ナショナル/パナソニック」カテゴリーアーカイブ

パナソニック(Panasonic/Nationalブランド)の乾電池を扱うカテゴリです。

Panasonic 6LF22・9V Industrial ALKALINE / 6LF22XWA

今回はパナソニックの組み込み(OEM)向けの9V形アルカリ電池を紹介します。現在、パナソニックのサイト上ではOEM向けの9V形アルカリ電池は用意されておらず市販と同じ“6LR61Y(XJ)”が用意されていることから、これは主に海外で出回っている電池であると推測されます。
パナソニックは自社製の“6LR61”タイプのアルカリ電池を発売していることで知られますが、今回紹介するのは“6LF22”タイプという大変珍しいものです(両タイプの違いはこちらを参照)。

電池の裏表です。デザインは日本の“パナソニックアルカリ乾電池”に準じたものとなっています。日本の市販向けでは『アルカリ乾電池』と種類を訴求したものとなっていますが、OEM向けでは“6LF22・9V”と型番を大きく打ち出しています。
裏面は市販向けではないので、バーコードは無く注意書きのみの表記となっています。注意書きは英語フランス語2ヶ国語表示でもちろん日本語はありません。

電池の側面です。型番は“6LF22XWA”となっており、こちらでも6LF22表記になっています。社名表記は“Panasonic Corporation”で、生産国は“Made in Malaysia”でマレーシア製です。“6LF22”タイプでは実質1社のみの生産となっており全てがマレーシア製となっています。
社名表記の反対側は注意書きも無く寂しい雰囲気ですね…。日本の市販向けみたいに絵表示もありません。

電池の底面と端子部分です。使用推奨期限は「01-2020」と「07-2020」が混在、5年期限の2015年1月、7月製造の電池と思われます。使用推奨期限表示は刻印のタイプとなっていて、三菱電機ホーム機器マクセル(日立)ソニーなどのアルカリ9V形と同様のものになっています。
端子部分のマイナス極は六角形のタイプになっていますね。これも“6LF22”タイプで見られる特徴の1つです。

日本の市販向けと比較してみましたよ。日本で売られているパナソニックの9V形アルカリ電池(エボルタも含む)は“6LR61”タイプとなっており、端子構造も大きく異なっています。端子部分のプラスチック?が赤色(エボルタは黒色)になっており、マイナス極の端子にショート防止の絶縁リングが嵌っているのが大きな特徴です。おまけにタイ製であればそれは9割方6LR61です。
よく見てみると、外装缶の縁、6LF22の方が雑ですね。

もういっちょ、今度は同じく海外でOEM向けとして出回ったとみられるベルギー製の“6LR61XWA”と比較してみました。こちらは一時期日本のショッピングサイトでも入手可能でした。
こちらは同じOEM向けの電池なので瓜二つです。型番が違うだけで注意書きや表記も同様なので、間違い探しレベルの域に達していますね。製造国の違いからか、色合いが若干異なっているものの素人目から見た限りでは同じ電池にしか見えないでしょう。

★関連記事
6LR61と6LF22の違いについて
→本記事で“6LR61”タイプとか“6LF22”タイプとかなんぞや?と思った方はこちらの記事を参考にしてみてください。


National HYPER UM-2・UE

今回はナショナル(現・パナソニック)の一昔前な単2マンガン電池“HYPER”を紹介します。
ナショナルのハイパー(HYPER)は国産初の完全金属外装乾電池として誕生したブランドです。しかし、ナショナルハイトップが登場すると“ニューハイパー”と改名され廉価版マンガン電池へと格下げされます。その後“HYPER”の名称に戻るものの組み込み向け青マンガン電池に成り果ててしまいます。それが今回紹介する電池だったりします。

 

今回紹介する“HYPER”は赤マンガン電池である“Hi-Top(ハイトップ)”の格下に当たる青マンガン電池で主に各種機器に付属されるOEM(組み込み)向けの電池となっていました。
電池下Nマークの場所には「leak proof」と記載されています。この表記は初代のハイトップで使われていた表記ですが、小文字Nationalロゴの段階で「long life」に変わってしまいます。しかし、この“HYPER”では「leak proof」を継続使用していました。

