月別アーカイブ: 2013年3月

塩化チオニルリチウム電池(ER電池)

ER今回は“塩化チオニルリチウム電池”を紹介する。この電池は主に電子機器のメモリーバックアップ用途に用いられており、一般の店では売られていない。リチウム系一次電池では最も高い3.6Vの公称電圧を持つ電池である。

日本ではマクセルが「SUPER Lithium」のブランドで、東芝ホームアプライアンス(旧・東芝電池)が「ULTRA LiTHIUM」のブランドで発売している。他にもイスラエルのタディランバッテリーもこの電池を発売しているメーカーとして知られている。

ER2この電池があまり世に出回らないのは理由がある。中の電解液として使用されている塩化チオニルは空気中に触れると人体に有害な塩化水素亜硫酸ガスが発生する。そのため、マクセルでは書類を取り交わさないと発売できない。

電池自体もプラス側は写真の様にガラスシールがなされている特殊形状で写真の電池は単3サイズだが単3の電池ボックスは使えない(だが、最近は単3電池互換サイズも発売されている模様)。

この電池は別名「ER電池」呼ばれるが、これは二酸化マンガンリチウム電池がCR、フッ化黒鉛リチウム電池がBRなのに対し、この塩化チオニルリチウム電池はERだからである。


FDK CAPACITOR

capacitor1今回は電池と似て非なるものを紹介する。外観は一見電池のように見えるが、これはコンデンサ、電気二重層コンデンサというものである。電池とコンデンサのあいの子という感じで、電池よりは蓄電できないが、一般的な電解コンデンサよりは蓄電できるものとなっている。

この電気二重層コンデンサは充電池と比べ寿命が格段に長いため各社が充電池の代替として研究している段階である。

capacitor2裏側。富士電気化学時代の製品。当時から“FDK”ブランドを使っていたんですね。FDKは現在、この電気二重層コンデンサを発展させた「リチウムイオンキャパシタ」を旭化成との合弁会社、旭化成FDKエナジーデバイスを通じて開発・販売している。


FamilyMart EXTRA SUPER アルカリ乾電池 9V

familymart1ファミリーマート”PBのアルカリ乾電池の6P形。半額以下の199円で入手。何で?と思うかもしれませんが、推奨期限を見てみると「03-2013」で今月いっぱいの期限。売れなかったのだろうな…。
モノ自体は日本製でマイナス側に樹脂リングが付いているものなので、パナソニック製のものと思われる。この世代のファミリーマートPBの電池は他にも単1から単4があるが、これも構造がパナソニックのものなので同社製なのだろう。

familymart2裏面を金パナと比較。“この樹脂部品は外さずに…”云々の注意書きも同じことからパナソニックOEMっぽいことが見受けられる。
ちなみにファミリーマートPBの電池はどこも在庫限りのようで、そろそろ生産完了なのかな?

 

 

familymart3パナソニック製の6Pアルカリはマイナス側の推奨期限表示の印刷が同じで、並べてみるとどれがどれだかわからなくなるので電池当てクイズとかしてみると面白いかもw。という訳で、日本製パナOEMのアルカリ6Pを並べてみた。旧・金パナだけ字体がおかしいが、長期保存で印刷が滲んじゃったのかな?

※画像のフォントは遊女様の手書きフォント「ゆな字」を使いました。ありがとー。


マクセル アルカリ乾電池 復刻版

maxellold1昨日のブログでは旧・東洋高砂乾電池のLAMINAの復刻版を紹介したが、復刻版といえば、これ。と言うほど有名なマクセルのアルカリ電池の復刻版を紹介する。

これは昭和38年(1963年)に発売された日本初のアルカリ電池である、「マクセルアルカリ乾電池」のAM2(単2)のデザインを元にした復刻版となっている。アルカリ電池「ダイナミック」の単3と単4、各12本パックと14本パック品におまけ2本として付いてきたものである。

maxellold2裏面はこんな感じ。注意書きが書いてある普通の電池です。中身はアルカリ電池「ダイナミック」と同等品。

電池の「マクセル」というカタカナ字体や、会社名の「日立マクセル株式會社」など、かなり忠実に再現している。

 

 

ちなみにFDKでも法人向けオリジナルアルカリ乾電池の紹介しているページで、サンプルとして復刻版のノーベル乾電池が掲載されているがこれもおまけとして市販してくれないかな…。と思っている今日このごろ。


NEW LAMINA 6F22 9V (復刻版)

LAMINA1一時期、一部の楽器店などで売られていたLAMINAブランドの6Pマンガン電池(推奨期限:01-2009)。LAMINA(ラミナ)は三菱電機の子会社であった東洋高砂乾電池(現・トーカン)のブランドで一般販売はされなかったものの、OEM品として機器の付属品として添付していた。

 

 

LAMINA2今回紹介するものは東洋高砂乾電池が電池事業から撤退した後の製品で、東洋高砂乾電池ではなく、三菱電機ホーム機器が発売していたものである(以下、この電池を復刻版と呼ぶ)。

