【日本語版】」って入ってますよね。

どこが日本語版かと言うと…、普通なら“Rocket”とロゴが入っている一部に大きくカタカナで“ロケット”の文字が個性的な字体でドーンと。このロゴ、日本語をよく知らない方がデザインしたような感じでちょっと不気味に見られますね。一度見たら夢に出てきそうです…。
筆者がこのロゴの電池を小学生時代に初めて見た時は家電量販店のロケットが販売していた電池と思い込んでいました。

日本語なのはロゴだけでは無く、注意書きも日本語のみとなっています。以前紹介した同柄の英語版?(以下、英語版)では英語のみの注意書きであったことから、この電池は日本で流通していた電池であることが伺えます。
英語版では3面ある“Rocket”のロゴですが、今回紹介している日本語版では3面のうち1面のロゴが“ロケット”のカタカナロゴになっています。

注意書きの全文は以下の通り。1980年後期の電池だからか、注意書きの文量は少なめです。

ご注意:充電式ではないので、充電すると
「えきもれ」「はそん」することがあります。
(+)(-)を正しく入れないと、はれつのきけんが
あります。

プラス極です。今回入手した個体は使用済みの電池のようで、プラス極の絶縁キャップが取り除かれていました。未使用状態は写真右のような赤い絶縁キャップが被さっており、使う時にはこのキャップを取り除きます。

 

 

電池の側面。社名表記は英語版も日本語版も全く同じ表記で、“ROCKET ELECTRIC CO., LTD. ”となっていて、両者とも“MADE IN KOREA”で韓国製となっています。極性表記が非常に小さい点も同じですね。

 

 

最後にマイナス極。ちょっとサビが出ていますが「88・11」と読み取れることから、1988年11月製造の電池と思われます。この電池は80年代もロケット電気が日本市場に参入していたことを示す、非常に資料価値の高い電池であると感じました。どういうルートで流通していた電池なのかが気になりますが…。

 

★関連記事
Rocket(R) HEAVY DUTY SIZE D R20 UM-1
→本記事で“英語版”と称しているRocket HEAVY DUTYマンガン電池の別バージョンを紹介した記事。