ただし、この「leak proof」表記を行っていたのは“HYPER”でも単1と単2のみで、単3と6P形では「long life」表記となっていたようです。

電池の側面です。型番は“UM-2・UE”となっており、注意書きの記載はありません。表面に“long life”表記が無い代わりに、こちらの面に「Longer Life」の表記がありました。
社名表記は表面に「UNDER LICENSE OF MATSUSHITA ELECTRIC, JAPAN」という表記があるのみで生産国の記載もありません。意味的には「松下電器産業の許可を得ている」というものですが、他社が製造していた電池なのでしょうか。

プラス・マイナス側です。プラス極の絶縁リングは「」。底板の刻印には「05-97」が見られますが、本体に表記が無いため、これが製造日か使用推奨期限の表記であるかは不明です。
この印字は数字が細長い独自の字体で、現在でも発売されているパナソニックのインドネシア製マンガン電池と比べるとほぼ同じです。このことから、この電池はインドネシア製で尚且つ“パナソニック・ゴーベルエナジー インドネシア”製と推測されます。

★関連記事
ナショナル 通信用乾電池 FM-3(H)・FM-5(H)
→ナショナルの通信用乾電池を紹介した記事。この電池も本記事で紹介したものと同様に青いデザインを用いており、かつては“HYPER”ブランドも冠していました。


Panasonic 乾電池EVOLTA NEO LR20(NJ)/LR14(NJ)/LR6(NJ)/LR03(NJ)

記念すべき『一次電池(一般)』カテゴリ500件目の今日はパナソニックの新アルカリ電池“乾電池EVOLTA NEO”を紹介します。発売から9年が経過したという“乾電池EVOLTA”上位のハイグレードアルカリ電池で『パナソニック史上No.1長持ち!』を売りとしています。
なお、パナソニックがアルカリ電池に“NEO”という名を冠するのは1983年松下電池工業時代に発売した「ナショナルウルトラネオ」以来、実に34年振りとなります。

パッケージはこんな感じです。ブリスターパックや多本パックのパッケージではエボルタくんの9歳年下の弟とされる“エボルタNEOくん”がプリントされています。
キャッチコピーは『当社史上最高長持ち。』。従来からのタフコートに加え、銀化合物が液もれの原因となる水素ガスを分解し過放電後のガス発生量を30%抑えるなど(液もれ防止製法Ag+)、エボルタよりも進化した革新的な数々の性能を備えています。

パッケージ裏。この部分にもパナソニックのアルカリ電池で初採用した点があります。ヒントは「最近ダイソーの電池でよく見られる」です。正解はQRコード。ダイソーの電池では注意書きのページが見られる注意喚起のためでしたが、エボルタNEOでは製品情報のページにアクセスできる仕掛けになっています。
なお、バーコードのベンダーは“パナソニック(4549077)”となっていました。

電池の外観、まずは単3と単4です。単3の型番は「LR6(NJ)」で単4の型番は「LR03(NJ)」となっています。デザインは従来のエボルタと比べると金色の部分が減り青色の部分が多くなったことでより高級感が増したようなデザインとなっています。その結果、金色の部分は“Panasonic”ロゴ上下に残しているのみです。
生産国は単3・単4共に日本製。この部分は従来エボルタから引き継がれている点であります。

次に単1と単2です。単1の型番は「LR20(NJ)」で単2の型番は「LR14(NJ)」となっています。後、デザインについてもう一つ。プラス極のアピールが凄くなっています。プラス極のマークが3つあるのは当たり前、よく見てみて。細かい“+”マークが上部全周に敷き詰められています。これは間違いようが無いでしょう。
生産国はこちらも日本製。単1と単2のみはパナソニックのアルカリ電池全て(OEM供給を含む)で日本製となっています。

プラス・マイナス側。まずは単3と単4です。単3のマイナス極はミゾに絶縁用の樹脂を流し込んだパナソニック独特の「紫外線硬化樹脂」を採用しています。なお、エボルタの単3ではプラス極の突起が低く設計されていることで一部の機器でプラス極が端子に届かないという現象が見られましたが、残念ながらエボルタNEOの単3でも引き継がれており、エボルタが使えなかった機器では引き続き使えない可能性が高いです。ご注意を。

