今回はちょっと珍しい電池を紹介しましょう。“大阪築城400年まつり”仕様の日立スーパーゴールドです。大阪築城400年まつりは1983年10月1日から11月30日まで行われていたイベント(地方博覧会)で別名「大阪城博覧会」とも呼ばれていたようです。
大阪築城400年まつり記念商品として、専用デザインのポッカコーヒーやアサヒビールが存在していたようですが、この電池もそんな中発売された記念商品だったのでしょう。
電池の全景です。マンガン電池ですが金ベースで、中程にはカラー印刷の美しい絵がプリントされています。大阪城の下をよく見てみてください。ゴールド色に同化して見にくいですがお馴染みの“SG”マークもちゃんと装備されていますね。
写真右に見える「21」のようなロゴマークは主催元であった財団法人大阪21世紀協会(現・公益社団法人関西・大阪21世紀協会)のロゴのようです。
電池の型番は“SUM-3(SG)[T](○印の中にT)”、JISマークの表記は“C8501 M.D.B/R6”となっているので日立マクセル(現・マクセル)製であると推測されます。
社名表記は“日立家電販売株式会社”となっています。
注意書きは電池下部に記載されており、更にその下には日立マーク(亀の子マーク)付きの古い“HITACHI”ロゴも見られます。なお、注意書きの全文は以下の通り。少なめです。
<ご注意>この電池は充電式ではありません。 ●充電すると「液もれ」「はそん」のおそれがあります。 ●(+)(-)を正しく入れないとはれつのきけんがあります。 |
プラス・マイナス側です。プラス、マイナス共に絶縁リングの色は「黒」となっています。製造日は“83-11”となっていて、1983年11月製造の電池です。大阪築城400年まつりは1983年11月30日まで開催でしたよね?それで11月製造では遅いように感じるような…。イベント合わせならもっと前生産なのではと思いますが、イベント終了後も発売が続行していたのかも知れませんね。
日立マクセルは過去に「ピクチャー乾電池」として絵をプリントした電池を売り出したことがあり、この電池に描かれている絵の美しさはこの電池があったこそなせた技でしょう。今このプリント技術を使った萌え電池が作れれば最高や!と思うのですが、現在マクセルは乾電池の製造から撤退しており残念と言うほかありません。
【史】今日も電池の話から。 日立ブランドのゴールド乾電池の外装に様々なデザインを施したピクチャー乾電池。 当時としてはユニークな発想でした。 写真は地方色の強い祭りモデルですが、怪獣シリーズなど人気を博したモデルもあったそうです。 pic.twitter.com/7hKLvxBSu0
— マクセル – Within, the Future💙 (@maxellJP) March 20, 2013