現在は電池事業から撤退している“富士フイルム”のリチウムコイン電池であるCR2032です。これはハードオフのジャンクで52円で入手したもので、以前本ブログで“FUJIFILM EVEREADY”ブランドのCR2012を紹介したことがありますが、今回紹介するものは“FUJIFILM Energizer”ブランドとなっており、それよりも後の年代になります。
パッケージ裏。社名表記は“富士写真フイルム株式会社”で日本製です。使用推奨期限は「11-2006」となっています。
バーコードのベンダーは“富士フイルム(4902520)”となっていました。
電池の表面(プラス極)。パッケージは“FUJIFILM Energizer”になっていますが、Energizerの電池ではなく、富士フイルムのロゴが入ったオリジナルの電池になっています。
表面には「1Y」の印字があります。この印字は以前本ブログで紹介した日本製の三菱電機ホーム機器のリチウムコイン電池とそっくりです。
その記事の法則に照らしあわせてみると、「1Y」の“1”は西暦末尾1桁なので2001年、“Y”は月を表し、10月は0(ゼロ)、11月はY、12月はZになりますので11月となり、2001年11月製造の電池を表すコードになるみたいですね。パッケージに記載されている使用推奨期限は2006年11月ですから、5年期限と考えると電池表面に記載されたコードと見事に一致します。と同時にこの電池は日立マクセルのOEMである可能性が高いと推測されます。
歴代、富士フイルムのリチウムコイン電池を並べてみました。最後期は中に入っている電池がアルカリボタン電池等と同様に“Energizer”ブランドのものになります(写真下)。それでも日本製を貫き通したのは凄いところです。
今思うと富士フイルムは一体なんのため電池事業に参入したのでしょうか。
自社生産の電池は存在せず、かといってエナジャイザーの代理店な扱いと思ったら自社ブランド多数…
割と気になっていることです。
デジタルカメラ普及を見越しての参入ならばまだ分かりますが参入当時は電子スチルカメラぐらいしか無いうえに電子スチルカメラは乾電池を使わないので。
化粧品・薬品参入はいままでの技術があるのでまだ解ります。
当時のコンパクトカメラはフラッシュ用の電源に単3を使ったものがありませんでしたっけ?
それはさておき、やはり自社ブランドの電池を写真店に並べたかったというのがあるのではないでしょうか。
フジカラーの看板を掲げているのに店内で売っているのはナショナルではアレですからね。
何かとても懐かしく感じてしまいますね。これのもう一世代前の赤いパッケージだとアメリカ製だったと思います。電池本体もLR44ならA76、LR43なら186とエナジャイザー方式でした。
みはりん様の仰る通りコンパクトカメラのフラッシュと巻き上げに単3を使ってました。
また、日本国内の写真店のうち6割は富士フィルム系だったので(残りはコダックとコニカ)、フィルムと共にビデオテープ、オーディオテープ、電池も富士フィルム一色にしたかったのでしょう。富士フィルムブランドのカメラでは使われないサイズの電池も出していましたし(マイナーな2CR1/3N=4LR44と互換->ほぼキヤノンA-1系用、等)、一眼レフカメラのモータードライブパックや外部バッテリーパック、フラッシュのバッテリーパック用に単1~単4までラインナップしていたようです。流石に単5と9Vはオマケのラインナップだと思いますが…