国内メーカー単5アルカリ電池の異変

alkalineLR1_1店頭で富士通(FDK)の“PremiumG”の単5を見てみると、ある異変に気づいた。これはこの写真上でも分かる異変です。わかりますか?
写真左のパッケージには「エコ対応」「日本製」と記載してありますが、右のパッケージには「エコ対応」だけが書かれていることに気が付きます。

 

 

alkalineLR1_2どういうことなのか。パッケージ裏を見てみます。使用推奨期限05-2014(2012年5月製造)のものは日本製ですが、11-2015(2013年11月製造)のものはインドネシア製になっています。

 

 

alkalineLR1_3電池本体。左が日本製、右がインドネシア製です。生産国以外に違いは見られませんが、チラッと見える使用推奨期限の印字が若干ですが、異なっています。

 

 

alkalineLR1_4プラス・マイナス側。絶縁リングは無いタイプで特に違いは見られないが、マイナス極の真ん中“●印”がインドネシア製の方が濃く見える感じがします。

 

 

alkalineLR1_5では、他のFDKの単5アルカリ電池はどうなっているでしょうか。まずは“G-PLUS”です。パッケージの表だけを見ると特に生産国の違いは見られないですが…、

 

 

 

alkalineLR1_6パッケージ裏を見てみると、左の使用推奨期限06-2015(2013年6月製造)のものは日本製で「日本製」の表記もあります、しかし右の10-2015(2013年10月製造)のものはやはりインドネシア製に変わっており、「日本製」の表記も削除されています。

 

 

alkalineLR1_7電池本体。左が日本製、右がインドネシア製。日本製の方はJISマークもあります。マイナス極の特徴はPremiumGと同じでした。

 

 

 

以上、FDKの単5アルカリ電池は“PremiumG”・“G-PLUS”共にインドネシア製に変わっています。これは日本メーカーの単5電池のほとんどがインドネシア製に変わるかもしれないということを示唆しています。なぜなら、日本メーカーの単5アルカリ電池のほとんどはFDK製であるためです。
現に筆者は店頭でマクセル「ボルテージ」の単5ソニー「スタミナ」の単5でインドネシア製を確認しています。どちらとも使用推奨期限は10-2015でした。富士通ブランドのものにおいても、“PremiumG”が11-2015、“G-PLUS”が10-2015であったのでFDKOEMの単5アルカリが2013年10月製造ロットあたりからインドネシア製に移行した可能性が高いと言えるでしょう。

alkalineLR1_8ちなみに“R SPEC”の単5も見てみましたが、店頭に置いてあったのが使用推奨期限が07-2015(2013年7月製造)だったからか、日本製のものしか確認できなかった。これまでのものを踏まえるとこれも2013年10月製造ロット以降はインドネシア製になる可能性は高そうですが…。

 

alkalineLR1_9もう一つ、単5のアルカリ電池に異変がありました。それはパナソニック“パナソニックアルカリ乾電池”の単5です。

 

 

 

 

alkalineLR1_11なんと、これもパッケージ裏を見るとインドネシア製の表記になっています。使用推奨期限は11-2015(2013年11月製造)。

 

 

 

alkalineLR1_10電池本体の表記も『パナソニック株式会社 インドネシア製』になっています。

 

 

 

alkalineLR1_12かつての“パナソニックアルカリ乾電池”の単5には単3と同じように、マイナス極のミゾに絶縁用の樹脂を流し込んだ「紫外線硬化樹脂」を用いられていたが、これは絶縁樹脂や絶縁リングの類は無く、今回紹介したFDKのインドネシア製に酷似している。

 

 

alkalineLR1_13使用推奨期限の印字もそっくり…?

 

 

 

alkalineLR1_14実は“パナソニックアルカリ乾電池”の単5はいつからかは不明ですが、日本製のものも紫外線硬化樹脂を用いていないものに変わっており、マイナス極の構造が富士通のアルカリ電池に似ていたので、これはFDKのOEMなのでは?という妄想をしていたのです。
今回のインドネシア製への移行でFDK製説がより確実になったのかな、と思っています。

 

alkalineLR1_15今回の検証で富士通ブランドの単5アルカリ電池を全種類買ってみましたが、全てのランクにおいて9V形(6LR61)と単5が用意されているのが他社にない特徴と言えますね。


国内メーカー単5アルカリ電池の異変」への12件のフィードバック

  1. 無名

    そういえばスーパーで売っていたソニースタミナ単5がどう見てもパナソニックoemだったので驚いた記憶が。(最近確認)
    単5も6pと同じ運命を辿るのですかね…

    パナソニック赤金パナは単4もタイ製化していました。

    返信
    1. みはりん 投稿作成者

      パナソニックがインドネシア製になって、FDKOEMもまたインドネシア製になるということは9V形と同じく日本製のアルカリがまた消えることになりますね。悲しいことです…。ソニーのスタミナはパナソニックOEMということは日本製で紫外線硬化樹脂があるタイプでしょうか?

