月別アーカイブ: 2014年4月

エナジャイザーアルカリ乾電池 単2形 その2

enegizere93_1現在、イトーヨーカドーで行われている『理由(わけ)あり商品大放出』で売られていた“Energizer”のアルカリ電池の単2。価格は2本で税込100円。以前購入したディスカウントストアでの2本30円には敵いませんが、箱入りがあったので箱買いで購入してきました(2本パック入りが6個で600円)。
自分が行ったイトーヨーカドーではかなりの量が残っており、いかにも在庫処分と言った感じです。

前のディスカウントストアで30円で売られていた時もそうですが、単2の乾電池はあまり需要がなく売れ残ってしまう傾向が強いようです。言われてみると、確かに単2を使った機器というのは自分の家の身の回りでも少ないような気がします。以前使っていた防水CDプレイヤーは単2が6本でしたが、壊れて買い替えたものは単3・4本になりましたし、自転車のライトが単2が3本、懐中電灯が単2が2本くらいしかありませんでした。ってことは、目の前の箱入りの単2の行き場が無くなってしま…?

enegizere93_2箱はカラーではなく、モノクロのものでなんとも素っ気ない印象を受けます。箱の表記は英語となっていますが、上部に『Energizer(R) エナジャイザー アルカリ乾電池単2形 6個入』と日本語で書かれたシールが貼られています。ちなみにここに記載されているバーコードは6個組のコードではなく、1個組(2本)のコードと同じものなので箱で購入を考えている方は注意して購入したほうが良いでしょう。

 
そのラベル上に記載されているバーコードのベンダーはシック・ジャパン(4903601)。その他に箱にEANコードが前後左右上それぞれに記載されており、そちらのベンダーはEnergizer Australia Pty Ltdというエナジャイザーのオーストラリア現地法人の社名でした。

enegizere93_3箱の裏面。箱には『MADE IN USA FOR ENERGIZER HOLDINGS, INC., ST LOUIS, MO 63141』と、原産国名とエナジャイザー社の住所らしきものが記載されています。また、『EXPORTER:ENERGIZER [S] PTE LTD』とも記載されてもあり、この電池はシンガポールへも輸出されている?
それとは別に、オーストラリア現地法人の社名と住所も記載されていたりと、結果、どこが発売元だかがわかりませんね。

enegizere93_4箱を開けて電池を取り出したところ。ご覧のように、おなじみの電池が単2・2本パックが6個入っており、全部で12本入っています。使用推奨期限は前回紹介したものと同じ「03-2017」。
ちなみに、電池本体の紹介は前回の記事にて記載してありますので、詳細はそちらを参照下さい。

 

★関連記事
エナジャイザーアルカリ乾電池 単2形
→本記事で取り上げた電池の箱の中身を紹介した記事。


Make a Good Choice! ALKALINE BATTERY アルカリ乾電池 単3形 LR6

mrmaxlr6_1ディスカウントストア“MrMax(ミスターマックス)”が以前展開していた“Make a Good Choice!”というPBブランドのアルカリ電池。
デザイン的には至って普通の金ベースのもので、いかにもアルカリ電池って思わせるようなデザインである。

 

 

mrmaxlr6_2注意書き部分。至って普通の注意書きなのであるが、写真のこの部分だけを見ると、どうも日立のアルカリ電池に似ているような気がするのですが、気のせいかな??
社名表記は“MrMax Corporation”。住所は福岡市東区に所在する同社の本部の住所となっている。生産国は中国

 

mrmaxlr6_3プラス・マイナス側。マイナス極の絶縁リングは「」。使用推奨期限は「05-2007」となっており、2年期限と推測すると2005年5月製造のものだろうか。

 

 

mrmaxlr6_4マイナス極の絶縁リングを取ってみたところ。リングは以前、本ブログで紹介したことのある三洋電機のCシリーズアルカリと同じく、リングがマイナス極に被さっているタイプのものとなっていた。もしかして、同じOEM元なのかもしれません。