マイナス極の外装ラベルを剥がしてみた様子です。単3は紫外線硬化樹脂の向こうに4つ穴のガス抜き穴が見えます。単4は樹脂無しの2つ穴タイプになっています。
これは実際に触れてみないとわからない点ではありますが、マイナス極の溝が深くなっています。これは“V字構造”というもので、溝をV字型に整形することで正極材料の充填量アップを実現したとのことです。

次に単1と単2のプラス・マイナス側。マイナス極は黒い絶縁リングで底板は「」となっています。このマイナス極は“絶縁リングによるマイナス端子凹み構造”を採用しており、マイナス端子同士の逆接続では機器が動作しないようになっています。
使用推奨期限は全てのサイズで「04-2027」。10年期限となっていますから、2017年4月製造です。できたてホヤホヤです。

 

最後に「EVOLTA NEO」ロゴの“NEO”の部分はマンガン電池のネオと全く同じ字体を使っています。パナソニックの電池は前出の「ウルトラネオ」や「ネオハイトップ」、「ネオブラック」のように“ネオ”を冠した電池が多いのです。それだけパナソニックが本気を出して力を込めたアルカリ電池が今回のエボルタNEOなのかもしれませんね。

 


Panasonic リチウム電池 CR2412/CR2430

世間ではパナソニックの新アルカリ電池“乾電池エボルタNEO”が発売されて話題となっていますが、その裏で同時発売されたパナソニックの電池があります。それが今回紹介する“CR2412”と“CR2430”というリチウムコイン電池です。
“CR2430”はソニーFDK(富士通)など他社も発売していましたが、“CR2412”は一部ショップがバルク品をバラ売りするケースはあったものの、一般市販品としては今回パナソニックが発売開始するものが初登場となります。

パッケージ裏。両者注意書きはほぼ同様ですが、“CR2412”のみ『●充電・ショート・変形・加熱・火中投入禁止。』の部分の「変形」が追加されており、若干文量は増えています。同電池では表面にも『取扱注意:電池が曲がると液もれのおそれあり』という記載があり、“CR2412”はよっぽど曲がりやすいのでしょう。
社名表記は“パナソニック株式会社”でバーコードのベンダーも同社のものとなっています(4549077)。

上の写真をみてあれ?と思うかもしれませんが、“CR2430”が他のリチウムコイン電池と同様の使用推奨期限5年となっており、“CR2412”のみが使用推奨期限2年となっています。その為、写真の電池では表記差がありますが両者とも2017年4月製造の電池となっています。
今回パッケージも大幅に変更され、電池が簡単に取り出せないようになっています。これは子供(乳幼児)がパッケージから電池を取り出し誤飲するという事故に対応したもので、これは電池工業会が定めた“コイン形リチウム一次電池の誤飲防止パッケージガイドライン”に準拠したものになっているそうです。今後パナソニックから発売されるリチウムコイン電池にも順次導入されていくとのことで、電池工業会に加入している他社も追随していくものと思われます。

電池の外観。どちらとも“Made in Indonesia”でインドネシア製です。“CR2430”は電卓や時計に用いられた電池で、電池自体は他社で長年発売されており、本ブログでも三洋電機のものを紹介したことがあります。一方、“CR2412”は主にトヨタ車のカードキーに使われている電池で今まではトヨタのディーラーか一部ショップでのみ入手可能な電池だったこともあり、今回の一般販売は待望と言えるものなのではないでしょうか。

電池の裏面。構造は両者全く違っており、“CR2430”の方が隙間が広く“CR2412”の方の隙間が狭くなっています。薄さも相まって“CR2412”は作りが細かそうです。使用推奨期限が短い秘密はここにあるのかもしれません(※)
ロット番号の表記も異なっており、“CR2412”がインクでの印字で「74」と記載されているのに対し、“CR2430”は刻印で「72」と記載されています。

※:パナソニックのサポートページでは、電池構造が非常に薄くCR2032などの汎用電池と比べて特殊技術採用による設計をしているためとのこと。

最後に薄さを比較してみました。両者とも直径は24.5mmで同じですが、“CR2412”の方が厚み1.2mmとなっており、“CR2430”の厚み3mmより一段と薄くなっています。手に持ってみると、確かに薄型で折り曲がりそうな感じであります。取扱いにはくれぐれもご注意下さい。


