ソニーが2004年頃に発売していたニッケルマンガン電池。ニッケルマンガン電池とはアルカリ電池の改良版で正極にオキシ水酸化ニッケルを加えたものとなっている。高負荷に強く、消費電力の高い機器において電圧が安定している特性を持っていたので、消費電力が高い初期のデジタルカメラ向けとして開発され、各社が「デジカメ用」電池として発売していた経緯がある。
パッケージ。やはり「デジカメ用」となっており、やはりデジタルカメラ向けで発売されていることがわかる。また、『アルカリ電池の約2~4倍!(当社単3形アルカリ比)』と書いてある。ラインナップは単3のみ、2本入り・4本入りのブリスターパックと4本入り・8本入りのシュリンクパックがあったようである。
これは以前紹介した、最終世代のウォークマン電池と同時期に発売されたもので、ブリスターパックの形と右上のアトムが共通であることがわかるだろう。
パッケージ裏。『デジカメ用ならたくさん撮れる!』ということで、A社のデジタルカメラでアルカリ乾電池の約2倍、B社のデジタルカメラでアルカリ乾電池の約4倍撮れることが記載されている。“当社設定条件”による実機テストとは書かれているものの、どういう条件で比較しているのかは不明。
当時のソニーの乾電池は消費電力により「軽負荷」・「中負荷」・「重負荷」の3段階でのランク分けがなされていたが、この電池は堂々の重負荷である。
注意書き部分。“ニッケルマンガン電池”のニッケルという響きが、ニッケルカドミウム電池(ニカド電池)やニッケル水素電池などの充電式電池と混同されることを想定してか、“充電禁止”の文字が目立つように書かれています。
デザインは白を基調とした青の特徴的なもの。まだ確立していなかったジャンルの電池のためか、各社が様々なデザインで発売していた。
プラス・マイナス側。マイナス極はミゾに絶縁用の樹脂を流し込んだ「紫外線硬化樹脂」があるタイプなので、これはパナソニックのOEMではないかとみられる。ちなみに左側のものがパナソニックが発売していたニッケルマンガン電池、ZR6(D)である。
使用推奨期限は「01-2007」。印字も上のパナソニックのものと比べると極めて似ている。
ニッケルマンガン電池は消費電力が高い機器では本領を発揮したものの、消費電力の少ない機器ではアルカリ電池とさほど寿命が変わらないという特徴から各社がこの電池の発売から撤退していきました。また、デジタルカメラ自体の技術進歩により低消費電力になったこと、乾電池を使用するものから専用充電式電池を使うタイプのデジタルカメラが多くなったという背景もこの電池が消えたきっかけとなったようです。
その中でこの電池の可能性を諦めていなかったのがパナソニックでした。ニッケルマンガン電池の低電圧特性を改善、消費電流の少ない機器でも長持ちするように改良したものが“オキシライド乾電池”です。
ニッケルマンガン電池はよく使っていましたがソニーのものは見覚えがありませんが、
結構好みのデザインでぜひ入手してみたいと思います。
当時はデジカメではなく、銀塩一眼レフのモータードライブによく使っていました。
あまり推奨されていませんでしたがフラッシュガン用としてもよくできた電池だったように思います。
オキシライドが登場するまではギガエナジーが一番入手し易かったように思いますがどうでしょうか。
自分の場合は投げ売りされていたニッケルマンガン電池を買ったがいいが、使う用途が見つからない→未開封のまま保管→実質コレクション化という流れでしょうか。
自分の場合はパナソニックのニッケルマンガン電池の入手性が高く、このソニー以外ではパナソニックのものしか持っていません。富士通(FDK)や東芝電池のギガエナジーは見たことはあったとは思いますが、購入したことはありません。
FDKと東芝電池のブランドがどちらもギガエナジーで?だった覚えが。
余談ですがターゲットとなる自社のコンパクトデジタルカメラですが、サイバーショットシリーズで単3機というのは他社に比べてものすごく少なかったような。
早い段階でインフォリチウムを完成させていて自社製品に採用していた結果故なのでしょう。
その分パナソニックではこの時期のLUMIXに単3機が存在して売り込めそうだったみたいですがフジのリチウム単3の方が高性能だったのと、記事中にあるように割と低消費電力が進んだコンデジではアルカリとの違いがイマイチ体験できないということオキシRIDEになった模様。
でも現在はニッケル水素電池が超高性能なおかげで単3機というのは大きなステータスなのですよね。
ソニーは確かに単3を使用するデジタルカメラは少ないですよね。ですから、パッケージ裏でも自社(ソニー)製ではなく、“A社”と“B社”のデジタルカメラを比較しているのでしょうし。
単3・2本で動くデジタルカメラは自分も幾つかは持っていますが、どれもエントリーモデルの機種ばかりで実用で使えるデジカメではないんですよ。