単3形アルカリ乾電池 LR6

azumalr6_1株式会社アズマ”というメーカーの単3アルカリ電池。同社は埼玉県に所在する家電製品メーカーで、現在は“EAST”というブランド名で液晶テレビやポータブルDVDプレイヤーなどを販売しているようです。
デザインはよくも悪くも安っぽいデザインです。その外観通り、100円均一ショップか何かで安いのを買ったのでしょう。ちなみにメーカーのホームページでは電池は掲載されていないので、電池からは撤退しているものと思われる。

azumalr6_2注意書き部分。注意書きは至って普通。発売元は“株式会社 アズマ”となっている。生産国は中国
なお、上にも下にも「水銀0使用」の記載があり、そんなに強調したいことなのでしょうか?

 

 

azumalr6_3プラス・マイナス側。マイナス極の絶縁リングは無いタイプ。使用推奨期限は「09-2005」となっており、2年期限と推測すると、2003年9月製造のものだろうか。

 

 

azumalr6_4マイナス極のガス抜き穴は2つ穴タイプであるが、マイナス極の突起に穴が開けられている珍しいタイプであった。


LAMINA アルカリ乾電池 単3形 LR6(L)

lamina_1以前、“東洋高砂乾電池(現・トーカン)”が展開していたLAMINAブランドを称したアルカリ電池。この電池を使っていた覚えはあるのですが、どこで買ったのか?は全く覚えていない。ただし、組み込み(OEM)向けではなく、市販品であった覚えがあります。

 

 

lamina_2注意書き部分。上部には大きく『MADE IN JAPAN』と記載してあり日本製。社名は「ティ・ティ・ケイ・ネットCO.,LTD.」と、まるで中国企業のような社名です。ただティ・ティ・ケイ・ネットの“ティ・ティ・ケイ”=“TTK”=“東洋高砂乾電池”と結びつき、何らかで同社及び三菱電機系の関連がある企業っぽいですが、過去の三菱電機のホームページなどを見てもこの企業の正体はわからずじまいであった。

 

lamina_3マイナス側。液漏れで完全にサビ腐っている。使用推奨期限も液漏れによる影響からか、印刷が落ちてしまいわからなかった。せめてこの印字が残っていればこの電池の正体が少しはわかると思うのですが…。残念です。
マイナス極の絶縁リングは「」。こちらも製造時期が不明なので東洋高砂乾電池純正かFDK製かは不明である。

 
・追記(2014/4/16)
lamina_4以前、本ブログで取り上げた“三菱電機ホーム機器”が発売していたアルカリ電池(LR6(K))に記載されている問い合わせ先のフリーダイヤルが『885667』で完全一致。なので、やはりこのLAMINAブランドのアルカリ電池は三菱電機が関わっていたものと推察されます。


Panasonic Ni-MH Battery QUICK CHARGER BQ-310

BQ-310_1久々の充電器紹介です。今回はパナソニックが発売していた急速充電器“BQ-310”を紹介する。これは2004年頃に発売されたニッケル水素電池専用の充電器で、当時は三洋が30分で充電できる充電器(N-M70S)を発売、ソニーが15分で充電できる充電器(BCG-34HUE4)を発売されていたが、それに追随するようにして発売されたのがこの充電器である。

 

BQ-310_2この充電器は充電器のみの単品発売はされずに、電池セットでのみ発売された。セットでの型番は“K-KJP5HC”で、メタハイ2400シリーズ(min.2230mAh)の単3電池が4本付属している。

 

 

BQ-310_3側面は半円状の形状をしており、充電器としてはかなり大きいサイズであることがわかるだろう。『DC 12V IN』と書いてあることやソケットの形状でわかると思うが、これは外部電源(ACアダプタ)が必要なタイプの充電器である。
この側には「危険」として注意書きが記載されている。
当社のニッケル水素電池以外は充電しない。分解、改造しない
液もれ、発熱、破裂、感電、けがの恐れあり

