VARTA PHOTO special V27PX・MERCURY・5.6V

V27PX_3前回の記事と同じく、今回もドイツの電池メーカーである“VARTA(ファルタ)”の電池を紹介する。前回は一般的なリチウム電池「CR123A」を紹介したが、今回は水銀電池である「V27PX」を紹介する。この電池は一部クラシックカメラに用いられていた水銀電池で、日本メーカーでこの電池を一般発売しているメーカーが存在しておらず、このVARTA製のものを輸入して発売していたようである。
このV27PXは別名“4NR43”・“PX27”と呼ばれ、RM41やNP41という名称であった、“NR43”を4つ接続した構成電池(組電池)である。公称電圧は5.6V。NR系の水銀電池は単セル1.4Vのため、1.4×4で5.6Vとなる。

 

V27PX_1パッケージ。この電池は随分前にカメラ店で売れ残っていたものを購入したと記憶している。下部には「V27PX・MERCURY・5.6V」と書いてあり、水銀電池であることがわかる。

 

 

V27PX_2パッケージ裏。バーコードは「40」から始まるドイツのコードで、ベンダーは“VARTA Consumer Batteries GmbH & Co. KGaA(4008496)”となっていた。現在、同社は“VARTA”ブランドの乾電池を発売するメーカーで、“Rayovac”ブランドの電池を発売するSpectrum Brandsの関連会社のようである()

 

※:VARTAのホームページ上には、
VARTA Consumer Batteries GmbH & CO. KGaA
– a company of the Spectrum Brands Inc., USA
と記載され、同社のホームページ右下においてもSpectrum Brandsへのリンクがある。

V27PX_4注意書き部分。
上2行がドイツ語
Nicht ins Feuer werfen!(火の中に捨てないで!)
Nicht wiederaufladbar!(充電しないで!)”
3行目が英語
May explode in fire! Not rechargeable!
4行目がフランス語
Ne pas jeter au feu! Non rechargeable!
前回の記事で紹介したリチウム電池と同じく、3カ国の注意書きが書かれていました。
水銀電池特有の特徴である、突起側がマイナス極で平たい側がプラス極(一般の乾電池とは逆)であることに注目。

電池には『MADE IN WEST GERMANY』と書いてあり、なんと旧・西ドイツ製です。ベルリンの壁が崩壊して旧・西ドイツと旧・東ドイツが統一したのは1990年なので、それ以前に作られた電池なのではないでしょうか。

V27PX_5前回紹介した“VARTA”ブランドのCR123Aと比較。CR123Aと比較するとV27PXの方が相当小さい電池であることがわかるだろう。

 

 

 
・追記(2014/1/25)
VARTACQ出版社別冊トランジスタ技術 ハードウェア・デザイン・シリーズ 電池活用ハンドブック(1992年初版)』に掲載されたVARTAの広告。CQ出版のトランジスタ技術関係の書籍は初版のみムック扱いになり、広告が掲載され、重版以降は書籍扱いとなり、広告が掲載されなくなることが多いが、この本も初版は各電池メーカーの広告が掲載されていた。
この広告においても“ファルタ”と掲載されていることがわかる。写真には自動車用のバッテリーも見えるが、かつて高級車であるベンツの純正バッテリーとして同社製のバッテリーを採用、自分がこのメーカーの名を初めて知ったのはバッテリーを見てのことだった。


VARTA PHOTO special V27PX・MERCURY・5.6V」への3件のフィードバック

  1. kazurou

    ファルタのバッテリー、
    新車で車を買ったらファルタが搭載されていたんです、
    それで「MADE IN EU」となり、EU製、どこ国で生産したのか表記しすらしてない。
    EUって言ってもヨーロッパの国が全部入ってしまう。
    そうなるとロシアもそうなるし、ポーランド、フランス、スペイン・ポルトガル・トルコもそうなる、
    少し前はフランス製と表記されていたのに、EU製と表記する理由が不明。

    まさかヨーロッパでも新興国で生産しているのかと疑う。
    バッテリ性能はまだ1年たたないのでよく解らないが、
    普通パナソニックのカオスとか、価格の安さと性能の高さがウリの韓国アトラス、コーナンで売られるデルコア(韓国)ですら点検窓がついているのに純正ファルタはついていない、しかもシールドなので比重計で測定も無理。
    メンテナンスフリーだけど、外から状態が見えないので突然死が怖いバッテリーでもあります。

    さて、乾電池ではD~N、006Pまであるようですね、
    日本で例えたらパナソニックか?
    パナソニックもカーバッテリーでスタンダードから高級バッテリーまでがある。
    大手電池メーカーで乾電池もバッテリも同じブランドで売るのはパナだけ。

    返信
    1. みはりん 投稿作成者

      EU製と言えば、GSメルコテックが販売していたニカド電池がフランス・サフト社製の「MADE IN EU」表記だった物がありますよ。
      http://miharin.moo.jp/blog/recharge/image/066.jpg
      今でもサフト社が販売している塩化チオニルリチウム電池はEU製なんじゃないかな?

      クルマ用バッテリーの点検窓って色が変わるインジケータのこと??
      あれは1セルの比重しか見れないのであまりアテにしてないなぁ…。
      付いていないよりはマシなのかもしれないですけどね。

      返信
  2. kazurou

    ついてないよりましだけど急激に1セルだけ劣化して、あとのセルが新品並に元気っていうことはほとんどないから、だからある程度の参考程度にとどめるのが賢いでしょう。
    あのインジケーターがなくシールドで比重が測れないとなると電圧で判断するしかなくなるからね、
    パナソニックなんか一応高級バッテリのカオスやシビスはインジケーターついてるんですが、
    ライフウインクという寿命診断機をオプションで備えていますね。

    たぶん、ファルタは参考程度のインジケーターなんて無駄だと考えたのでしょう、
    一方パナソニックはライフウインクは一度使ってバッテリが交換になるとライフウインクも使い捨てになる、
    これもある意味、無駄じゃないかと思ってしまう。

    返信

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