写真奥が東洋高砂時代のLAMINA(推奨期限:01-2004)。両面同じ印刷で裏面下側に「TOYO TAKASAGO DRY BATTERY CO., LTD. TOKYO」と書いてある。写真手前が復刻版。裏側が全面バーコード表記になっており、側面下側に「MITSUBISHI ELECTRIC HOME APPLIANCE CO., LTD.」と書いてあり、東洋高砂ではなく三菱電機ホーム機器から発売されていたことがわかる。ちなみにバーコードのベンダーは三菱電機(4902901)。

LAMINA3最後に復刻版(左)、東洋高砂時代(右)との比較。東洋高砂時代の方が銀色が多い分、銀ピカな印象を受けるが、復刻版はグレー色が強くあんまりピカピカには感じない。

ちなみに電池は両方共中国製。構造は100円均一ショップで見られる三菱製のマンガン(SUPER HEAVY DUTY)6Pと変わらないように見える(GP製?)。


555 ALKALINE BATTERY

555_1電池マニアの間では知る人ぞ知る“555”ブランドのアルカリ電池。中国の「GUANGZHOU TIGER HEAD BATTERY GROUP」というメーカー製で主力の「555」以外に会社名にもなっているTIGER HEAD(=虎の頭)、虎の顔が印刷されている電池の製造元として知られる。

日本ではあまり見られることがないが、おもちゃの付属品として555の紙巻きマンガン電池が付いていることもあった。

555_2マイナス側の写真。前々回のブログで紹介した「EVER PLUS」のアルカリ電池と同じく、中国製の「◎」刻印となっている。もしかしたら、このメーカーのOEMなのかもしれませんね。

 

 

 

555_3箱買いしたので外箱の写真。単3電池4本組×5パックで20本入りである。ちなみにこの電池、当時一箱300円で購入、1パック60円である。


LAWSON バリューライン マンガン乾電池

valueline1ローソンストア100”のPBブランド「バリューライン」のマンガン乾電池。珍しいPBブランドのマンガン電池で、供給元はFDK、単1から単3までのラインナップで全てインドネシア製である。

 

 

 

valueline2注目なのは単3もインドネシア製であるところ。富士通の黒マンガン(3300)のインドネシア製は液漏れ耐性が強いとされるが、100円ショップなどで売られている富士通の黒マンガンの4本組は中国製となっている。このバリューラインのマンガン電池も富士通の黒マンガンと同じものなのだろうか?

 

 

valueline3単3インドネシア製のマイナス側。インドネシア製の富士通黒マンガンと同じだかは不明。追って報告する。


EVER PLUS アルカリ乾電池

everplus1スーパー“マルエツ”で売られている、ハンファ・ジャパン(現・ハンファQセルズジャパン)の低価格アルカリ電池。普通アルカリ電池の外観は金地もしくは銀地であることが多いが、これは白地に青(水色?)という、なんともアルカリ電池っぽくない外観になっている。写真は単3と単4のみだが、単1~単4までラインナップされているようです。

 

 

everplus2マイナス側の写真。写真のように中国製で「◎」なマイナスのものをよく見るが、どこのOEMなんだろう?


アワーメーターの動作確認(6P電池の使用例)

hourmeter自称、“秋葉原のスーパージャンク”日米商事で昨日買った中古のアワーメーターの動作確認をしている所です。アワーメーターはAC/DC24V動作のものだったので、6P電池3つ直列(9Vx3=27V)で動作確認。27Vなので正確な時間は出ていないだろうが、動作の確認ならOKでしょう。6P電池は写真のように接続すれば簡易的な積層電池になるので便利ですね。

 

今回買ったアワーメーターは時間が進んでいる中古で抜き取り品だと思われるのだが、ドイツ製で何の機械から抜き取ったのかが気になる所。


初音ミク乾電池 LR6(4S)MIKU

miku1ファミリーマート初音ミクウィンターフェアで限定発売された初音ミクのアルカリ電池。もちろん著作元であるクリプトン・フューチャー・メディア公認で電池のイラストはiXima(イクシマ)氏が担当している。

 

 

 

miku2発売元はアニメイトグループの一社であるムービック、製造元はFDKである。日本製で認定番号もあるので、FDKエナジー製と思われる。問い合わせ先は住所も浜ゴムビルでFDKのものと同じ。自分が購入したのは安売り350円だったが、定価は500円。いくらFDKエナジーの日本製でも買うのがためらわれる金額です。

 

 

miku3商品名は初音ミク乾電池なのに、イラストを見るとミクだけではなく、鏡音リン・レンもいるので正確にはボーカロイド電池もしくはボカロ電池というべきだろうか。バーコードのベンダーが気になったので調べてみると、ムービック(4961524)のものでした。

以前紹介した萌え電池はインドネシア製で液漏れにも不安を感じますが、FDKの日本製なら、液漏れ耐性も強いので保存・おみやげには最適ですね。