Panasonic EVOLTA 乾電池エボルタ 9V形 6LR61Y(EJ)

6LR61EJ_1今回は今日、4月16日に発売されたパナソニック“乾電池EVOLTA”の9V形を紹介します。
乾電池EVOLTAは2008年4月に発売されたオキシライド乾電池の後継に当たるハイグレードアルカリ電池で、当初は単1から単4までのラインナップでありましたが、今回満を持して9V(006P)形が登場しました。既に海外ではEVOLTAの9V形が発売されている地域もあるようですが、日本では初の9V形となります。

 

6LR61EJ_2パッケージ裏。ラインナップは1個入り及び2個入りのブリスターパックと1個入りのシュリンクパックがあります。なお、型番は1個入りブリスターパックが「6LR61EJ/1B」、2個入りブリスターパックが「6LR61EJ/2B」となっています。
パッケージには“3年保存可能”と記載、6P形アルカリ電池としては業界初の使用推奨期限3年を達成、更には単1から単4のパナソニック系アルカリ電池で既に採用していた“液もれ防止製法”を6P形アルカリ電池でも初採用しています。

6LR61EJ_3電池の外観。表面はもうお馴染みとなった金を基調に「」のEVOLTAデザインです。ただ、今まで同電池には角形(6P形)が無かったため、逆に新鮮に見えてきますね。
裏面は今までのパナソニックアルカリ電池と同様、バーコードとプラス・マイナス極のショートに関する注意書きと、マイナス極の樹脂リングを取り外さない旨の絵が記載されています。なお、バーコードのベンダーは“パナソニック(4549077)”。

6LR61EJ_4電池の側面。電池単体の型番は“6LR61Y(EJ)”。乾電池EVOLTAでは全サイズ日本製であったので、6P形の生産国が気になっていたのですが、パナソニックアルカリ電池の9V形と同じく、タイ製となっていました。
注意書きの文面はパナソニックアルカリ電池の9V形と同様ですが、EVOLTAの注意書きには他のパナソニック製品にも使われているイワタUDゴシック”が用いられています。

6LR61EJ_5端子部。端子部分の樹脂色、パナソニックアルカリ電池の「」とは異なる「」で、これは同じくパナソニックがOEM供給している“Fujitsu”ブランドの9V形アルカリ電池と同様のものです(写真左)。
海外では本体と同様に端子部分の樹脂色も「青」のものが見られたので、期待していた部分だったのですが、甘かったようですw。

 

6LR61EJ_6底面。こちらは使用推奨期限の印字を含め、パナソニックアルカリ電池や“Fujitsu”ブランドの9V形アルカリ電池と全く同様です。どれもタイ製で製造工場も同じと思われますから、当然なのですけどね。なお、使用推奨期限は「04-2019」。使用推奨期限3年ですから、2016年4月製造。出来たてホヤホヤな電池です。
しかし、この電池がタイ製だったのにはショック…。パナソニックはもう国内で9V形アルカリ電池(6LR61)は作れないのでしょうか。


Panasonic NEO BLACK マンガン乾電池 単4形 UM-4(PX)

UM-4(PX)_1今回は旧・松下電池工業より発売していた“パナソニックネオブラック”というマンガン電池を紹介します。この“パナソニックネオブラック”は黒マンガン電池の上位という位置付けで1990年代初頭から発売された最上級グレードのマンガン電池で、松下以外の他社も東芝「スーパーキングパワー日立「SUPER BLACK XGソニー「MEGA SXという同様な位置付けの電池を発売していました。

 

UM-4(PX)_21990年夏のカタログより、当時発売していた電池のラインナップです。“パナソニックネオブラック”は“National”ブランドの“ネオハイトップ”の上位モデルと位置付けられ、電池1個当たり単1で20円単2で10円単3と単4で5円の価格差がありました。
なお、1991年冬のカタログで“パナソニックネオブラック”は掲載されておりませんでしたので、販売期間は約1年半程でしょうか。他社もほぼ同様の流れであったようで、この販売期間の短さが最上級グレードマンガン電池の知名度が低いことに繋がっているのでは無いかと思われます。

