月別アーカイブ: 2019年3月

FDK LR44 アルカリボタン電池 1.5V LR44C(B)FSG

一部100円均一ショップで見られる“Fujitsu”ならぬ“FDK”ブランドのアルカリボタン電池です。以前も当ブログで紹介したことのあるこの電池ですが、パッケージがプチリニューアルしていました。
薄紫色なデザインは前パッケージのものと同じですが、「FDK」のロゴがゴシック体のものから社名ロゴと同じものに変更されている他、左下には“水銀0(ゼロ)使用”の表記が追加されていることがわかります。

では、もうちょっと旧パッケージと比較してみましょう。左が旧パッケージです。旧パッケージでは用途が型番下に記載されているのですが、これは裏面に移動しています。また、「アルカリボタン電池1.5V」の記載は旧デザインではハンガー右上でわかりにくい位置、しかも薄紫色では見えにくい白文字でしたが、こちらが型番下に移動してどういった種類の電池であるかがわかりやすくなっています。

次はパッケージ裏です。こちらも左が旧パッケージ。ここで目に付くのが型番です。旧パッケージでは“LR44C(B)”という型番になっているのに対し、新パッケージでは“LR44C(B)FSG”に変更されています。しかし、バーコードは新・旧共に全く同じ物であり、同じ商品として扱われているようです。
社名表記は“FDK株式会社”。旧パッケージでは住所も記載されていますが、新パッケージではフリーダイヤルのみです。

電池のプラス極側です。左側が旧パッケージで水銀ゼロ使用では無いとされている方ですが、その明記も無く両者とも「FDK LR44」と刻印されているのみです。
どちらも“MADE IN CHINA”となっていて中国製です。かつては自社製と思われる日本製だったのですが、現在は100円均一向け“FDK”ブランド、一般市販向け“Fujitsu”ブランド共にアルカリボタン電池は中国製となっているようです。

マイナス極側です。刻印同様に両者、ガスケットの色も同じなので同じ製造元なのでしょう。
なお、旧パッケージの印字が“85”の2018年5月製?で新パッケージの印字が“8Y”の2018年11月製?と推測できます、ただし、使用推奨期限は前者が「07-2020」で後者が「12-2020」なので2年期限と仮定しても印字とは一致していません。

 

★関連記事
FDK リチウム電池 CR2032 / アルカリボタン電池 LR44
→当電池の旧デザインパッケージをCR2032も交えて紹介した記事。この頃のLR44はFDKブランドだけが中国製だったようです。

FDK アルカリボタン電池/リチウム電池
→初めて本ブログでFDKブランドのアルカリボタン電池とリチウムコイン電池を紹介した記事。当時のFujitsuブランドのパッケージを比較しての紹介。この頃のアルカリボタン電池はブランド関係なく日本製だった。


アルカリ乾電池 ALKALINE 単3形/単4形 LR6(R) / LR03(R) その2

現在100円均一ショップやディスカウントストアなど、多くの店舗で見られる“三菱電機ホーム機器”のアルカリ電池です。何度と無く当ブログでも紹介したことのある息の長い電池ですが、その影で韓国製日本製中国製(現行)と製造国が度々変更されています。
金色をベースとした赤いデザインが特徴的で、誤挿入防止を兼ねているとみられるマイナス側の赤い帯も印象的でお馴染みのものと言えますよね。


パッケージです。電池には社名表記以外に三菱のマークは見られませんが、バーコードラベルのみに“200px-Mitsubishi_logoMITSUBISHI ELECTRIC”のロゴが見られます。かつてのパッケージでは商品名アルカリ乾電池』と形名(単3形・単4形)型番(LR6R/4S・LR03R/4S)が表記してあるタイプですが、現行のパッケージでは『長持ち!! アルカリ乾電池』とキャッチコピーを兼ねた商品名に変わっていました。使用推奨期限「11-2023」の単3と「10-2023」の単4が旧タイプで、「01-2024」の単3と「12-2023」の単4が新タイプとなっていましたので2018年12月製造ロットより『長持ち!!』になった可能性が高いと思われます。
バーコードは旧タイプ、新タイプ共に同じもの、バーコードの事業者名は“三菱電機(4902901)”となっていました。

ご覧の通り、お馴染みのデザインです。以前本ブログで紹介したダイソー専売の三菱アルカリ電池と比べるとあちらはシルバーなので、ゴールドな当電池は随分対象的に見えますよね。
社名表記は“200px-Mitsubishi_logo三菱電機ホーム機器株式会社”。電池本体に三菱電機のロゴは見られませんので、この電池の三菱分はここだけです。生産国は“MADE IN CHINA”で中国製