      パナソニックの“パナソニックアルカリ乾電池(金パナ)”は使用推奨期限が10年に延長したロットから、単3と単4がタイ製に移行しています。以前紹介した“アルカリβ”の単3と単4においても同じです。

      返信
  2. 無名

    (DSiから投稿しているのでエラーやミスがありましたら、すみません。)       ソニーのは紫外線硬化樹脂では無い日本製でした。隣にPanasonicアルカリ乾電池が置かれていましたが中央の点など全く同じでした。少なくともFDK日本製とは完全に違うタイプです。           結局最後まで日本製6Pだったのは三洋のDシリーズだったのですが単5ではそのような感じではなさそうです。余談ですがこちらの店にあるスタミナ6Pは全てマレーシア製となってしまいました。        専用簡易ブラウザなので改行がおかしくなっていたらすみません。

    返信
    1. みはりん 投稿作成者

      ニンテンドーDSiで投稿しているのですね。自分もマネしてニンテンドーDSiで投稿していますが、管理画面に入るだけで一苦労、あげくの果てにwordpressからoperaのバージョンが古いと怒られましたw。

      紫外線硬化樹脂が用いられていないタイプのものとなると、この記事の最後に掲載したこの写真のものと同じではないでしょうか?
      http://miharin.moo.jp/blog/blog/wp-content/uploads/2013/12/alkalineLR1_14.jpg

      これが、パナソニックとFDKの日本製の比較になります。無名様が出会ったパナソニックの日本製がこの構造と違うものだったのなら、非常に気になります…。

      以上、自分もDSiで投稿してみました。漢字変換は学習機能も付いているので、入力は便利ですが、文節ごとに変換しないと漢字が出ないのはキツいですね。

      返信
  3. 某茶葉生産地市民

    わたしはてっきりパナはお得意のタイ自社製かと思っていました。
    まさか大手系はほぼFDKだったとは知りませんでした・・・
    (家にあるのは日本製、ただしマイナス極側は未確認)

    返信
    1. みはりん 投稿作成者

      自分もパナソニックの単5アルカリは自社製で他の日本メーカーの単5アルカリはFDK製であることは知っていたのですが、インドネシア製のパナソニックを店頭で見た時、衝撃を受けました。

      返信
  4. 無名

    (パソコンが復活したのでPCからの投稿です)
    どうやら日本製パナソニックは自分の記憶違いだったみたいです。すみません…
    90年代後半のソニーアルカリ単5は紫外線硬化樹脂タイプなのでやはりパナソニックなのですかね。

    DSiは単語、文節ごとに変換しないと予測がカタカナのみになってしまうので携帯やパソコン感覚で入力するとつらいです。ブラウザはOperaなのですが容量が大きいページには対応していないため独自形式に変換されたものを閲覧することになっています(このページは独自表示から通常表示に切り替え不可)

    そういえば一時期なくなっていたFDK黒マンガン9Vのパナソニックタイプがまた最近入り始めたみたいです。

    返信
    1. みはりん 投稿作成者

      ソニーは自分が持ってる使用推奨期限01-2003のスタミナが既にFDKっぽい構造なので、随分前からFDKなんでしょうか。
      こちらのキャンドゥやセリアで見られる富士通3600はここ最近ずっとパナソニックタイプですね。逆にGPタイプを見ないのですが…。

      返信
  5. 無名

    http://s-up.info/view/201201/138601.jpg
    http://s-up.info/view/201201/138602.jpg
    http://s-up.info/view/201201/138603.jpg
    推奨07-97ソニーアルカリ単5形のラベルをはがしてみました。
    ばっちり赤色の紫外線硬化樹脂が見えると思います。このマイナス極はやはりパナソニックだと思うのですがどうなのでしょう?

    こちらではGPタイプばかりでパナソニックが貴重な状態になっていました。
    一応ページに載っているサンプルはGPタイプとなっているみたいです。

    返信
    1. みはりん 投稿作成者

      確かにそのマイナス極はパナソニック製の特徴ですね。推奨期限が1997年ということは1995年製造でしょうか。その頃はパナソニックOEMだったのですね。
      ちなみにソニーはニッケルマンガン電池もマイナス極に紫外線硬化樹脂があり、パナソニックOEMでした。

      返信
  6. RQ-SX50

    いくら海外製の性能が上がったとはいえ、液漏れの心配が増加しましたね。
    特に金パナ単3、単4のタイ製移行は衝撃的です。何故ならトップバリュで
    大量の液漏れに遭遇しているので。
    日本製が欲しかったら高いのを買えと言っているのでしょうか。
    単5も使用頻度が少ないとはいえ、用途がペンライトやラジオが大多数なので
    入れっぱなしによる液漏れの増加が心配ですね。
    近いうちにアルカリ電池もマンガンと同じ道を辿ることになるのでしょうか。

    返信
  7. 和郎

    競争ではなく「共生」ですな、
    パナソニックにとって他社のOEM・自社含めているFDKと提携でOEM生産って、
    かなり衝撃的ですよ。
    FDKもパナソニックからマンガン電池などOEM供給を受けているので、
    実は結構そういう一面があったりして…
    でもインドネシアにはFDK・松下以外にも電池メーカーが存在しているので独禁法は大丈夫だと思うが、タイで生産するとかゴーベルをつかうとかしなかったのかな?

    返信

みはりん へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です