V-アルカリ乾電池 OHMLR6/4S/V / OHMLR03/4S/V

v-alkaline_1お馴染み、“オーム電機”の低価格アルカリ電池である「V-アルカリ電池」の単3と単4を紹介します。主にディスカウントストアで見られる電池で、100円均一ショップ“キャンドゥ”でも見られる電池としてお馴染みです。
ラインナップは様々で、写真の単3・単4、4本パックを始め、8本パックや20本パック、単1や単2は100円均一ショップ向けと思われる1本パックを用意するなど、なかなかきめ細かいラインナップである。

 

v-alkaline_2パッケージ裏。単3・4本の品番が「07-2883」、単4・4本の品番が「07-2884」。ラベル上の社名表記は“OHM ELECTRIC INC.”と、オーム電機の英社名で表記されている。バーコードのベンダーはオーム電機(4971275)。
使用推奨期限は単3と単4両者とも5年でこれもラベル上に記載されている。

 

v-alkaline_3電池の外観。ベースでのデザイン。ごく普通なアルカリ電池のデザインです。もっとも、低価格のアルカリ電池にデザイン性を求めること自体に無理があるのかもしれませんが。

 

 

v-alkaline_4今回購入した「V-アルカリ乾電池」にはJISマークが記載されていた。今回購入したのは使用推奨期限「01-2019」で2014年1月製造ロットのもの。1年前の「01-2018」の2013年1月製造ロットのものには記載されていなかったので、JISマークが付与されたのは最近か。ちなみに同時に購入した単4(「11-2018」2013年11月製造)のものにも同じようにJISマークが記載されていました。

 

国内メーカーではFDKや日立マクセルがアルカリ乾電池におけるJIS認証を取得していますが、両者とも主力のアルカリ電池ではJISマーク記載が無くなっていく中で、逆にJISマークが記載される、しかも中国製のアルカリ電池でというケースは珍しいと言えます。

と、いうわけで気になるのはこのJIS認証を取得した企業であろう。なぜなら、認証を取得した企業がわかればこの電池を作ったメーカー(=OEM元)がわかるからです。早速、この電池に記載してあるJQA(一般社団法人日本品質保証機構)で認証番号の照会をしてみます。

v-alkaline_7認証社名は「Fujian Nanping Nanfu Battery Co., Ltd.」という中国の電池メーカーで、認証開始日は2013年8月2日で単1(LR20)、単2(LR14)、単3(LR6)、単4(LR03)のアルカリ電池において、認証を取得しているようです。
かつて、乾電池でJISマークを取得するのは日本メーカーが日本で製造する電池でというものが多かったと思うのですが、中国メーカーが中国で製造された電池を日本のJIS認証を取得したのは今まで見たことが無く、初なのではないでしょうか。

v-alkaline_8そして、その電池メーカーのサイトがここ。このメーカーは以前、本ブログでも紹介したことがあるEXCELL”というブランドでアルカリ電池を発売している電池メーカーです。
なるほど、V-アルカリ乾電池の中身はEXCELLだったのですね…。ということは、ミスターマックスPBのアレとか、トップバリュベストプライスのアレとかもこのメーカーの…?

 

v-alkaline_5JISマーク付き(新)とJISマーク無し(旧)のV-アルカリ乾電池を比較してみた。写真上2本が社名表記部分で写真下2本が注意書き部分、上がJISマーク付きのもので下が無しのもの。
社名表記は両者とも“株式会社オーム電機”で同じだが、注意書きが旧のものは「警告」・「注意」だけなのに対し、新のものは「危険」・「警告」・「注意」となり、項目が増え、字が小さくなっており、読み難くなっている。

v-alkaline_6プラス・マイナス側。マイナス極の絶縁リングは「」のタイプで、単3も単4も同じ特徴を持っています。写真左2、3本目は“EXCELL”ブランドのアルカリ電池で、比較してみると、確かに絶縁リング・使用推奨期限の印字共に似ています。

 

 
追記:本ブログで電池の製造者記号(略号)や認定番号を集めた記事、「電池製造者記号のまとめ」に今回判明した“Fujian Nanping Nanfu Battery Co., Ltd.”の社名と認定番号を追加しました。ってか、この記事読んでる人いるのかな…??


