月別アーカイブ: 2015年4月

日立化成が新神戸電機を吸収合併へ

shinkobe_1日立化成が子会社である、“HITACHI”ブランドや“KOBE”ブランドでカーバッテリーを発売していた蓄電池メーカー“新神戸電機株式会社”を吸収合併することを発表しました。合併予定日は2016年1月1日
新神戸電機は“HITACHI”および自社ブランドである“KOBE”ブランドのバッテリーの他に、ニカド電池“HITANICA(ハイタニカ)”やニッケル水素電池“Cell Ace(セルエース)”を製造・販売していたこともあります。

なお、2013年には新神戸電機の営業・事業企画・研究開発部門を日立化成に移管し、カーバッテリーの製品情報は日立化成のホームページ上に移動されていました。その矢先での合併発表でありましたので、既に感付いていた方もいたのではないでしょうか。
なお、この合併に先駆け、4月1日に新神戸電機は電池工業会より脱退、日立化成が新たに電池工業会に入会しています。

shinkobe_2余談ですが、かつて新神戸電機が販売していたニカド電池“HITANICA(ハイタニカ)”は日立化成工業(現・日立化成)が販売を担当していました(写真の社名表記“Hitachi Chemical Co.,Ltd.”)。
合併後に“HITANICA”の販売が復活するとすれば、やはりこの社名表記に戻るのでしょうかねぇ…。


Camelion(R) Plus Alkaline 1.5V AA

camelionplus_1ここ最近良く見るようになった“Camelion(カメリオン)”というブランドのアルカリ電池です。ホームページではどこの国のメーカーであるかは記載がありませんが、中国のメーカーであるようです。
今回紹介する“Plus Alkaline”はハイエンドモデル“Digi Alkaline”の下位に当たるエントリーモデルのアルカリ電池のようです。
デザインとしては金バックのもので、至って普通のアルカリ電池なデザインです。やはり、エントリーモデルだからなのかな?

camelionplus_2注意書き部分。社名は愚か、原産国表示もありません。形名表記“LR6”、“AM3”までの表記はわかるかもしれませんが、“MIGNON”は欧州で単3電池を指し“MN1500”はデュラセル(旧・マロリー)品番で、“E91”はEnergizer(旧・EVEREADY)品番を指しています。
なお、“0% Mercury & Cadmium”の記載がありますので、水銀やカドミウムは含有されていないようです。

注意書きは英語では“Do not recharge or dispose of in fire(充電や火の中にいれないで下さい)”と記載されており、ほぼ同様の内容でフランス語ドイツ語スペイン語ポルトガル語イタリア語オランダ語ロシア語と実に多彩な注意書きですが、何故か日本語はありません。

camelionplus_3プラス・マイナス側。これと言って変わった特徴はありません。絶縁リングは無いタイプです。なお、使用推奨期限は元々印字されていないのか、使っているうちにインクが落ちてしまったのか不明ですが、印字はありませんでした(この電池はとある電池回収BOXで拾ったものです)。

 

camelionplus_4マイナス極のラベルを剥がしてみると、ガス抜き穴は2つ穴のタイプで極一般的なものでした。

 

 

 

camelionplus_5電池本体のラベルを剥がしてみると「A015 CC02」という上4ケタ、下4ケタのロット番号らしき印字が出現しました。意味不明な記号でこの番号からは製造日は推測出来なさそうですね…。


National Hi-Top SUM-3(D)

SUM-3(D)_1今回も松下電器産業(現・パナソニック)のナショナルブランドによるマンガン電池“Hi-Top(ハイトップ)”を紹介します。
前回紹介したものは“NATIONAL”ロゴの1970年初頭のものでしたが、今回紹介するのは“National”ロゴの1970年後半のものです。ハイトップが登場した当時はマンガン電池に赤だとか黒だとかの概念はありませんでしたが、ネオハイトップが登場し黒マンガンが定着、この頃は既に赤マンガンが認知されている時代であります。

SUM-3(D)_2“National”ロゴのハイトップにはナショナルマーク(Nマーク)の左右に“long life”となっているバージョンもありますが、こちらの電池は既に表記が無くなっているものであり、1991年の“NEO(赤)”まで多少注意書きなどのデザインが変更されるものの、ハイトップは最後までこのデザインを貫きました。まさにロングライフデザイン言えるのではないでしょうか。

 