BQ-310_4充電器の後ろには大きい通気口がある。超急速充電器のため、本体及び、電池発熱防止の冷却ファンが内蔵されており、このような大きい通気口になっているようである。
このような超急速充電器の場合は前述した三洋やソニーのものにも冷却ファンが装備されており、充電器自体も大掛かりな本体となっています。

 

BQ-310_5充電器の裏側。定格入力がDC12V、定格出力がDC1.5V×2(電池2本)で7.4ADC1.5V×4(電池4本)で3.6Aと、超急速充電器らしい大電流出力です。
社名表記は「松下電器産業株式会社」・「松下電池工業株式会社」の併記、中国製です。“0304”という刻印があるが、2003年4月を表すのか2004年3月を表すのかは不明。

 

BQ-310_6ACアダプタ。品番はBAD0001。定格入力は“AC 100-240V 50-60Hz 75-99VA”。240Vまでの入力に対応しており、海外でも使用可能な充電器となっている(プラグアダプタはもちろん別)。ただ、この大きな充電器を海外に持っていくのかは、疑問ですが。
定格出力は“DC 12V 3A”でこれまた超急速充電器らしい出力電流になっている。こちらも中国製で、松下電池工業と松下電器産業の併記になっている。

BQ-310_7充電器の電池カバーを開けたところ。カバーを開けた段階ではマイナス極の端子が下がっており、カバーを閉めると、連動してマイナス極の端子が押し上がる構造になっている。
この充電器は単3のみの対応であり、単4には対応していない。また、この充電器は超急速充電器であるため、判定がシビアで端子が少しでも汚れていると電池を認識することが出来ないと言われている。なので、使う前にマイナス極の端子を拭くといいかもしれません。

BQ-310_8充電器に電池をセットした様子。マイナス極の端子は下がっているので、電池を端子に差し込むというよりかは、電池をボックスに置いているだけという印象です。
パナソニックの対応表を見てみると、本充電器は充電式エボルタの1世代(HHR-3MRS)、2世代(HHR-3MVS)充電式エボルタeの1世代(HHR-3LVS)、2世代(HHR-3LWS)メタハイ系ニッケル水素電池のみの対応となっているようです。

BQ-310_9充電中の様子。充電中は3つのLEDで充電状態を表示、最初は左からLEDが点灯。充電が進むにつれ、LEDの点灯が増えてゆき、最終的には3つのLEDが点灯した状態で充電完了。異常時はLEDの表示自体がされないというわかりやすい表示になっています。
表示は1つのみですが、独立充電が可能なタイプであるので、電池の種類は揃える必要はなく、バラバラでも充電が可能。ちなみに、充電中は常に冷却ファンが回っているのでうるさいです

BQ-310_10最後に取扱説明書より、充電時間の目安。本充電器付属のメタハイ2400シリーズ単3(min.2230mAh)で3~4本充電で1時間で充電が完了。以前紹介した、現行のBQ-CC11では同数量・約同容量の充電時間が5時間であるので、相当急速充電であることがわかります。


ALKALINE BATTERY アルカリ乾電池 単3型

cottonfair_1どこからともなく出てきたアルカリ電池。2本あるうちの片側から派手に液漏れしている。廃棄する前に本ブログに掲載してあげよう(w。
電池記載の輸入社は“COTTON FAIR. CO.,LTD.”。このメーカーは本ブログで以前、パッケージがパナソニック似ということを指摘した“Premium cell”と同じメーカーであり、同電池の前に発売されていた電池であると推測される。

 

cottonfair_2注意書き部分。注意書きはごく普通なもので誤字も無い。社名表記はあるが、問い合わせ先はフリーダイヤルの電話番号のみで、住所の記載は無い。生産国は中国
デザインはベースにのデザインでありがちなデザインですが、個人的には好みな配色です。

 

cottonfair_3プラス・マイナス側。使用推奨期限は「11-2012」。絶縁リングは無いタイプで、写真にはありませんが、マイナス極の皮膜を剥いてみると、ガス抜き穴は2つ穴のタイプでした。

