本ブログでは以前、“塩化チオニルリチウム電池”という電池を紹介したことがある。この電池はリチウム系一次電池では最も高い公称電圧3.6Vを持つ電池で、主に電子機器のメモリーバックアップなどに使われる電池である。詳しいことは前回の記事をご覧いただくとして、今回は現在製造している日立マクセル・東芝ホームアプライアンス以外で以前製造していた日本メーカーの塩化チオニルリチウム電池を紹介する。
●三菱電機 ER6H(AA)
三菱電機の単3型塩化チオニルリチウム電池。組み込み用の電池のため、URマークがある。
裏側。「90-04(0)」の刻印がある。おそらく、1990年4月製造であることが推測される。「MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION」の社名表示の下に“T.T.K”と書いてあるので、東洋高砂乾電池(現・トーカン)製だろうか。
テスターで電圧測定をしてみると、3.68VでLEDを点けてみると、写真の様に直視できないほど明るく光った。約13年経過してもこの明るさとは。さすが、塩化チオニルリチウム電池です。
●ソニー EF3
自分も初めて見たソニーの塩化チオニルリチウム電池。しかも角型。もしかしてレア物?写真前側の“LITHIUM”表記の上には『LITHIUM THIONYL CHLORIDE BATTERY』と書いてあるが、これは英語で塩化チオニルリチウム電池を指す。
裏側。刻印は「93-11」。1993年11月製造と推測される。ソニー・エナジー・テック(現・ソニーエナジー・デバイス)製である。こちらも組み込み用の電池のためURマークがある。
型番も「ER」ではなく「EF」である。ERは塩化チオニルリチウム電池(E)の円筒型(R)を指すが、このソニーの電池は塩化チオニルリチウム電池(E)の平型(角型)(F)でEFとなるようである。
大きさは“1/2AA”と呼ばれるサイズの電池とほぼ同サイズ。上は秋月電子通商で売っている中国製1/2AAサイズの塩化チオニルリチウム電池。
電池ケースも秋月電子で買った1/2AAのものがピッタリ。こちらも測定してみると、3.68Vあったのですが、LEDを点灯させてみると、三菱よりも暗い感じがします。
それにしても、ソニーもこのタイプの電池を製造していたのですね。
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