SUM-3(D)_3注意書き部分。“NATIONAL”ロゴのものには注意書きがありませんでしたが、この電池には注意書きが記載されています。
ご注意 はれつのおそれがあるので
(+)(-)は正しく入れ、充電はしないこと。
アルカリ乾電池などとまぜて使わないこと。
“アルカリ乾電池”という単語が、この頃アルカリ電池が普及し始めた時期であることを物語っていますね。

型番も“UM-3D”から“SUM-3(D)”へ変更、JISマークは記載されていますが、認定番号が省略されているのでどこで製造されているのかは不明であります。また、プラス・マイナスの記号もよりわかりやすいものに変化しています。

SUM-3(D)_4プラス・マイナス側。前回の“NATIONAL”ロゴのものと同様、プラス及びマイナス極両方共に絶縁リングがあり、両方共「」となっています。
マイナス極には「78-01 T」の刻印があり、1978年1月製造の電池であると思われます。

 

SUM-3(D)_5今回は今まで紹介したハイトップの単3電池を並べてみました(年代的に所々抜けがありますが)。
左:NATIONAL Hi-Top」(1969年9月頃製造)
中:National Hi-Top」(1978年1月製造)
右:National Hi-Top[ディズニーバージョン]」(1990年10月製造)

 

 

★関連記事
NATIONAL Hi-Top UM-3D
→本記事の前記事。1969年頃製造と思われる“NATIONAL”ロゴ時代のハイトップ単3を紹介した記事。


NATIONAL Hi-Top UM-3D

UM-3D_1松下電器産業(現・パナソニック)が発売していたマンガン電池である“Hi-Top(ハイトップ)”です。このハイトップは国産初の完全金属外装を実現した“ナショナルハイパー乾電池”の後継として1963年に発売したマンガン電池で同電池の2倍の寿命を実現し、大ヒットとなった電池です。
その後、1991年のマンガン電池無水銀化によりブランド再編が行われ“NEO(赤)”に変わるまで発売されていたロングセラー電池でありました。

 

UM-3D_2初代に当たる“NATIONAL”ロゴのハイトップにはナショナルマーク(Nマーク)の左右が“leak proof”となっている初期バージョンと、“long life”となっている後期バージョンがあります。
こちらの電池は“leak proof”となっていますから、初期バージョンであることがわかります。

 

UM-3D_3注意書き部分。と、言っても年代なのか注意書きの記載はありません。『\35.UM-3D』と価格および型番が表示されているのはこの年代ならではの電池と言える特徴でしょうか。
JISマークの認定番号は“690”となっているので、松下電器(当時)の辻堂工場で製造された電池のようです。この工場は1932年に岡田乾電池より譲り受けた工場で、2012年3月末に閉鎖されています()

UM-3D_4プラス・マイナス側。プラス及びマイナス極両方共に絶縁リングがあり、両方共「」となっています。電池の状態は非常に綺麗で、多少の膨らみがあり、缶の繋ぎ目が若干広がっていますが液もれは全くありませんでした。
マイナス極には「099」の刻印があり、“NATIONAL”から“National”に変わった年代を考慮すると1969年9月製造の電池なのではないかと思うのですが…。

UM-3D_5これは昭和45(1970)年9月当時のナショナル乾電池のラインナップです。本記事で紹介した“UM-3D”も掲載されており、価格も正価35円で一致しています。以前、本ブログで“UM-2”という“D”符号が無いハイトップを取り上げたことがありますが、恐らくは黒マンガン相当に当たるネオハイトップが登場し“N”符号が付けられたのに対し、旧来のハイトップには新たに“D”符号が付けられたのではないかと推測されます。従って、同符号が無いハイトップは最初期ロットなのではと思われます。

 

ちなみにこのカタログには超絶レアな“ナショナルマロリーアルカリ乾電池”の単5(AM5H)が写り込んでいます。当時発売されていた“トランジスタ用特単5(UM-5T)”が正価20円でアルカリが5倍に当たる正価100円ですから、実物は多分自分が生きてるうちに見れるか見れないかの電池じゃないかなぁw。

UM-3D_6ようやく初代“leak proof”表示のハイトップ単1から単3までが揃いました。“D”符号無しの最初期版まで集めるとなると大変そうな感じがしますが…。

 

 

 