 

 

cottonfair_4プラス側の皮膜を剥いてみると『XSMA 1 271612』というロット番号らしき印字があった。
ちなみにこの電池を取り扱っていた薦田紙工業のホームページを見てみると、このデザインの電池は廃番となっており、“Premium cell”が掲載されているので、やはり同電池の前世代品なのでしょうね。


V-アルカリ乾電池 OHMLR6/4S/V / OHMLR03/4S/V

v-alkaline_1お馴染み、“オーム電機”の低価格アルカリ電池である「V-アルカリ電池」の単3と単4を紹介します。主にディスカウントストアで見られる電池で、100円均一ショップ“キャンドゥ”でも見られる電池としてお馴染みです。
ラインナップは様々で、写真の単3・単4、4本パックを始め、8本パックや20本パック、単1や単2は100円均一ショップ向けと思われる1本パックを用意するなど、なかなかきめ細かいラインナップである。

 

v-alkaline_2パッケージ裏。単3・4本の品番が「07-2883」、単4・4本の品番が「07-2884」。ラベル上の社名表記は“OHM ELECTRIC INC.”と、オーム電機の英社名で表記されている。バーコードのベンダーはオーム電機(4971275)。
使用推奨期限は単3と単4両者とも5年でこれもラベル上に記載されている。

 

v-alkaline_3電池の外観。ベースでのデザイン。ごく普通なアルカリ電池のデザインです。もっとも、低価格のアルカリ電池にデザイン性を求めること自体に無理があるのかもしれませんが。

 

 

v-alkaline_4今回購入した「V-アルカリ乾電池」にはJISマークが記載されていた。今回購入したのは使用推奨期限「01-2019」で2014年1月製造ロットのもの。1年前の「01-2018」の2013年1月製造ロットのものには記載されていなかったので、JISマークが付与されたのは最近か。ちなみに同時に購入した単4(「11-2018」2013年11月製造)のものにも同じようにJISマークが記載されていました。

 

国内メーカーではFDKや日立マクセルがアルカリ乾電池におけるJIS認証を取得していますが、両者とも主力のアルカリ電池ではJISマーク記載が無くなっていく中で、逆にJISマークが記載される、しかも中国製のアルカリ電池でというケースは珍しいと言えます。

と、いうわけで気になるのはこのJIS認証を取得した企業であろう。なぜなら、認証を取得した企業がわかればこの電池を作ったメーカー(=OEM元)がわかるからです。早速、この電池に記載してあるJQA(一般社団法人日本品質保証機構)で認証番号の照会をしてみます。

v-alkaline_7認証社名は「Fujian Nanping Nanfu Battery Co., Ltd.」という中国の電池メーカーで、認証開始日は2013年8月2日で単1(LR20)、単2(LR14)、単3(LR6)、単4(LR03)のアルカリ電池において、認証を取得しているようです。
かつて、乾電池でJISマークを取得するのは日本メーカーが日本で製造する電池でというものが多かったと思うのですが、中国メーカーが中国で製造された電池を日本のJIS認証を取得したのは今まで見たことが無く、初なのではないでしょうか。

v-alkaline_8そして、その電池メーカーのサイトがここ。このメーカーは以前、本ブログでも紹介したことがあるEXCELL”というブランドでアルカリ電池を発売している電池メーカーです。
なるほど、V-アルカリ乾電池の中身はEXCELLだったのですね…。ということは、ミスターマックスPBのアレとか、トップバリュベストプライスのアレとかもこのメーカーの…?

