NewMax LAYER BUILT BATTERY 22.5V

newmax_1東洋高砂乾電池(現・トーカン)の前身である“高砂工業”が展開していた『NewMax』ブランドの積層電池です。旧・高砂工業は“日本乾電池”ブランドを経て“NewMax(NEW MAX)”ブランドで電池を発売していました。
明治37(1904)年に創業された“日本乾電池製造会社”は屋井先蔵氏の“屋井乾電池”に次いで古い日本の電池メーカーで()、大正7(1918)年に高砂工業に吸収合併されています。その経緯から高砂工業が“日本乾電池”のブランド名を引き継いで使っていたようです。
※:参考文献による。ちなみにこの“日本乾電池製造会社”は電池工業会の参考元の資料においても、正式社名がはっきりしないようで、日本乾電池会社日本乾電池製造合資会社あるいは日本乾電池製造株式会社とも伝えられているようです。

このように東洋高砂乾電池は日本で2番目に古い電池メーカーの血を引く、伝統的な電池メーカーだったのですが、現在では電池事業から撤退、会社は現存していますがエスカレーターの手すりのゴムなどを製造するメーカーになっています。
ちなみに東洋高砂乾電池時代に展開されていた“LAMINA(ラミナ)”ブランドは同社のもう一つの前身である東洋乾電池が用いていたブランドであり、合併時に同社のブランドが引き継がれたという訳です。理由は不明ですが合併時の存続会社が高砂工業ではなく東洋乾電池だったからなのかもしれません。

newmax_2電池の外観。黄色と赤+青の帯が印象的なデザインですが、電池本体には型番が記載されていないというのが特筆すべき点でしょう。電池自体は015(BL-015)タイプの積層電池です。
電池上には“NDB”と書かれたマークが配置されており、よく見ると『NIPPON DRY BATTERY』と書いてあるので、この頃の電池においても“日本乾電池”のブランドも用いていたことがわかります。

 

newmax_3電池の側面。注意書きは無く、「HI-POWER FOR FOTO FLASH & HEARING AID」と用途らしき英文が記載されている。極性表示はプラスのみで、ハンコで押したようなものになっている。こちらにも日本乾電池を表す、「NIPPON DRY BATTERY」のロゴが記載されている。
製造コードらしきものが印字されており、「4G06」と記載。初めて見る4ケタのコードで全くもって意味不明です。

newmax_4外装は金属外装ではなく、樹脂外装の模様。プラス極は「」であるが、マイナス極は「」。普通マイナス極は「」であることが多いですが(写真左の東芝製を参照)、青は珍しい。
製造コードから製造日が読み取ることが出来ないので不明ですが、1970年代を通り越して1960年代の香りがする積層電池です。

 

【参考文献】
一般社団法人電池工業会
月刊機関紙「でんち」 平成21年2月1日号
“電池雑学(53) 日本の電池の始まり(3)”
電池工業会, 2009年2月, p5
月刊機関紙「でんち」 平成24年5月1日号
“電池雑学(91) 電池工業会史の人物伝(3)”
電池工業会, 2012年5月, p3


NewMax LAYER BUILT BATTERY 22.5V」への4件のフィードバック

  1. 某茶葉生産地市民

    LAMINAは偶然にも現在全く別の会社がリチウムイオンバッテリー製品で使っています。
    ttp://www.baysun.net/products/lamina.html
    乾電池じゃないのが残念ですが・・・

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    1. みはりん 投稿作成者

      “LAMINA(ラミナ)”は「株式会社ベイサン」が電池などのカテゴリにおいて2009年10月に商標登録されているようです(第5269535号)。某茶葉生産地市民様が提示された製品も含め、この会社はリチウムイオン電池専業メーカーのようですので、乾電池の発売は期待できないでしょうね…。

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    1. みはりん 投稿作成者

      ありがとうございます。そのリンク先のNEW MAXは本記事のものよりも新しいものと推測できますね…。

      返信

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