コダックのディスクカメラを分解

disccamera1ハードオフでジャンク100円で売っていたコダックのディスクカメラです。ディスクカメラとはその名の通り、円盤状のネガフィルムを用いた銀塩カメラであり、発売当時は注目されたようだが小ささ故の画質の悪さやコダック以外の他社があまり参入しなかったため普及せずに終わった、いわゆる黒歴史の一つである。専用ディスクフィルムはとっくに生産終了、現像も2000年に終了しているので、仮にフィルムを入手できても今では何もできない。

 

disccamera2それでは、なぜこんな役立たずなカメラを購入したのかというと、今回購入したディスクカメラの初代機「KODAK disc 4000」にはフィルム回転用のモーター駆動、フラッシュ発光用のリチウム電池を内蔵している。要は中を分解して電池を見てみよう、という訳です。ちなみに電池はメンテナンスフリー、5年でメーカー交換する仕様になっていたようで今ではありえませんね。

左の写真は松下電池工業(当時)の1982年「電池総合カタログ」でこのカタログには『カメラの改革といわれるディスクカメラの専用電源にも採用される等、急速な成長期を迎えています。』と書かれています(写真クリックで拡大出来ます)。この頃は世界で初めて松下電池工業(現・パナソニックAIS社)がフッ化黒鉛リチウム電池(BR電池)を商品化した頃でまだ現在一般的な二酸化マンガンリチウム電池(CR電池)は商品化されていない頃です。

disccamera3カメラの裏側。左側がディスクフィルム入れるためのフタになっている。

 

 

 

disccamera4上のレバーを持ち上げるとカバーが開きます。見てくれはCD-ROMとかのドライブみたいですね。

 

 

 

disccamera5しかし、このカメラ、どこにもネジのたぐいや隙間が無く、分解できる痕跡が見られない。しばらく弄っていると、どう考えても前面の銀色の部分しか開ける場所が見られないのでその部分をマイナスドライバーでこじ開けたら意外に簡単に開きました。ただ、開けるときに爪が折れてしまったけどね。

 

disccamera6分解してみたところ。下部のモーターなど、意外にメカメカしいですね。左下の黄色い胴体2個がリチウム電池で、上の黒い胴体がフラッシュ発光用のコンデンサです。基板上には「DO NOT DISASSEMBLE DANGER HI VOLTAGE」と書いてあります。要約すると『分解するな!危険!高電圧』って所でしょうか。確かにコンデンサがチャージされていたら感電が怖いですね。まぁ、既に分解してますし、自分は悪い例ということで。

disccamera7ようやくメインのリチウム電池です。本体には「LITHIUM BATTERY 3VOLTS P/N227322」と書かれており、下には「MATSUSHITA ELECTRIC JAPAN」と書かれているので、上記のカタログの通り松下電池工業製のようですね。3Vの電池が2個で6V構成になっています。どこにも「National」などのブランド表記は見られず、ディスクカメラ用に供給しているOEM品でしょうか。

 

disccamera8最後は電圧測定。開放電圧6.13Vでちょっと電圧低下気味か?それでもこの電圧を保っているのは凄いですね。

ネット上で検索してもディスクカメラの分解記事はなかったので、今回は趣向を変え、中のリチウム電池見たさで分解してみたがいかがだっただろうか。


コダックのディスクカメラを分解」への2件のフィードバック

  1. 和郎

    フラッシュ用コンデンサーはルビコン、電池は松下電池工業、
    日本企業まみれ。
    当時は安くて品質が良かったのでしょう、
    今でも品質はいいが、ほかに安いメーカーがガンガン生産するので目立たなくなった、
    ルリコンとかゆうパチモンだったら笑えたけどここはさすがにコダックという感じかな

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