9Vの角型アルカリ電池には型番に「6LR61」と書かれているものと「6LF22」と書いてあるものがあるのをご存知だろうか?
何か違いがあるの?と思うかもしれませんが、外観上の違いはありません。前にちょっと書いたのですが、中を見ればわかります。という訳で、今回はこの2種類の電池の解体を行なってみたいと思います。
※:なお、今回行う“解体”は電池本体の注意書きで禁止されている『分解』に当たる行為ですので、真似しないでください。もし、ご自身で分解することがあるならば、自己責任でお願いします。
今回ドナーになる電池はこの2本。
・6LF22代表
写真左
日立マクセル「ボルテージ」
6LF22(T)
・6LR61代表
写真右
パナソニック「アルカリ乾電池(通称:金パナ)」
6LR61Y(XJ)
●6LR61
まずは「6LR61」を解体。6LR61は写真のような細長い円筒形のアルカリ電池である“LR61”が6本直列で接続されています。
実はこの電池、日本ではシック・ジャパン(Energizer)が発売し、小型ペンライトやレーザーポインターなどに使われているAAAA(単6)電池と同じ物が6本接続されている。
市販されているEnergizerのAAAA電池、「E96」は店頭で買うと2本300円前後と高いため、6LR61を解体して使うと安いと言われています。
Energizerの「E96」との比較。E96の方は突起がある方がプラスであることがわかるが、6LR61から取り出したLR61は一見プラス極に見える窪みがある側がマイナス極なので要注意である。
この6LR61タイプの電池は国内メーカーでは採用が減少しており、国内メーカーの現行品ではパナソニック・タイ製の6LR61Y(XJ)と、そのOEMである富士通(FDK)の6LR61とソニー「STAMINA」の6LR61(SG)のみである。購入する時はマイナスの樹脂リングとタイ製(または日本製)であることを目印に探すといいだろう。
※:ソニー「STAMINA」の6LR61(SG)は6LF22タイプのものもあることがこの記事投稿後、発覚しております。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ちなみに100円均一ショップだとダイソーのスーパーアルカリ乾電池、モリトクの6LR61がこのタイプである。どちらも中国製で同じOEM元と思われる。どちらも100円で中身を抜き取るだけなら安いが、ロットにより中身が変わってしまう可能性があるかもなので要注意。
●6LF22
次に「6LF22」を解体。6LF22には平型の電池である“LF22”がブロック状に積み重ねられている構造となっている。
ちなみに、「6LF22」の“LF”はアルカリ電池(L)の平型電池(F)であることを指しており、LF型番を持つ単体としての電池は市販されていない。
この電池をバラすと写真のような文字が刻印されている。米国の特許番号のようなので、調べてみると「Battery formed of stacked flat cells」という特許のようで、発明者はデンマークの個人?会社?のようです。
リンク先には画像も掲載されており、窪みが付いた電池がブロックのように積み重ねられている構造のようである。単セルを切り分けようと思ったのですが、ガワが固く分割不能でした。
スナップなど外側を全てを取り去った様子。これを見ると積層電池だなぁ、と感じるのは自分だけだろうか。ちなみにマンガン電池の積層電池の大半はこの構造を持っている。
現在、国内メーカー現行品でこの6LF22タイプを採用しているのは、写真のマクセル「ボルテージ」を始め、東芝「IMPULSE」、三菱「アルカリ乾電池EXJ」(表記は6LR61なので注意!)などが該当(いずれもマレーシア製)。もし、生産国がマレーシアなら要注意です!!
6LF22はガワが大きく入らない、もしくは帰ってこない等の理由でスタンガン専門店はパナやデュラセル(いずれも6LR61タイプ)を推奨どころか6LF22を禁止しているショップもあります。
他にこの6LF22タイプはほぼGP製みたいですがスタンガンみたいな機器ではどうも新品でも心ともない性能とのこと。
ちなみにダイソー9V(150円の方)のガワを向いて放置していたら約半年で一番上のセルが液漏れしてましたw
http://s-up.info/view/201201/094094.jpg
国内6LF22タイプですが他にも日立のビッグパワーが当てはまりますね。