 

 

 

UM-4(PX)_3パッケージ。2個入りブリスターパックの型番は“UM-4PX/2B”。カタログ上では単3も“2個入りブリスターパック包装”という記載があることから、単3でも同様のパッケージだったと思われます。
キャッチコピーは『パナソニックの音楽電池』でさらに、
新技術の採用で、さらに容量アップ!
あなたのAV機器のたのもしい味方です。
の表記がありました。

また、ナショナルのネオハイトップに比べ“約10~15%長く使えます。”の表記もあります。もちろん、マンガン電池ですから、連続使用ではなく間欠使用での表記になっているのですが。

UM-4(PX)_4電池の外観。デザインはをベースとしたシブいデザイン。電池下部(マイナス側)には音楽向け電池を意識したスペアナのようなV字が最高にカッコいいですね。なお、同時期に発売していた音楽用アルカリ電池(パナソニックアルカリ)も同様のデザインを用いており、バックは白となっていました(先に掲載のカタログ画像で確認出来ます)。

型番は“UM-4(PX)”で、“MABI”の表記があることから松下電池工業自社製であると思われます。外装は金属外装で液漏れ補償付き、2年。この頃は水銀0使用ではなく、まだ水銀が含有されていた時代の電池のようです。なお、注意書きの全文は以下の通り。単4電池で記載できるスペースが無かったためか、液漏れ補償における保証条件の表記が省略されていますね。

<ご注意>この電池は充電式ではありません。充電すると液もれ破
損するおそれがあります。はれつのおそれがあるので(+)(-)は正し
く入れてください。<補償>この電池の液もれによる保証内容は当
社補償付乾電池と同じです。 保証期間:底面表示の製造年月より
2年間 〒570 守口市松下町1 松下電池工業株式会社 補償電池係

UM-4(PX)_5プラス・マイナス側。プラス極の絶縁リングは「」です。この頃のナショナルネオハイトップは「」だったはずなので、当時で「」はちょっと珍しいかもしれません。
マイナス極の刻印は「90-12 T」で1990年12月製造の電池です。

 

 

UM-4(PX)_6ちなみに現行の“Panasonic”ブランド版のネオ黒と比べてみた。やはりパナソニックロゴは縦置きがしっくり来るよなぁ…。
最近では東芝ライフスタイルによる“キングパワーU”の復刻版が注目されていますが、このパナソニックネオブラックも復刻してくれないかなぁ…。デザインはそのままで“NEO BLACK”から“BLACK”を消せば“Panasonic NEO”となるので、復刻は容易だと思うのですけどね。


Panasonic アルカリ乾電池 熊本・くまモンバージョン 単3形 LR6(JKM)

LR6(JKM)_1上新電機で見つけた、くまモンバージョンのパナソニックアルカリ電池です。限定販売、在庫限りの文字に惹かれて2パック20本購入しました。購入時の価格は10本パックが税込842円。やはり、パナソニックのアルカリ電池は全体的に高めの印象を受けます。
電池のシュリンクはタイ製ではあるものの、キャラクター電池らしく、電池が正面を向いてパッケージングされており、裏は注意書き・使用推奨期限の表記が揃っています。

LR6(JKM)_2パッケージをバラす。やっぱり、パナソニックのアルカリ電池ですね。“アルカリβ”などと同様に4本パック×22本パック×1で10本が構成されていました。
10本パックの型番は“LR6JKM/10SW”、バーコードのベンダーは“パナソニック(4549077)”となっていました。パッケージにはくまモンだけではなく、バーコードの上には熊本城の絵も描かれています。

LR6(JKM)_3電池の外観。水色をベースとし“Panasonic”ロゴ横にくまモンの顔アップが目立つデザインです。個人的に青系のデザインが好きなので、気に入っています。だからこそ20本買ったんですけどね。電池の型番は“LR6(JKM)”で、上新電機で売られていたことを考えると、上新電機(J)のくまモンバージョン(KM)と思えそうですが、他店舗でも見られたという報告もありますので、この推測はハズレかもしれません。

