お久しぶりです。 今回は上海製乾電池そのものの話ではあるが, 長文なので少々失礼します……
1. 1970~80年代の上海製乾電池の銘文は大陸地域内仕様が 「中國 上海」,輸出仕様は「中華人民共和國製造」に それぞれ統一されましたので,管理人さん所持の個体は 大陸地域内仕様で間違いないはずです。
2. 現在の「上海白象天鵝電池有限公司」の四つの主な源流工場は それぞれ匯明電池廠(「大無畏」印で知られた。1925年創業)・ 華明電池廠(「白象」印の生誕地。1931年創業)・工商電器廠 (「天鵝」印の大元。1936年創業)・上海電池廠(1939年, 既に日本軍に陥落された上海にかの松下電池の工場として開設; 45年中国の戦勝に伴い国民軍が没収し,49年共産党政府が再び接収) で,56年に(既に地方公営だった)上海以外の全電池業者が 地方公営化され,64年には匯明の懐中電灯ラインが分離し 電池ラインを華明と統合して(つまり華明消滅,匯明が「白象」印を 引き継ぐ),71年に工商が乾電池ラインを上海に譲渡し 洗剤に転向した後,90年に上海と匯明が対等合併し現在の模様に なりました。
3. 白象天鵝は1921年を公式の創業年としているが,これは 1950年代にいずれかの主な源流工場(詳細不明)に吸収合併された 同業者の中では最古の中國電池廠の創業年です。
4. 1990年の対等合併以降,新生上海電池廠は大陸地域内仕様の製品を 「白象」印に統合してから「天鵝」印は輸出専門のブランドに 降格した様です。「大無畏」印は近年,電子錠専用アルカリ乾電池の 銘柄として復活しました。
5. 上海は1985年に松下電池工業から金属外装ペーパーセパレータ R20Sマンガンラインを,匯明は86年にFDKからLR6アルカリ ラインをそれぞれ導入していたことがあります。
6. 「雙鹿」印の製造元として高名な現「中銀(寧波)電池有限公司」 (当時「寧波電池廠」)は一時期,輸出仕様の「天鵝」「白象」 製品のOEM下請けだったことがあります。
2以降の情報のソースは上海市役所側が1990年代に編集・構築した 地方史データベースで,信憑性バッチリであります。 |