【解体】POWER PACK パワーパック PK-001 (PC Engine GT専用)

当ブログの解体シリーズではゲームボーイ(任天堂)ゲームギア(セガ)の外付けバッテリーパックを分解してきましたが、ゲームボーイ、ゲームギアに続く携帯ゲーム機の3大勢力であったPCエンジンGTのパワーパックを入手することが出来たので今回はこれを解体してみます。
PCエンジンGTはNECホームエレクトロニクスから発売されていた携帯ゲーム機ですが、このパワーパックはサードパーティである“樫木総業”という企業が発売していました。


実はこれデッドストックの新品未開封。現在でもパワーパックの発売元、樫木総業の通販サイトで入手することが可能なのです。携帯ゲーム機の3大勢力の中でも一番高くて売れなかったと思われるPCエンジンGTなので、バッテリーパックも売れなかったのか?と思いがちですが、現役のPCエンジンGTユーザーであったワタシが知らなかった程で、当時のゲーム販売店でも見られませんでしたから販路が確保するのが難しかったのかも。また、PCエンジンGTが発売されたのが1990年12月でパワーパックの発売がその1年後の1991年9月頃発売と遅すぎて時流に乗ることができなかったのでは?という説もあるようです。
箱を開けてみると、以下のような添え書きが入っていました(上の写真右)。

パワーパックのお買上げ有難う御座います。
この商品は発売して20年が経過しております。
充電電池は古川電池の単2ニッカド電池を使用しております。
新品在庫ですが、年月が経過しています。その為に特価販売致しております。
初期の御使用の場合は充電時間が長くかかります。
尚、この製品は保証が無い状態です。

樫木総業株式会社

さすがに新品ですが保証は無いようです。そりゃそうです。PCエンジンGTはとっくに発売終了して、販売元だったNECホームエレクトロニクスも消滅している訳ですからね。むしろこの令和時代にパワーパックの新品未開封が入手出来ることに感謝すべきかと思います。という訳で、今から入手してみたいと思ったら上記のことに気を付けて下さい。その代わり、当時6900円で売られていたバッテリーパックが2200円(税込・送料別)の特価価格で入手可能です。
また、中身の電池にも触れられており、古川電池(正しくは電池です)の単2ニッカド電池が採用されていると書いてありますね。ということは日本製のバッテリーを採用しているということになりますが…。解体が楽しみです。

パワーパックはPCエンジンGTの周辺機器で唯一のサードパーティ製ですが、箱はNECホームエレクトロニクス純正のカラーリングに似せてあります。写真の前に置いてあるのは純正のカーアダプタですが、黒とのカラーリングは同じであるのがわかると思います。
サードパーティ製ですが、NECホームエレクトロニクスからのライセンス取得品でありHE SYSTEMのロゴも付いています。


左の写真はパッケージ裏です。販売元は“樫木総業株式会社”、製造元は“DOOWELL LTD.”というメーカー。聞いたことがないメーカーですが記載の住所から察するに台湾メーカーらしい。つまり、本体は台湾製です。右の写真は取扱説明書。取説もPCエンジン本体の取説と同じフォントを採用しており似せてあります…。マニュアル作成はNECだったりする??(妄想)
パッケージにはバーコードもありますが、事業者名は既に無効になっており不明でした。


おまたせしました。パワーパック本体です。大きさは当ブログで紹介したゲームギアのバッテリーパックと比較してみると小さい印象で、ゲームボーイの充電式アダプタに近い印象を受けますが、厚みがあり分厚いです。裏側にはこの系のバッテリーパックでお馴染みな腰付け用のフックが付いています。取り付け・取り外しは自在なタイプのフックですが、取り付けは普通のネジで取り付けであり、ドライバーが必須なのは残念かも。ネジも無くしそうですしね。

充電中の様子。充電中はランプも付いていないので、通電しているかどうかもわかりません。充電時間は8時間PCエンジンGTで4時間プレイが可能です。
このパワーパック、なんとPCエンジンGTのACアダプタで充電が出来ません!別売の初代PCエンジン(白エンジン)PCエンジンシャトルPCエンジンコアグラフィックスコアグラフィックスIIいずれかのACアダプタが必要になります。