注意書きはいつもの「パナソニックアルカリ乾電池」と全く同じものでタイ製。サイズはどこにも記載できなかったためか、使用推奨期限表記の横(写真では表記下)に追いやられています。

LR6(JKM)_4プラス・マイナス側。マイナス極はミゾに絶縁用の樹脂を流しこんだパナソニック独特の「紫外線硬化樹脂」を採用しています。使用推奨期限は「06-2020」で、時期的に5年期限の2015年6月製造の電池であると考えられます。
このことから、この電池は“アルカリβ”や最近出回っているシルバーなアルカリ電池(BJシリーズ)と同等のエントリークラスアルカリ電池であると推測されます。

LR6(JKM)_5マイナス極の外装ラベルを剥がしてみた様子。左はパナソニック製のシルバーなアルカリ電池(BJシリーズ)右はくまモンバージョンのアルカリ電池です。
比べてみると、両者とも紫外線硬化樹脂の向こうに4つ穴のガス抜き穴が見えており、同じ製造元であると思われます。

 

 
★関連記事
Panasonic アルカリ乾電池 Alkaline 単3形/単4形 LR6BJ / LR03BJ
→本記事で紹介した電池の相当品と推測されるアルカリ電池を紹介した記事。

くまモン アルカリ乾電池 単3形/単4形
→現在でも一部の100円均一ショップ“キャンドゥ”で見られる、本記事と同様にくまモンがプリントされたアルカリ電池を紹介した記事。こちらは“国際インフォメーションセンター日韓企画”による中国製。


ナショナル写真用乾電池 UM-3F 1.5V

UM-3F_1レトロ風味漂う、“ナショナル”ブランドの写真用乾電池です。この電池は相当数出回っているようで某オークションサイトではよく見られる電池です。
今回紹介する電池のサイズは単3形となっていますが、他のサイズがあったのかどうかは不明です。

 

 

UM-3F_2電池のデザインは写真用の電池を意識させる、フラッシュを模したものになっています。このデザインは“National”ブランドの積層電池“015”など、ナショナルブランドの写真用積層電池で引き続き使われていました。

 

 

UM-3F_3電池の外観。上部には「モーター用」、「ストロボ用」、「フラッシュ用」と用途が記載されています。これらの用途と言えば、現在ではアルカリ電池を思い浮かべると思いますが、これはマンガン電池です。当時はまだアルカリ電池が発売されていない為と考えられますが、モーター駆動やフラッシュ発光用に大電流放電特性が優れた構造になっていたのかもしれませんね。
価格は「¥25.」と記載されており。25円だった模様。

JISマーク表記は「C8501 No.690」となっていますから、松下電池工業(当時)の辻堂工場で製造された電池のようです。

UM-3F_4プラス・マイナス側。外装は紙巻に透明なチューブで覆われたものになっています。プラス極は「」のプラスチックのようなもの?で封口されたものになっており、マイナス極は底板無しの亜鉛缶が直接露出したものになっています。この電池は4本入手しましたが、殆どの個体で液漏れが多発していました。用途通り、過酷に使われて液漏れしたのでしょうね…。
例の如く、ロット番号や製造年月などの記載はありませんでした。


National ULTRA NEO 6AM6 SU 9V

6AM6SU_1今回はナショナル(現・パナソニック)のアルカリ電池“ULTRA NEO(ウルトラネオ)”を紹介します。サイズは6P形で、以前、本ブログで紹介した銀色の“National ALKALINE BATTERY”の後継に当たるモデルになります。
前世代モデルは銀色でしたが、このウルトラネオはアルカリ電池の基礎となる金色のデザインを用いたものになっています。なお、写真左が前期モデルで、右が後期モデルです。後期は前面に“アルカリ乾電池”と書いてあるのが特徴です。

6AM6SU_2電池の側面。前面に“アルカリ乾電池”の表記が無い、前期モデルではこの面に“アルカリ・マンガン電池”の記載があります。後期モデルでは前面に表記がある為か、その部分が切り取られたかのようになっています。
型番は“6AM6 SU”。JISマークはありませんが、“JAPAN MABI”の記載がありますから、松下電池工業(当時)の自社製であると思われます。