【参考文献】
茅ヶ崎市
辻堂駅西口重点整備地区整備計画書【改訂版素案】
平成18年度~平成46年度

茅ヶ崎市, 2014年9月, p43

★関連記事
NATIONAL Hi-Top UM-1D/UM-2
→本記事と同じく“leak proof”表記の初代ハイトップの単1と単2を取り上げた記事。


TOSHIBA リチウム電池 CR2032B / アルカリボタン電池 LR44B 2P

CR2032B_1ヤマダ電機で見つけたいつもとは違うパッケージの東芝のボタン電池です。現在東芝のカタログやホームページ上で見られるのは“省資源エコパッケージを採用”し、型番にはエコを意味すると思われる“EC”符号(以下・ECシリーズ)が付加されていますが(例:CR2032EC)、今回見つけたものはブリスターパッケージが採用され、型番にはそのパッケージが由来と思われる“B”符号(以下・Bシリーズ)が付加されているのが特徴です(例:CR2032B)。

CR2032B_2パッケージ裏。両者とも社名表記は既に“東芝ライフスタイル株式会社”となっています。ヤマダ電機の通販サイトである“ヤマダウェブコム”ではどちらとも発売日が『2015年3月16日』となっており、つい最近発売されたばかりの商品のようです。
なお、バーコードのベンダーも“東芝ライフスタイル(4904530)”となっていました。

 

CR2032B_3リチウムコイン電池ではECシリーズでは日本製(過去はインドネシア製)を採用していますが(写真左)、Bシリーズでは中国製のものになっているのが特徴のようです(写真右)。
この事から、一見このBシリーズはヤマダ電機専売の低価格モデルにも見えます。

 

CR2032B_4マイナス極。この面には「4XP」なるロット番号らしき記載がありますが、何を示しているのかは不明です。このような刻印のリチウムコイン電池は初めて見ました。

 

 

CR2032B_5パッケージ裏をECシリーズ(CR2032EC)とBシリーズ(CR2032B)と比較してみました。ここで注目したのがベルマークの点数です。東芝(電池)は長期に渡りベルマーク運動に参画しているのは電池マニアの方ならご存知だと思いますが、東芝の電池はオープン価格の商品でもベルマークの点数付けのため、価格が便宜上設定されていたりします。目安として「1点=100円」で定義されているようです。

それを踏まえてみると写真左の“CR2032EC”のベルマークは“3点”となっています。ですから実質上の定価は約300円です。一方、写真右の“CR2032B”のベルマークは“2点”となっており、こちらは実質上の定価は約200円です。以上のことから、このBシリーズはヤマダ電機専売かどうかは別にしても低価格モデルであることは間違い無さそうではあります。

CR2032B_6一方、アルカリボタン電池はECシリーズと同じ中国製ですが、BシリーズではECシリーズにはない無水銀になっており“水銀0使用”となっています。これを見ると本当に低価格モデルなのか?と不安になってしまう点なのではありますが。
ちなみにアルカリボタン電池の方にはリチウムコイン電池にあったようなロット番号らしき刻印や印字はありませんでした。


National Hi-Top ディズニーバージョン SUM-3(DDB)

SUM-3(DDB)_11990年初頭頃のナショナル(松下電器産業、現・パナソニック)の乾電池には通常のラインナップに加え、ディズニーバージョンのキャラクター電池が発売されていましたが、その一つであると思われるディズニーバージョンの“National Hi-Top”です。
今回入手したものは単3で、をベースとしたボディでハイトップブランドですから赤マンガンであることがわかります。

 

SUM-3(DDB)_2電池の外観。表は赤をベースとし、上に黄色で“National Hi-Top”のブランド名とその下にはキャラクター(写真ではミニーマウス)がプリントされている。この電池は過去にも見たことがあり、その時はミッキーマウスであった記憶があるので、複数のデザインがあったのかもしれません。
注意書き部分にはディズニーの許諾マークがあり、型番は“SUM-3(DDB)”となっています。

JISマークには“C8501 JAPAN MABI”の表記があるので、松下(パナソニック)自社製の電池であると思われます。また、この時期のハイトップは液もれ補償対象の製品だったはずですが、その記載がありません。過去に三菱電機が発売した“うる星やつら”のキャラクター電池では電池本体に補償内容の記載はありませんが、補償対象の製品であることがパッケージに記載されていました。このハイトップも同じようなものなのかもしれませんね。

SUM-3(DDB)_3マイナス極。写真では見にくいかもしれませんが「90-10 T」の記載があり、1990年10月製造の電池であると思われます。プラス極の絶縁リングは1枚目の写真を見れば分かる通り、「」でこれは通常品のハイトップと同じ特徴なので中身は通常品と同じでしょう。


MITSUBISHI アルカリ乾電池EX LR1(EXD)

