1980年代頃に発売されていた日立マクセル(現・マクセル)のマンガン電池です。これは黒マンガンに当たる“Super POWER ACE(スーパー・パワーエース)”というブランドの電池で、赤マンガンは“POWER ACE(パワーエース)”というブランドでした。
プラス側にある“★”印の数が多いほどランク(性能)が高い電池であることを表しており、このSuper POWER ACEは★×5、POWER ACEは★×3となっています。
注意書き部分です。電池は1980年頃から主流となった“液漏れ補償”付きのマンガン電池です。この電池は底面表示の製造年月から2年間となっています。一般的に単1と単2が3年補償、単3と単4が2年補償であるケースが多かったようです。
電池の送り先は“日立マクセル株式会社”となっており、住所は茨木市丑寅の旧本店(大阪事業所)のものになっています。JIS表記はありますが認定番号などの記載はありません(恐らく自社製でしょう)。
注意書きの文面は以下の通り。注意書きの文面は少なめで、逆に補償条件の文面の方が多くなっています。注意書きの方はひらがな多めですね。
<ご注意> この電池は充電式ではありません。 ●充電するとえきもれ、はそんのおそれがあります。 ●(+)(-)を正しく入れないと、はれつのきけんがあります。 ●アルカリ乾電池などとまぜて使わないこと。 |
補償 | 期間:製造年月より2年間●製造年月は底面に表示 |
この電池の液もれにより使用器具を損傷させた場合、 使われた電池と一緒に下記へお送りください。お客様が充電 したり、(+)(-)を逆に入れた場合を除き器具を修理または交換 いたします。 〒567 茨木市丑寅1-1-88 日立マクセル株式会社 |
プラス・マイナス側です。プラス極の絶縁リングの色は「黒」。底面の刻印は写真では見えにくいですが「90-09」となっており、1990年9月製造の電池となっています。
これまでのマクセル乾電池はどちらかというと日立におんぶに抱っこ状態でした。つまり、日立ブランドの電池を主軸に置いた戦略でmaxellブランドの電池はあまりアピールしないという戦略を取っていました。また、電池の型番や“デラックスゴールド”、“スーパーゴールド”などのブランド名もまた日立と共有していたのです。この頃は日立の販売店が多く、今ほど家電量販店やディスカウントショップなどが無かったことも理由だったのかもしれませんが…。
しかし、この“Super POWER ACE”発売頃から方針を大きく転換、大々的な広告戦略を打ち出すことでmaxellブランドの乾電池をアピールしました。この頃からマクセルの電池がようやく有名になり始めてきます。ここからブランドも日立と差別化を図り初めました。この頃のコマーシャルではアニソン3大テノールとして名高い水木一郎氏を起用、“マクセル君”というオリジナルキャラも生み出します。