 

v-alkaline_5JISマーク付き(新)とJISマーク無し(旧)のV-アルカリ乾電池を比較してみた。写真上2本が社名表記部分で写真下2本が注意書き部分、上がJISマーク付きのもので下が無しのもの。
社名表記は両者とも“株式会社オーム電機”で同じだが、注意書きが旧のものは「警告」・「注意」だけなのに対し、新のものは「危険」・「警告」・「注意」となり、項目が増え、字が小さくなっており、読み難くなっている。

v-alkaline_6プラス・マイナス側。マイナス極の絶縁リングは「」のタイプで、単3も単4も同じ特徴を持っています。写真左2、3本目は“EXCELL”ブランドのアルカリ電池で、比較してみると、確かに絶縁リング・使用推奨期限の印字共に似ています。

 

 
追記:本ブログで電池の製造者記号(略号)や認定番号を集めた記事、「電池製造者記号のまとめ」に今回判明した“Fujian Nanping Nanfu Battery Co., Ltd.”の社名と認定番号を追加しました。ってか、この記事読んでる人いるのかな…??


アルカリ電池 ALKALINE 単3型

triallr6_1現在、九州や関東地方で“スーパーセンタートライアル”などの屋号でディスカウントストアを展開するトライアルカンパニーのアルカリ電池。
トライアルPB品のアルカリ電池は様々な種類が発売されており、この電池は比較的古いものである。この電池は外観や注意書きの特徴から、オーム電機のOEMであると思われる。4本58円で安かったが、あまり長持ちしなかった印象がある。個人的には国内メーカーのマンガン電池以上、アルカリ電池未満の持ちという印象だろうか。

当時は同じような値段で、同じくオーム電機が家電量販店“コジマ”専売で「C&V」なるブランドのアルカリ電池を発売していたことがあり、この電池も同じような性能だったのを記憶している。安い分、コストも削減しているから寿命も持たないということなのでしょう。この事例から、個人的にはあまりオーム電機の乾電池自体に良い印象を持っていない。

triallr6_2注意書き部分。注意書きは誤字も無く、ごく普通の注意書きであるが、「危険」の“”の字が“”になっている。なんだか怖い字である。社名表記は“株式会社トライアルカンパニー”。
デザインそのものはベースにというアルカリ電池にありがちで一般的なデザイン。生産国は中国となっている。

 

triallr6_3プラス・マイナス側。マイナス極の絶縁リングは無いタイプで、奥に見えるガス抜き穴は2つ穴となっている。液漏れの影響か、使用推奨期限の表示が落ちており、かろうじて「01-2011」という印字が見える(写真真ん中の電池、見えるかな?)。
写真右の電池は比較的液漏れが進んでいる個体の皮膜を剥いたので、若干汚なめなのはご了承を。


National Hi-Top long life ガスライター用乾電池 VS08 12V

VS08_1長年電池コレクターをしているとありとあらゆる電池を見ているつもりではあるのですが、時々見たこともない電池が突然現れてびっくりすることがある。今回もそんな存在を全く知らなくて驚いた、積層電池“VS08”を紹介する。
これは12Vの積層電池で、型番の法則からして見ると以前本ブログで紹介した“RV08()”と同種か同時期に発売された電池ではないかと推測される。ちなみにRV08もナショナルの“Hi-Top”ブランドであった。

※:当時、電子ライター用として発売された12Vの積層電池。当時“Hi-Top”ブランドで発売されたのはマンガン電池であったが、現在はアルカリ電池として各社が「23A」という型番で、パナソニックが現在でも「LRV08」という型番で発売されている。

VS08_2電池の外観。電池は角型で金属外装。ナショナルの高性能乾電池(赤マンガン)のブランドであるハイトップ(Hi-Top)ブランドを使用。デザインはトランジスタラジオ用の外付け電池として発売されていたホーム電池(4D-D・6D-D)のデザインに似ている
ちなみにハイトップブランドは一般的な単1~単3・単5・006P以外にも前述した4D-D・6D-DやRV08、4AAなどの特殊電池にも用いられていました。

VS08_3電池の側面。片側には極性表示と「VS08 12V」の型番と電圧が、もう片側には『ガスライター用乾電池』の記載と「084」の印字がある。注意書きの表記は全く無い。
ガスライター用乾電池の記載や12Vの電圧であることから、RV08(LRV08/23A)と同じく、電池で点火する機能を備えた電子ライター向けに作られた電池であると推測されます。

