富士通の4AA電池を分解してみた。

fujitsu4AA_1前回の記事では主にトランジスタラジオなどに使われていた積層電池(組電池)“4AA”の旧・“富士通”ブランドのものと新・“Fujitsu”ブランドのものを比較を交えて紹介してみました
今回は旧・“富士通”ブランドの4AAを3つ入手することが出来たので分解してみたいと思います。
なお、今回行う分解行為はメーカーが禁止している行為ですので、マネを行うのであれば(無いと思うけど)、自己責任でお願いします

 

fujitsu4AA_2底板を取ってみた。底板の材質は厚紙のようなもの。中には電池らしきものが見えます。

 

 

 

fujitsu4AA_3中身を引っ張りだしてみた様子。確かに単3が4本組になっているように見えますが、絶縁のためか周りが紙で覆われています。

 

 

 

fujitsu4AA_4紙を取ってみると、もちろん富士通ブランドの電池が…、ではなく、なんとノーベルの電池が出てきました。
この電池は1000シリーズの単3電池(1300)で、赤マンガンよりも下位ランクに属する(青マンガン相当)電池であり、主に機器の付属品として見られた電池です。しかし、富士通ブランドの4AAは赤マンガンではなくて、青マンガンが内蔵されていたとは。随分コストダウンされていますね。

fujitsu4AA_5電池の端子はリード線がハンダ付けで直接付けられている。この1300のマイナス極は亜鉛缶が直接見えているタイプでハンダが乗りやすい。この電池を選定した理由はコストダウンよりも、ハンダのしやすさだったのかもしれませんね。
電池同士はロウで固められている。このロウを取るには軽くライターで電池を炙り、ロウを溶かしてから素早くティッシュで拭くとうまく行きます。

fujitsu4AA_6しかし、富士通の電池からノーベルが出てくるとは思わなかったな…。
次回の記事ではこの電池の中に入っていたノーベルの電池を紹介予定です。

 

 

fujitsu4AA_7今回の記事はこれだけでは終わりません。分解するだけではなくて、電池を組み替えてみることにしました。今回組み替える電池はインドネシア製で定評の高い“Fujitsu”ブランドの黒マンガンを使います。このインドネシア製は100円均一ショップなどで売られている4本シュリンクパック品ではなく、8本のお買い得パックの中に入っています。

 

 

fujitsu4AA_8まず、おおまかに組んでみてハンダ付けします。元々入っていた電池には液漏れが無くリード線に異常はありませんでしたので、リード線はオリジナルのものをそのまま使いました。
なお、端子内部を溶かしてしまうのでハンダは素早く行いましょう。

 

 

fujitsu4AA_9オリジナルと同じようにロウで電池を固定。

 

 

 

fujitsu4AA_10端子(スナップ)を取り付けて、元通り紙でくるみました。ちなみに端子を取り付ける前にテスターで正しい電圧が出ているか調べてから付けると良いでしょう。

 

 

fujitsu4AA_11元通り、4AAの外装に入れて完成!
紙箱の4AAの場合は箱に入れるだけですが、金属外装の4AAの場合は金属缶がうまくカシメられないので、元通りにはなりませんでした。


富士通の4AA電池を分解してみた。」への5件のフィードバック

    1. みはりん 投稿作成者

      実は“Fujitsu”ブランドの4AAも以前分解したことがあり、1300が廃止されたからか、赤マンガン相当の2300(これ)が入っていた記憶があります。

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  1. 無名

    ありがようございます。
    当時の最低グレードが入っていたということになるのでしょうか。
    では先述の三菱は青バイタルが入っていそうです。

    元々なぜ4AAというホルダーで済むような電池を規格にしていたのか気になりますが、当初は何かしらの制限があったのでしょう。

    返信
    1. みはりん 投稿作成者

      4AAの中に入っている電池を他サイト様の情報を含め、まとめてみると…、

      富士電気化学(FDK)
      ノーベルブランド→“NOVEL LONG LIFE(青マンガン相当?)”
      富士通ブランド→“FUJI 1300 NOVEL(青マンガン相当)”
      Fujitsuブランド→“Fujitsu 2300(赤マンガン相当)”

      松下電器産業
      NATIONAL Hi-Top→“NATIONAL Hi-Top(赤マンガン相当)”

      東京芝浦電気(東芝)
      →“キングパワー(赤マンガン相当)”ロットによっては“キングパワーU(黒マンガン相当)”が入っているロットあり。

      と言うことでほとんどのメーカーで赤マンガン相当の電池が入っていたことが多かったようですね。三菱も赤マンガンのバイタルかそれ以下のランクのものが存在したのならば、NOVELや富士通ブランドのように低ランク品のマンガン電池が入っていた可能性もありそうです。

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    2. kazurou

      ラジオ用などで結構使われたみたいです…
      スナップを付けるだけなので極性違いが起きにくいという利点があったようですが、
      4AAのコストが高く、4AA機でも電池ホルダーで代用する人が多くなりました。

      松下ははんだ付けせずに組み上げて完成させるというある意味合理的かつコストダウンが行われたようです。
      東芝は黒マンガンをはんだ付けして生産、三菱も同じようなことしていたと思いますね。

      しかし、インドネシア製FDKマンガンを詰め替えたとなると、
      史上初のABCOEMの4AAじゃなかろうか?
      一般の殆どの人は4AA詰め替えなんてしないだろうし…

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