2014年6月、日本の大手電池メーカー“FDK”の“Fujitsu”ブランドのアルカリ電池が一新されました。
従来の“Fujitsu”ブランドのアルカリ電池はハイグレードの「Premium G」、オールラウンドの「G-PLUS」、エントリーの「R SPEC」というラインナップですが、今回のリニューアルではこの3種類が入れ替わるように変わりました。今回の記事では従来品とリニューアルされたアルカリ電池とのデザインを比較していきます。
パッケージ裏。今回購入したのはいずれも単3・2本入りのブリスターパック。裏面の注意書きはどれも似たようなもので、パッケージ上には各電池の付加機能が星印で記されているのが特徴です。
電池の製造日はどれも2014年6月製造品。この経緯から考えるとこの電池の発売は6月予定となっていましたが、最初から6月下旬ぐらいの発売だったのではないのかな?と思います。
なお、今回の電池はヨドバシカメラで購入したものですが、近所で“Premium G”を取り扱っている販売店に行ってみるとまだ“Premium G”のままでしたので一般的な販売店で出回るのはまだまだなのではないかな?と思います。
今まで、“Premium G”の単3を購入したことが無かったので同時に購入してみました。
左が従来品の“Premium G”、右が後継品の“Premium”ですが、従来品のパッケージがブランド名を大きくアピールされていたのに対し、後継品では“Fujitsu”を大きくアピールしたものになっています。また、『選ぶなら日本品質』というジャパンメイドを大きくアピールしているのも従来とは変わっているポイントです。
●Premium(プレミアム)
ここからは各ブランドの電池を紹介していきます。まずは、“Premium G”の後継に当たるプレミアムタイプです。メーカーではすべての機器での使用を推奨し、特に大電流特性に優れた電池となっています。
抗菌加工を施したラベルや使用推奨期限10年など、従来品とは変わらない特徴ですが、大きく変わったのは液漏れ補償が新たに付加されている点でしょう(詳しい規定はFDKのホームページを参照のこと)。
従来品“Premium G”(写真上)とのデザイン比較。従来の白+金+赤のデザインを引き継いだ上でより洗練されたデザインとなっています。また、従来品が電池のブランド名が大きく表示されていたのに対し、後継品では“Fujitsu”ブランドを大きくアピールしている、こちらはパッケージとも共通の特徴になっています。
次に注意書き部分の比較。上・下2本が従来品“Premium G”です。従来品では金色でピカピカしている部分が大きいので注意書きが見にくいという印象がありましたが、後継品では白いデザインが拡大され、その上に注意書きがありますから、注意書きが読みやすくなっています。
●HighPower(ハイパワー)
次に紹介するのはハイパワータイプです。カタログやFDKのホームページでは『ワイドレンジ性能をさらに向上させた高性能アルカリ乾電池。』とあり、同じくワイドレンジ性能をアピールしていた“G-PLUS”の後継であると考えられます。
メーカーでは大電流機器から中電流機器での使用を推奨し、幅広い機器で使用できる電池となっています。従来品“G-PLUS”は2013年モデルより、使用推奨期限が5年から10年に延長していますが、その仕様もそのまま引き継いでいます。
従来品“G-PLUS”(写真上)とのデザイン比較。今回紹介する3種類の中で唯一、従来品を引き継がなかった赤いデザインが特徴です。元々、“G-PLUS”自体、以前発売していたアルカリ電池“G”の後継として発売されていた電池であり、デザインもそれに準じたものでしたから、FDKとしてはデザインを刷新したかったのかもしれません。
注意書き部分の比較。上・下2本は従来品の“G-PLUS”です(なお、写真の物は旧・5年使用推奨期限のものでJISマーク付きになっています)。従来品はプレミアムタイプと同じく金色でピカピカしている部分が大きく、注意書きが見にくい印象がありましたが、こちらも赤い部分が大きくなっており、その上に映える白い文字で読みやすい注意書きとなっています。
なお、このハイパワータイプのみ、9V形も購入してみました。従来品と比べるとパッケージも寂しい感じになってしまっています。ちなみに9V形はいずれもタイ製の6LR61タイプでパナソニック製であると推測されます。
ちなみにラインナップの電池はどれも単1~単4までは日本製、単5はインドネシア製で9V形はタイ製です。
●LongLife(ロングライフ)
最後に紹介するのはロングライフタイプです。位置付けや使用推奨期限などから“R SPEC”の後継であると考えられます。
メーカーではふだん使いの機器での使用を推奨し、過放電耐漏液特性を高めたスタンダードタイプの電池になっています。
従来品“R SPEC”(写真上)とのデザイン比較。これまで紹介した2つの電池では“Fujitsu”ロゴの下に電池のブランド名が記載されているものでしたが、このロングライフタイプのみは“Fujitsu”ロゴの横にブランド名が記載されており、従来品を色濃く受け継いているデザインです。カラーリングもよく似ていますね。
注意書き部分の比較。上・下2本は従来品の“R SPEC”です。注意書き部分に関しては従来品と変わらない印象を受けますが、注意書きの文字が大きくなって読みやすくなっています。使用推奨期限はロングライフタイプのみ5年で、従来の“R SPEC”にあったJISマークも引き続き表示されています。(日本製単1~単4のみ)。
各電池のマイナス側。いずれもマイナス極の底板がザラザラで絶縁リングは「緑」というFDKエナジー製の特徴ある構造になっています。
使用推奨期限の印字はどれも大きい文字で印刷されているタイプで、ロングライフタイプの従来品である“R SPEC”は文字が小さいタイプでしたが、今回の刷新で大きい文字になっています。
なお、各電池共通の特徴として漏液防止構造を搭載。正極缶耐食性の向上と特殊素材ガスケットを採用したことにより実現しているようです。
最後に今回新しくなった電池を旧デザインのを交えて…。
“Fujitsu”ブランドのアルカリ電池が現在の様な3ブランド体制になったのは、2006年7月に従来品として存在していた「G-PLUS」に加え、スタンダードタイプの「R SPEC」、デジタル機器用の「D-RANGE」が追加され「G.D.Rシリーズ」として発売されたのが始まりです。後に「D-RANGE」が廃止され「Premium G」が入れ替わる形になりました。
なお、今回の記事で取り上げた各電池の特徴は公式動画を見ておくと幸せになれるかもしれません。動画中のスマホ用とリモコン用のアルカリ電池に関しては既に本ブログで取り上げております。