LR1(EXD)_1ローソンストア100や一部100円均一ショップで流通している“三菱電機ホーム機器”の単5アルカリ電池・1個入りですが、こちらも三菱電機の新ロゴである『200px-Mitsubishi_logoMITSUBISHI ELECTRIC』に変わっていましたので紹介します。
この単5電池に限っては100円均一ショップでも三菱のアルカリ電池で上位グレードである“POWER アルカリEX”のブランドを使い、前世代モデルに置いても同様でした。ただし、カタログにはない1本入りであり100円均一ショップ専売モデルであると考えられます。

なお、1本入りブリスターパックでの型番は“LR1EXD/1BP”となっており、形名コードは「49J953」となっていました。バーコードのベンダーは三菱電機(4902901)となっています。

LR1(EXD)_2電池の外観。デザインは以前本ブログで紹介した同電池の単3と同様でのツートンに加え、のラインが入っている電池となっています。
名称についても単3と同様でパッケージ上では“POWER アルカリEX”となっていますが、電池上では“アルカリ乾電池EX”の表記となっています。

 

LR1(EXD)_3注意書き部分。日本メーカーの電池ですから、誤字は見られませんが、単5電池にも通常サイズの電池と同じ注意書きが集約されているのでとても文字が細かいものになっています。これはどこのメーカーの単5電池でも同様でありますが。
社名表記は“三菱電機ホーム機器”、原産国は“MADE IN CHINA”で中国製となっています。

 

このシリーズ“アルカリEX”では単1~単4までがFDKエナジー製と見られる日本製ですが、この単5のみはFDKのインドネシア製OEMを使わずに何故か中国製のものになっています。これは前世代モデルのアルカリEXJでもその前のアルカリEXHでも同様でした。

LR1(EXD)_4プラス・マイナス側。写真左は前世代モデルで、こちらの方がプラスのラベルを覆っている範囲が大きいためわかりにくいですが、現行のプラス極と同様に見えます。
使用推奨期限は「02-2017」で時期的に考えると2年期限の2015年2月製造の電池であると思われます。

 

LR1(EXD)_5マイナス極のラベルを剥がしてみたところです。左が現世代の“アルカリEX”右が前世代の“アルカリEXJ”です。両者ともガス抜き穴は2つ穴タイプで同様の構造であるため、製造元は同じであると考えられます。
なお、前世代の“アルカリEXJ”は現在100円均一ショップ“ダイソー”で売られているGPブランドの2本入り単5アルカリ電池“KEEPMAX”とほぼ同様の構造でしたので、中身はGPなのかもしれませんね。

LR1(EXD)_6おまけ。三菱単5アルカリ電池の変遷。左が前々世代に当たる“アルカリEXH”真中が前世代の“アルカリEXJ”右が本記事で紹介した“アルカリEX”。こうしてみるとデザインは全てばらばらで三菱の迷走っぷりがわかりますよね。

 

 

 
そういえば、今日Yahoo!ニュースを見ていたら三菱電機のスリーダイヤマーク(三菱マーク)が30年ぶりに復活したことが取り上げられていました(念のためWeb魚拓にも残しておきました)。何でも1月に行った調査では“MITSUBISHI”よりも200px-Mitsubishi_logoの方が「技術力を感じる」と答えた人が多かったという。三菱電機としては、今回のマーク復活は中高年層や海外に製品を売り込む狙いがあったようです。

★関連記事
MITSUBISHI ELECTRIC アルカリ乾電池EX LR6(EXD)
→本記事と同シリーズである“アルカリEX”の単3を紹介した記事。

MITSUBISHI POWER アルカリEX LR1(EXH)/LR1(EXJ)
→本記事の前世代・前々世代に当たる単5アルカリ電池1個入りのものを紹介した記事。


Danelectro(R) Vintage Power SourceTM S006P

danelectros006p_1楽器店で見つけた006Pのマンガン電池です。これは1947年に設立されたアメリカの楽器メーカー“DANELECTRO(ダンエレクトロ)”の電池で同社のエフェクター向けに発売されているもののようです。位置付け的には以前、本ブログで紹介したエレハモの006Pに近いものでしょうか。
デザインは現在のものとは思えないレトロデザインで何とも良い感じでありますね。それ故に新しくても捨てられそうなのが玉に瑕でしょうか。

 

danelectros006p_2側面。プラス極側の側面には『9VOLT BATTERY – S006P』と記載されています。その下には“(C) EC 1996”の著作権表記があります。これはダンエレクトロブランドの製品を発売している母体“Evets Corporation”の略であると思われます。1996という年号はこのデザインの電池が初めて発売された年でしょうか。
原産国は“Made in China”で中国製です。