しかし、これは初代メガドライブやファミコンのACアダプタでも共通で使えるので(非公式)、個人的にはあまり問題では無かったのですが、PCエンジンGT用のバッテリーパックなのにPCエンジンGTでは無いACアダプターを要求するのはいかがなものかな?と思いました。
充電中はバッテリーパックとして使用することは出来ず、パワーパックにACアダプタを差し込んだ時点で外部出力が遮断されてしまうので注意が必要です。

では、解体してみましょう。例の如く特殊ネジを採用しています。ゲームボーイの充電式アダプタと同じタイプの特殊ネジなのでラインヘッドドライバーを使って緩めます。
使ったドライバーはエンジニアの“DTC-27”です。これを持っておけばPCエンジンの本体のみならず、スーパーファミコンなどの家庭用ゲーム機も分解できるので、分解マニアなら持っておきたい1本です。


これが中身。内部はバッテリーが半分以上を占めています(当たり前!)。で、中の電池は記載されていた通りの古河電池製“コラム電池”が入っていました。コラム電池というのは古河電池が製造するニッケルカドミウム電池(ニカド電池)の商品名で、他社で言うパナニカやカドニカ、ユニカドみたいなものです。“6-C2.0F”という型番の電池で、“C2.0”というCセル(単2)のニカド電池が6個直列になった電池パックのようです。製造年月は1991年12月
公称電圧と容量は7.2V 2000mAh。ゲームギアのバッテリーパックが1300mAhとなっていたため、こちらの方が断然高容量です。ゲームギアはサブCセルのニカド電池を採用しており、小さかったという点が容量差につながったと思われます。


内部基板。大きく目立つセメント抵抗とダイオードが1本だけ付いているのみ。複雑でタイマーも内蔵したゲームギアのバッテリーパックとは異なり、かなり簡素な構造です。ゲームボーイの充電式アダプタからトランスを抜き取ったような感じですね。基板には「9203 D」の印字がありました。恐らく1992年3月製造の個体?

以下に取扱説明書を掲載しておきますので、使用方法の詳細やこれから入手される方の参考としてどうぞ。なお、上記の通りサポート及び保証は終了しておりますのでメーカーに問い合わせる行為は厳禁ということでお願いします。

以上の通り、パワーパックはPCエンジンGT専用のバッテリーパックであり、取扱説明書には『他の機器には使用しないでください。』との記載もあります。なのですが、同じ樫木総業から“パワーパック用マルチキット(PK-01P)”という他の携帯ゲーム機でも使えるようになるアダプターが別に発売されていました。こちらは樫木総業の通販では入手することは出来ませんが、今でも某オークションサイトで入手することが可能なようです。

これがパワーパック用マルチキットです。パッケージは派手な蛍光オレンジみたいな色。ブラックライトに当てたら綺麗に発光しそうな色です。
初代ゲームボーイに使える『Aキット』のアダプタと、ゲームギアに使える『Bキット』のアダプタがセットです。これを使えばゲームボーイで45時間ゲームギアで5.8時間の連続プレイが可能になります。

このマルチキットを使えばパワーパックが多くのゲーム機に使えることをアピールすればもっと売れたかもしれませんが、あくまでパワーパックはPCエンジンGT専用の周辺機器としてNECにライセンス取得した関係上大っぴらにアピールできなかったのでは?と推測されます。

最後に使用例。マルチキットのBキットで液晶操作機器搭載裏蓋壱號(メルクリウス)を取り付けたPCエンジンコアグラフィックスIIを動かしてみた様子です。
マルチキットのBキットはゲームギアだけではなく、初代メガドライブや初代PCエンジン(白エンジン)やPCエンジンコアグラフィックスとコアグラフィックスIIなどとも同じコネクタなので、非公式ながらも使うことができます。

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