6AM6SU_3注意書き部分。こちらの部分は前期モデル、後期モデル共に全く同じ注意書きとなっています。前世代の“National ALKALINE BATTERY”と比べると(写真前面)、英語の注意書きが削除され、日本語の注意書きのみとなり、文量も増量されています。

 

 

<ご注意> この電池は充電式ではありません。
充電すると液もれ破損のおそれがあります。
液もれはれつのおそれがあるので●(+)(-)を正しく
入れ寿命切れの電池はすぐ取替えてください。
●新しい電池と使用した電池、他の種類の
電池をまぜて使ったりショート、分解、加熱、
火に投入はしないでください。

6AM6SU_4端子部。前世代の“National ALKALINE BATTERY”と同じく、マイナス極は「四角形」のスナップとなっていました。端子部分のプラスチックも同じく「」となっており、恐らく前世代も松下電池工業の自社製であったと思われます。

 

 

6AM6SU_5底面。左の前期モデルは底板がプラスチックなのに対して、右の後期モデルでは底板が金属に変わっています。製造日は写真ではプラスチックの方は見えにくいですが、プラスチックの方は「83-12」で金属の方は「87-04」の記載がありました。
前世代では「81-05」で金属→「82-06」でプラスチックに変化、更にウルトラネオでは「83-12」でプラスチック→「87-04」で金属に回帰してますから、大分迷走していますね。

6AM6SU_6おまけ。87年のカタログより。当時の6P形アルカリ電池はマンガン電池の倍を超える500円。高いと思うでしょ?
でもね、現在の“パナソニックアルカリ乾電池”の6P形も希望小売価格は『500円(税抜)』ずっと価格据え置きだったりするのです。逆に値上がりもせず、この価格を現在まで維持し続けているのが凄いような気がする…。

 

 

 

★関連記事
National ALKALINE BATTERY アルカリ乾電池 6AM6
→本記事で紹介したウルトラネオの前世代モデルを紹介した記事。本文でも触れていますが、銀色(シルバー)ボディが印象的な電池でした。

National ULTRA NEO LR6(AM3 SU)
→本記事と同じく、ウルトラネオのこちらは単3を紹介した記事。この記事で紹介している電池は表に“アルカリ乾電池”の記載がありましたので、本記事での後期モデルに当たる電池です。


National NEO ミッキーマウスバージョン R20P(BDB)

R20P(BDB)_12016年初ブログはナショナルのマンガン電池である“NEO”のミッキーマウスバージョンを紹介します。
当時の松下電池工業(現・パナソニック)は1980年後期~1990年代初頭頃にディズニーのキャラクターを用いた乾電池を発売していたことがあり、この電池もそれらのシリーズの1つです。確かミッキーマウスを用いたマンガン電池としては2代目であると記憶しています。

 

R20P(BDB)_2電池の外観。デザインとしては綺麗な緑色をバックにし、正面にはミッキーマウスの顔が配置されているものになっています。今回紹介する電池のサイズは単1で、型番は“R20P(BDB)”となっています。JISマークは認定番号の記載は無いものの“C8501 JAPAN MABI”の記載があることから、松下電池工業自社製であると推測されます。
液漏れ補償付き。その為、電池記載の年月は製造日となっています。この電池の保証期間3年間となっており、この頃の液漏れ補償付きの電池は一般的に単1と単2が3年単3以下は2年であることが多かったようです。ちなみにこの電池の製造日は「92-12」で1992年12月製造のもの。1993年には使用推奨期限の表記に切り替わるので、液漏れ補償付きのマンガン電池末期のものなのかもしれません。

R20P(BDB)_3プラス・マイナス側。プラス極の絶縁リングは「」。また、自社製造時代のナショナルマンガン電池ではお馴染みだった、外装缶繋ぎ目部分のレーザー溶接も特徴的です。
製造日はマイナス極の底板には記載されておらず、電池下部にレーザー刻印で記載されています。これもまた、当時のナショナルマンガン電池の特徴でした。

 

R20P(BDB)_495年夏号のカタログを見てみると、ミッキーマウスバージョンの他にドナルドダックバージョンも存在していた模様です。どちらとも色からはランクを読み取ることができませんが、価格は当時発売のネオ黒と同様であったことから黒マンガン相当のマンガン電池なのでは?と推測されます。