V-アルカリ乾電池 OHMLR6/4S/V / OHMLR03/4S/V」への9件のフィードバック

    1. みはりん 投稿作成者

      エネルグのアルカリ電池はこんなマイナス極なのですね。確かに「緑」の絶縁リングで似ていますが、使用推奨期限の印字、字体が異なるので別物かもしれません。

      わざわざJISの認証を取得したのですから、今後はオーム電機のV-アルカリ電池だけにとどまらずに、このメーカーが製造しているアルカリ電池にはJISマークが付くかもしれませんね。

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  1. 某茶葉生産地市民

    意外や意外。
    まさか中国メーカーがJIS認証を取得してくれたとは・・・

    因みに以前フィリピンから掲示板に投稿した7-11PBアルカリ(バーコードベンダーが米国法人)も製造はここかな?
    まだ未開封なのでリングの確認はしておりませんが、期限の印字位置等がオームと一緒と言う・・・

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  2. RQ-SX50

    この調子でマンガン電池もJIS登録してくれれば…
    C8501は廃止されてしまったけど。

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  3. けい

    読み応えのあるすごい記事でした。
    私の手元にも、このオーム電機の使用推奨期限が、09-2018のが3つ、11-2018のがひとつありましたが、確かに前者にはついておらず、後者にはJISマークが付いていませんでした。
    去年の10月か11月製造分からJISマーク付きに変わっていたのでしょうね。
    しかし自分はまったく気づいておりませんでした。すごい観察眼ですね。

    JQAに載っているという製造メーカー、「Fujian Nanping Nanfu Battery Co., Ltd.」ですが、中国名(漢字)だと、「福建省 南平市 南孚電池」になるようなんですが(http://miharin.moo.jp/blog/blog/?p=169で書かれている深センの「East (Shenzhen) Technology Co.,Ltd.」との関係はよく分かりませんでした)
    この「南孚電池」で検索してみると、 http://www.insightchina.jp/newscns/print/47346/http://baike.baidu.com/view/491776.htm というページが見つかりました。
    これらによると、このメーカーは、2003年にP&Gに買収される前のジレット(デュラセル)に買収され、そのままジレットを買収したP&G傘下になっているようです。面白いですね。
    かつては、南孚電池が中国最大の電池メーカーだったようですが、いまはそうではないみたいですね。
    (いまのナンバー1はPairdeerブランドのメーカーなような感じですね。)

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    1. みはりん 投稿作成者

      コメントありがとうございます。
      この記事に満足いただけたのなら、嬉しいです。

      以前の記事で書かれていたEast (Shenzhen) Technology Co.,Ltd.のホームページには現在アクセスできなくなっているようですが、現在のFujian Nanping Nanfu Battery Co., Ltd.と同じ写真が掲載されており、アドレスも“nanfu”が入っていたことから、同じ南孚電池のページだったのではないかな??と思っています。
      なるほど、この南孚電池はP&Gの資本が入っていたんですね。情報ありがとうございます。

      PeirdeerブランドはZhongyin (Ningbo) Battery Co., Ltd.というメーカーのようです。本ブログでも数点取り上げていますよ。

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  4. けい

    コメントありがとうございます。

    お分かりだと思いますが、前の私コメント、
    「後者にはJISマークが付いていませんでした。」
    のところは、
    「後者にはJISマークが付いていました。」
    の書き間違いでした。お恥ずかしい・・

    ところで、国内メーカーでも最近はJISマークがついてないのが多く、以前ならともかく、最近は乾電池に関してはJISマークの意味というか効果といいますか、販売にあたってのメリットというのは特にないように思います。
    そういうご時世で、今回、海外メーカーが手間をかけてJIS認証を取ったのは、非常に謎なのですが、みはりん様はどういった意味があるとお考えですか?
    南孚電池自体というよりオーム電機の意向がより強く働いたのでしょうかね?

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    1. みはりん 投稿作成者

      海外メーカーが敢えてJIS認証を取得したのはやはり“信頼性”をアピールするためなのではないでしょうか。同じようにJISマークを取得しているメーカーとして、韓国ベクセルの代理店を行っている“MIYABI”がありますがこちらもホームページを見るか限りでは信頼性をアピールしているような気がします。ただ、Nanfuは日本のJQAで申請しているのに対し、MIYABI(ベクセル)は韓国のKSA(Korean Standards Association)で申請しているようなので、怪しい面が見受けられますが(w。認証番号の照会もできないし。

      今回のJIS取得にオーム電機が関わっているのなら、ホームページとかカタログに掲載されていてもいいようなものなのですが、掲載されていないようですし、オーム電機は無関係なのではないでしょうか。

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  5. けい

    なるほど・・・。
    とても参考になり、また勉強になりました。
    どうもありがとうございます。

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