本ブログで久しぶりとなる解体シリーズは、ソニーのビデオカメラで用いられていた4種類のバッテリーパックを片っ端から解体してみました。ソニー純正のバッテリーばっかりを解体しても面白く無いので、ソニー以外の互換バッテリーを主に選んでみました。
●SANYO CADNICA NP-77H Battery Pack
まずは珍しい三洋電機のカドニカブランドであるバッテリーパック。型番はソニーと同様の“NP-77H”で形状もソニー純正品と同様で互換品ではない様子。仕様は6V 2400mAhでもちろん日本製。
ちなみに、ソニーのベータムービーなどに用いられていた“NP-1”というバッテリーは元々は三洋電機が開発した経緯があるようで、このソニー系ニカド電池の開発も三洋電機が関わっていたのかもしれません。
中身はこんな感じです。赤い胴体のニカド電池が入っていました。このバッテリーパックは6Vですから、1.2×5で6Vになり、5本づつが並列に接続されています。
なお、このニカド電池は“4/5Aサイズ”と呼ばれるサイズです。
ニカド電池部分の拡大。液漏れは見られませんが、写真真中に見える電池が膨らんでいるように見え、電池が劣化していると思われます。
写真を撮るのを失敗してボケてしまい、見えにくいかもしれませんがマイナス極に『S』の刻印が見えます。多分、SANYOのSかな??
組電池を分解してみるとサーキットブレーカーもしくは電流ヒューズがセットされていました。ただし、以前本ブログで解体したことのあるニッケル水素電池を用いたタイプとは違い、温度ヒューズは搭載されていませんでした。
●FUJIX BATTERY PACK NP-77H
次は富士フイルムのビデオカメラなどで展開していたブランド“FUJIX”のバッテリーパックです。型番や仕様は前に紹介した三洋電機のものと全く同じで、生産国も日本です。
こちらは黄色い胴体のニカド電池が入っていました。こちらも5本づつのニカド電池が並列で接続されている点は同じです。
ニカド電池部分の拡大。こちらは液漏れして粉を吹いていました。これはいかにも使えそうにない印象を受けます。
●LPL NP-77SP BATTERY PACK
これまではソニーと同形状のバッテリーパックを分解してきましたが、これはカメラ用品メーカー“LPL”が発売していた、ソニー非純正の互換バッテリーパックです。
形状や端子は互換品らしく、ソニー純正品とは全く異なる構造。現在のように互換品だからと言って中国製や韓国製などではなく、ちゃんと日本製なのは凄いところです。なお、仕様は6V 2200mAhで前に紹介したNP-77Hと比較すると容量が若干少ない。
中身。黄色い胴体のニカド電池ですが、前に紹介したFUJIXブランドのものと比べてみると黄色が濃いのが特徴です。
ニカド電池部分の拡大。冒頭で紹介した三洋電機のNP-77Hの中に入っていたニカド電池と同様、マイナス極には『S』の刻印が見えます。もし、これが三洋電機製のニカド電池なら、互換品でも最終的には三洋電機が儲かっていたことになりますよね。
ちなみに電池自体には液漏れや膨らみは見られず、全く綺麗ですが、電池自体は劣化しているものです。
●SONY NP-65 BATTERY PACK
最後はソニー純正のNP-65というバッテリーパックです。このバッテリーの初期版は日本製でしたが、後期はインドネシア製になってしまいます。気になったので解体してみました。
なお、このバッテリーはこれまで紹介してきた3つの中で一番新しいもので、ソニーの純正マークも付いています。
仕様は6V 1500mAh。これは低容量(標準)タイプのバッテリーパックでこれまで紹介したバッテリーよりも厚みが薄いのが特徴となっています。
中身。黒い胴体のニカド電池が入っていました。こちらは単純に4/5Aサイズのセルを5個直列にしたのみの構造になっています。その為、容量が低く、厚みも薄くなっています。
ニカド電池部分の拡大。こちらは表立った特徴は無く、マイナス極にも刻印などが無いため、どこが製造しているのか推測することも出来ません。こちらも液漏れや膨らみは見られませんでしたが、電池自体は劣化していました。
さて、今回は4つのバッテリーパックを一気に解体してみましたが、いかがでしたでしょうか?解体して期待したのが“Panasonic”だとか “SANYO”とかのロゴが書いてある電池が出てくることだったのですが、やはり無地の電池ばっかりが出てきてどうも期待はずれだったような気がします。
因みに私が今日入手したバッテリーは1つを除いてNP-77系列でした(一つだけNP-90)
一応全部使えたものの、一つだけ劣化が激しかったような・・・
秋葉原で4/5Aは入手できるのは確認しましたが、コスト的にはバッテリーが1個買えてしまう値段になってしまいますね・・・
確かに4/5Aサイズのニカド電池やニッケル水素電池を組み替えることを考えると、高価になってしまいますね。ということを考えるとやはり、NP-L90Dのジャンクを入手してきて18650を4個組み替えたほうが良いのかもしれません。リチウムイオン電池だとメモリ効果の心配もないですし。
液漏れを起こしていない場合、平角3号あたりの電池でニカドの目覚まし(正式名称不明…)を行った後充放電を繰り返すと復活する個体があります。昔の機器はニカドでの使用を前提としているのでニッケル水素に換装しただけで誤作動を起こすものもあるようです。恐らく放電の特性が影響しているものと思われます。
充放電の繰り返しでの復活・・・
そういえばVL-EL320用のニッケル水素電池の説明に初回使用時または6年以上経過後の場合は通常の倍の充電や使いきりを繰り返すよう書いてありました・・・
実際今回購入したNP-シリーズ達も売却から数年たっているものが多いので、購入後最初の充電ではあまり持たなかったようです。
充放電での復活は、かついれと呼んでいました
カドニウムの結晶が内部で成長して短絡状態になっている物を
短時間の電圧印加により、取り除く方法らしいです。