MALLORY NEO SUPER 単3形乾電池 SUM-3(NS)

今回はかつて“デュラセル・バッテリー・ジャパン”が展開していたマロリーブランドのマンガン電池を紹介します。マロリー(MALLORY)はデュラセル社の前身である企業であり、同社と提携して発売した、ナショナル(現・パナソニック)初のアルカリ電池のブランド名としても知られています。
アルカリ電池のブランドである“デュラセル(DURACELL)”が登場した後も、マンガン電池のブランドとしてマロリーは健在でした。

この電池は黒マンガン電池に当たる“NEO SUPER”というブランドで、赤マンガン電池に当たる“SUPER”というブランドの電池も存在しました。なお、当時放送されていたアルカリ電池“デュラセル”のCM内で比較元として赤マンガンの“SUPER”が写り込んでいます。赤マンガンとアルカリを比較するという物凄い映像なのですがw。


電池の注意書き部分です。今回入手した2本は年代が異なるもので、写真上が2年の液漏れ補償付きのもの(旧版)写真下が液漏れ補償から使用推奨期限の表示に変わったバージョン[水銀0(ゼロ)使用]となっています(新版)。まず、両者型番がことなっています。カッコ書きの“SUM-3(NS)”の型番は同じものの、旧版が“R6P/NS・1.5V”となっているのに対して、新版が“R6PU・1.5V”となっています。
そして、もう一つの点は発売元である“デュラセル・バッテリー・ジャパン株式会社”の所在地が異なる点です。旧版では“東京都港区赤坂1-11-41 第一興和ビル”となっています。これはかつての“三洋デュラセル株式会社 営業本部”と同じ住所です。三洋デュラセルは三洋エクセルと名を変えますが、営業機能のみがデュラセル・バッテリー・ジャパンに譲渡されたのでしょうか…。複雑な事情が絡んでいそうですね。
一方、新版では“東京都台東区蔵前2-6-4 マスダヤビル8F”となっています。これはデュラセル・バッテリー・ジャパンの閉鎖登記簿を見たときと同じ住所であり、平成9年8月の会社解散までこの所在地だったようです。
注意書きは両者同じもので、全文は以下の通りです。

(ご注意)●この電池は充電式ではありません。充電
すると液もれ、破損することがあります。●はれつ、液も
れのおそれがありますので(+)(-)は正しく入れること。

ちなみに生産国は旧版・新版ともに“MADE IN INDONESIA”のインドネシア製となっていました。この電池が製造された1980年末~1990年代初頭と言えばまだまだ日本製のマンガン電池も多かったはずです。その中での海外産は珍しい存在だったのではないでしょうか。

最後にプラス・マイナス極の拡大です。プラス極の絶縁リングの色は「」となっていました。旧版は「89-04」で1989年4月製造の電池、新版は「03-96」で1996年3月の使用推奨期限、2年期限の1994年3月製造の電池であると推測されます。
この表記を見るとわかりますが、[年 – 月]の表記となっているのが製造年月[月 – 年]の表記となっているのが使用推奨期限です。少なくとも国内メーカーの電池であれば本体表記が無くてもこの法則で製造年月の表記であるか、使用推奨期限の表記であるかの見分けができますよ。

★関連記事
SANYO MALLORY SUPER SUM-2(S)
→こちらは当電池の前身に当たる、三洋デュラセルが展開していたサンヨーとマロリーのダブルブランドによるマンガン電池を紹介した記事。当電池と同じように黒マンガンの“NEO SUPER”と赤マンガンの“SUPER”があり、記事では赤マンガン(SUPER)の単2を紹介している。


MALLORY NEO SUPER 単3形乾電池 SUM-3(NS)」への2件のフィードバック

  1. yohibusi

    この電池の006P形を持っていますけど、9V形があったということはフルラインナップだったのでしょうね。単3などとは違いT-S表示の日本製でしたが。

    返信
    1. みはりん 投稿作成者

      デュラセルというとアルカリ電池に力を入れている印象がありますけどね。デュラセル・バッテリー・ジャパンが三洋デュラセルの営業機能を引き継いだという関係上、全商品揃えなければいけなかったという建前もあったのかもしれません。
      かたや、三洋電機の方の“NEO SUPER”6P形はFDK製だったようです。

      返信

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