富士電気化学(現・FDK)が発売していた“Fujitsu”ブランドの2000シリーズ(赤マンガン)の単3(2300)。以前、このブログで“富士通”ブランドの2300を紹介したことがあるが、この電池は“富士通”から“Fujitsu”へロゴを変更した最初のマンガン電池であったことを記憶している。
これはハドソンより発売していたPCエンジン用のバックアップユニット『天の声2』に付属していた電池。付属用なので、シュリンクにバーコードラベルなどは無い。
さて、この電池。1枚目の写真からも感じ取れるとは思うのですが、凄い勢いで液漏れしていました。これまた1枚目の写真でも見えますが、これは“水銀ゼロ使用”の電池。日本では環境破壊の観念からマンガン電池では1991年にほぼ全ての国内メーカーが水銀無含有化を達成(※) 。初期の水銀ゼロ使用の電池は耐漏液性が無いと言われていますが、やはりそうなのでしょうか?
※:参考文献による。
電池の外観。赤バックの“Fujitsu”ロゴとシルバーバックの“2300”ロゴがツートンで記載されているデザイン。良くも悪くも90年代のマンガン電池らしいハイカラなデザインですね。
ちなみに、現在の富士通のマンガン電池は楕円模様となっていて、ランクやサイズを表している4ケタの数字も健在ですが、下部に小さく書かれているだけになっています。
水銀ゼロ使用でありながらも補償付きの電池で「製造後2年補償」。単3電池なので、書くスペースが無いのか『●この乾電池の液もれ補償内容は、当社の他の補償付乾電池と同じです。』と、思いっきり保証内容の記載が端折られている。
社名は現在のFDKの前身となる“富士電気化学株式会社”。住所は現在と同じだが(浜ゴムビル)、電話番号が現行のフリーダイヤルではなく普通の東京03な電話番号の表記である。
プラス・マイナス側。プラス極の絶縁リングは「赤」。マイナス極の刻印は「91-04」と記載してあるので1991年4月製造の電池であると思われます。表記は物凄く小さく、フラッシュを焚いて撮ったのですが多分見えないと思います。
なお、液漏れは1本から激しく漏れており、もう1本は液漏れの痕跡が少なかったので、片側から漏れた液が伝染して隣の電池にも移ったのではないかと推測します。
【参考文献】
一般社団法人電池工業会
「月刊機関紙「でんち」 平成22年7月1日号」
“電池雑学(69) マンガン電池の高性能化(6)”
電池工業会, 2010年7月, p4