FDKが“Fujitsu”ブランドで発売している単5アルカリ電池です。現在、FDKのアルカリ電池にはプレミアムタイプ、ハイパワータイプ、ロングライフタイプの3種類があり、かつてはそれぞれで単5アルカリ電池があったのですが、2017年7月に共通デザインとして新たに登場したものが今回紹介する単5のアルカリ電池なのです。
姉妹品として6P形のアルカリ電池も存在、こちらも単5と同じく共通デザインになりました。
某ホームセンターでこの電池を見ていたらインドネシア製から中国製に変わっているのに気が付きました。今回は両者を購入して比較してみることにしました。という訳でまずはパッケージです。
写真は左がインドネシア製で、右が中国製です。両者並べてみて初めて気づく特徴ですが、ブリスターパックの電池がパッケージされている位置が違っています。インドネシア製が下目に電池が入っているのに対して、中国製は上目に電池が入っています。
パッケージ裏は注意書きの内容や配置など、生産国の表記が違う以外は共通。しかし、中国製の方が印刷が濃いめです。使用推奨期限の表記はインドネシア製が印字なのに対し、中国製は印刷で恐らく注意書きなどと一緒に印刷されているタイプであろうと推測できます。
社名表記は“FDK株式会社”でバーコードの事業者名も同社のものです(4976680)。
電池の外観です。左がインドネシア製で右が中国製。この部分に付いてはほぼ同じと言ってもいいでしょう。
電池のデザインは9V形のものと同じく、どちらかと言うと黄色っぽいゴールドをバックにしたデザイン。“Fujitsu”のロゴを大きく配置したデザインは往年の富士通アルカリ電池を思わせるもので、電池に思い入れの深い方ほど懐かしいデザインと感じられるかも知れませんですね。
次に注意書き部分です。こちらも左がインドネシア製で右が中国製です。ここも注意書きの文面や配置などは同じなのですが、ただ一つだけ違うのが使用推奨期限の所です。
インドネシア製のものが使用推奨期限の表示域が小さく文字が大きいのに対して、中国製は使用推奨期限の表示域が大きく文字が小さいという両者まるで逆の特徴となっています。
もうちょっと比較してみましょう。インドネシア製では表面の[Fujitsu|単5]という表記が上側に配置されていますが、中国製では下側に配置されているのが見受けられます。
この特徴は店頭でも確認できそうな特徴ではありますが、ロット差で今後は変わってくるかも知れません。ちょっと微妙な特徴です…。
プラス・マイナス側です。左がインドネシア製、右が中国製ですが両者製造工場が違うらしくプラスもマイナスも全く違っています。その中で大きく目立つのがマイナス極で、インドネシア製はマイナス極中心に●印があるザラザラな底板ですが、中国製はツルツルな底板となっています。
使用推奨期限はインドネシア製が「12-2020」で中国製が「02-2021」となっていました。
2年期限のそれぞれ2018年12月製造(インドネシア製)、2019年2月製造(中国製)であると思われます。いつ生産国が切り替わったのかは不明ですが正直に2019年製造分からでしょうか。
外装ラベルを剥がしてみました。まずはインドネシア製。電池にロット番号らしき印字や刻印は見られませんでしたが、緑色のマーキングが見えました。その代りにラベル側に“JH 1252023 PETS”のロット番号が見られました。以前、同じFDKのインドネシア製単3アルカリ電池の外装ラベルを剥がした際にこれと同じようなロット番号がラベルに記載されていたことがありました。これがFDKインドネシア製の特徴みたいです。
外装ラベルを剥がしてみる、次は中国製です。こちらはラベル側にロット番号の印字は見られませんでしたが、電池に“JELA02 301354”というロット番号のレーザー刻印がみられました。上アルファベット+数字6ケタ、下数字6ケタのパターンだからこいつはGP製か!?
最後にマイナス極の拡大です。左がインドネシア製で右が中国製。ガス抜き穴はインドネシア製が4つ穴、中国製が2つ穴です。FDKインドネシア製のアルカリ電池は単3も単4もガス抜き穴4つ穴タイプでした。FDK製一つのこだわりなのかも知れないですね。
この写真を見ればマイナス極の違い、特にザラザラ感は一目瞭然でわかると思います。
ここで気になるのが他社単5アルカリ電池の動向です。かつて、FDKの単5アルカリ電池が日本製からインドネシア製に移行した時に他社単5アルカリ電池も相次ぎインドネシア製に移行したことがありました。今回もFDKがインドネシア製から中国製に移行したことで他社の単5アルカリ電池もインドネシア製から他生産国に切り替わる可能性があるということです。今後は他社単5アルカリ電池の生産国も要チェックだと思います。特にマクセルや東芝、ソニーのものなんかは…。
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Fujitsu アルカリ乾電池 9V形 6LR61F(B)
→当記事の姉妹品に当たる9V形アルカリ電池でデザインが共通している。こちらは共通デザインとして登場以来、現在までタイ製となっている。
国内メーカー単5アルカリ電池の異変
→FDKの単5アルカリ電池が2013年10月頃から日本製がインドネシア製に変わったことを報じた記事。当記事と同じような出来事が過去にもあったわけです。