 
この電池で驚かされるのはナショナルのロゴが既に“National”の小文字ロゴになっている点で、比較的新しいものであることだろう。松下(パナソニック)がこのロゴに変更したのが1973年で、電池本体の印字「084」と照らし合わせると1974年8月製造のものであろうか。不思議なのは過去この電池をカタログで全く見なかったこと。特殊用途の電池であったので、パナソニックお得意の特定ルート限定品だったのであろうか…。

VS08_4サイズ比較。左から、単4・VS08・LRV08・単5。単5よりも大きく、単4よりも小さい。

 

 

 

VS08_5もちろん、このサイズの電池は現在発売されていない。LRV08(23A)にサイズを補完するスペーサーの挿入で代用できる気がするけど、直径が若干大きめで電池ボックス自体に入らないと思われます。


NewMax LAYER BUILT BATTERY 22.5V

newmax_1東洋高砂乾電池(現・トーカン)の前身である“高砂工業”が展開していた『NewMax』ブランドの積層電池です。旧・高砂工業は“日本乾電池”ブランドを経て“NewMax(NEW MAX)”ブランドで電池を発売していました。
明治37(1904)年に創業された“日本乾電池製造会社”は屋井先蔵氏の“屋井乾電池”に次いで古い日本の電池メーカーで()、大正7(1918)年に高砂工業に吸収合併されています。その経緯から高砂工業が“日本乾電池”のブランド名を引き継いで使っていたようです。
※:参考文献による。ちなみにこの“日本乾電池製造会社”は電池工業会の参考元の資料においても、正式社名がはっきりしないようで、日本乾電池会社日本乾電池製造合資会社あるいは日本乾電池製造株式会社とも伝えられているようです。

このように東洋高砂乾電池は日本で2番目に古い電池メーカーの血を引く、伝統的な電池メーカーだったのですが、現在では電池事業から撤退、会社は現存していますがエスカレーターの手すりのゴムなどを製造するメーカーになっています。
ちなみに東洋高砂乾電池時代に展開されていた“LAMINA(ラミナ)”ブランドは同社のもう一つの前身である東洋乾電池が用いていたブランドであり、合併時に同社のブランドが引き継がれたという訳です。理由は不明ですが合併時の存続会社が高砂工業ではなく東洋乾電池だったからなのかもしれません。

newmax_2電池の外観。黄色と赤+青の帯が印象的なデザインですが、電池本体には型番が記載されていないというのが特筆すべき点でしょう。電池自体は015(BL-015)タイプの積層電池です。
電池上には“NDB”と書かれたマークが配置されており、よく見ると『NIPPON DRY BATTERY』と書いてあるので、この頃の電池においても“日本乾電池”のブランドも用いていたことがわかります。

 

newmax_3電池の側面。注意書きは無く、「HI-POWER FOR FOTO FLASH & HEARING AID」と用途らしき英文が記載されている。極性表示はプラスのみで、ハンコで押したようなものになっている。こちらにも日本乾電池を表す、「NIPPON DRY BATTERY」のロゴが記載されている。
製造コードらしきものが印字されており、「4G06」と記載。初めて見る4ケタのコードで全くもって意味不明です。

newmax_4外装は金属外装ではなく、樹脂外装の模様。プラス極は「」であるが、マイナス極は「」。普通マイナス極は「」であることが多いですが(写真左の東芝製を参照)、青は珍しい。
製造コードから製造日が読み取ることが出来ないので不明ですが、1970年代を通り越して1960年代の香りがする積層電池です。

 

【参考文献】
一般社団法人電池工業会
月刊機関紙「でんち」 平成21年2月1日号
“電池雑学(53) 日本の電池の始まり(3)”
電池工業会, 2009年2月, p5
月刊機関紙「でんち」 平成24年5月1日号
“電池雑学(91) 電池工業会史の人物伝(3)”
電池工業会, 2012年5月, p3