 

プラス・マイナス側です。絶縁リングは無いタイプとなっていました。使用推奨期限は単3が「01-2024」、単4が「12-2023」となっています。時期的に5年期限のそれぞれ、2019年1月と2018年12月製造の電池と推測されます。
かつてこの電池は使用推奨期限4年という他の電池では見られないものだったのですが、いつの日か5年期限に延長されたようであります。

外装ラベルを剥がしてみました。三菱系中国製アルカリ電池でお馴染み?のアルファベット1文字から始まる8ケタのロット番号が印字されています。単3はくっきりとした印字でラベル側の転写も無かったのですが、単4は何故か印字が薄く、ラベル側にも文字が転写されていました。
単3には“C0812811”の印字が、単4には“A2310802”の印字が記載されていました。

最後にこの電池は絶縁リングが無いので、マイナス極の拡大です。マイナス極のガス抜き穴は一般的な2つ穴タイプ。また、マイナス極・底板の中心に小さい丸印が見えます。

 

 

★関連記事
アルカリ乾電池 ALKALINE LR6(R)/LR03(R)
→本ブログで初めて当電池を紹介した記事。この頃はまだロケット電気のものと思われる韓国製で、使用推奨期限は4年だった。

アルカリ乾電池 ALKALINE LR6(R)
→当電池の単3が日本製から中国製に変わったことを報じた記事。韓国製、日本製、中国製の印字なども比較しています。


[マツダ] Toshiba 東芝乾電池 UM-3 1.5V

今回はかなりレトロな「マツダ」ブランドを冠した東芝の単3マンガン電池を紹介します。“マツダ乾電池”と言えば東京芝浦電気の過度経済力集中排除法適用で工場分割の憂き目に合い(※)、一旦マツダブランドの電池が消えるものの岡田乾電池との販売提携により同社製の“マツダ乾電池”が再び発売されるという紆余曲折の歴史は有名な話であります。
今回紹介する電池は「マツダ」ブランドを冠するものの比較的後期の電池となります。

※:この工場分割で生まれたのが、現在の大手電池メーカーFDKである。東京電気化学工業として創業された。当初は旧マツダの“ノーベル乾電池”として売られたという。

この電池は1957年経営不振に陥った岡田乾電池の事業を引き継ぎ、東京芝浦電気が経営参加した“日本レイ・オ・バック乾電池”の頃に発売したもので、「東芝電池三十年史」では『新意匠の東芝乾電池』として紹介されています。
左の写真は1958年4月号の“東芝レビュー”に紹介されている当電池の詳細で、記事には『灯火用のほか、フラッシュガンや小形のトランジスタラジオ用として最近非常に需要が増加しつつある。』とありました。
更に後期のものは同じデザインでマツダマークが無い、東芝傘マークのみな“東芝乾電池”も存在したようであります。

電池の外観です。正面の模様が何となくロケットのように見える独特のデザインでレトロフューチャーを感じさせ、なんともステキですよね。マツダマークが見えるもののあくまで“東芝乾電池”であり、“マツダ乾電池”ではありません。
社名表記は“東京芝浦電気株式会社”で定価25円。東芝電池三十年史によるとこの電池が発売された昭和32年は白米(10kg)が870円であり、電池が高価であったことが伺えます。


よく見てみると、今回入手した電池の中に一つだけ“東京芝浦電気株式会社”の「気」の字が「」と古い漢字になっているバージョンが混在していました。恐らくこちらが古い(最初期?)のものであると推測されます。
価格表示も異なっており、東京芝浦電気バージョンでは“80Y8”というロット番号かな?と共に「定価25」となっていて、東京芝浦電氣バージョンでは単純に「定価25」と書いてあるのみになっていました。その代り電池本体には謎の印字らしき表示が見られましたが、判読は不可能でありました。
最後にプラス・マイナス側です。プラス極は灰色の樹脂…、と言うかアスファルトかもで封口されています。マイナス極は亜鉛缶むき出しで、写真右に見える東京芝浦電氣バージョンは液漏れが特に酷い状態です。
外装は紙巻に透明なチューブで覆われているというようなもので、金属外装の単3マンガン電池が登場する前はよく見られたものです。

【参考(引用)文献】
東京芝浦電気株式会社
“14.4.2 乾電池”
『東芝レビュー』1958年4月号, P456-457

東芝電池株式会社
『東芝電池三十年史』1985年