 

注意書きは英語のみで“0% MERCURY”の表示がありますから、水銀は含有されていないようですが、WEEEマークに“Pb”の記載がありますから、鉛は含有されているようです。

danelectros006p_3底部。以前、本ブログで紹介した“GoldenPower Long Life”の006Pと比較してみると、底板プラスチックの色と使用推奨期限の印字がよく似ています。でも、個人的にはこの電池はどこのOEMかというよりかはデザインを楽しみたい電池なのであんまり深追いはしたくはないですが…。
使用推奨期限は「2016-10」。2年期限と推測すると、2014年10月製造の電池であると思われます。

danelectros006p_4ちなみにこの電池、かつては香港製(Made in Hong Kong)でした。現在売られている中国製のものと比較してみるとマイナス極の端子が異なっているほか、外観も白い部分の色味が若干異なっています(香港製は白っぽく、中国製は青白い)。


Fujitsu G アルカリ乾電池 単1形 LR20(2S)

LR20(2S)_1かつてFDKが“Fujitsu”ブランドで発売していたアルカリ電池である「G」の単1です。
「G」は2001年に富士通アルカリ電池7000シリーズの上位モデルとして発売されたハイグレードアルカリ電池です。
この電池は後継品であるワイドレンジアルカリ“G PLUS”に継承、その流れは現在発売されている“High Power(ハイパワー)”タイプに受け継がれています。

 

LR20(2S)_2実はこの電池、あるリサイクルショップで使用推奨期限切れということで未開封80円で入手したもの。やはり電池コレクターはこう言う古い電池に目が無いという…。
パッケージ上の商品名は『Fujitsu ハイグレードアルカリ乾電池 G』。シュリンクは例の軟質系のフニャフニャシュリンク。使用推奨期限5年である旨の記載もあります。なお、バーコードのベンダーはFDK(4976680)となっていました。

LR20(2S)_3注意書き・社名表記部分。社名表記は“FDK株式会社”。この「G」が発売された2001年は富士電気化学株式会社から現社名に変わった時期と一致し、これに合わせこの電池を新発売したとも考えられます。生産国は“MADE IN JAPAN”で日本製です。
使用推奨期限は「01-2011」となっており、パッケージには5年期限と記載されていましたから、2006年1月製造の電池であることがわかります。おおよそ9年前製造の電池です。

LR20(2S)_4電池には旧・JISマークがあり、このマークだけでも古い電池であることがわかります。マークには「C8511 380130 FDK」記載があり、認定番号からFDKエナジー鷲津工場製であることがわかります。とは、言ってもパッケージがあのフニャフニャシュリンクですから、バレバレなんですけどね。

 

LR20(2S)_5プラス・マイナス側。マイナス極はFDKエナジー日本製でお馴染みの“逆装填防止機能”付き。マイナス極同士の通電を防ぐことで、逆装填時に電流が流れないようにしています。
なお、写真左の“G PLUS”と比較してみるとわかりますが、マイナス極のフチが変色しており、液漏れが始まっているようです。このような電池は長期使用を見込んだ用途ではなく、一気に使ってしまうような短期的な使用で使うと良いでしょう。

まぁ、このように液漏れが生じてしまった電池は本当なら使わないほうが利口です。何故なら、液漏れが始まっているということは電池のガスケットの劣化が始まっている証拠であり、さらなる使用で液漏れが加速する可能性が高いからです。


PROCELL(R) BY/PAR DURACELL(R) PC1604 9V

PC1604_1アメリカの“デュラセル”が発売している業務用のアルカリ電池“PROCELL”9V形です。日本では主にエフェクターなどの楽器用として発売されており、楽器店に売られていることが多い電池です。この電池には9V形のみではなく、他のサイズのものも存在していますが、そのような経緯から日本では9V形のみ出回っている状況となっています。
今回、デザインが変更され、鮮やかなオレンジ色が印象的な電池となりました。

PC1604_2前世代・前々世代のPROCELLと比較してみました。前世代・前々世代ではほぼ同様のデザインで引き継いでいるのにも関わらず、現行品では“PROCELL”の文字色のみが引き継がれているのみで、デザインが全く異なっているものになっています。むしろ、こちらの方のデザインがレトロデザインで古いデザインに見えてしまいますよね。初め、このデザインの電池を見た時新しいバリエーションが出来たのかと勘違いした程です。

ちなみに“DURACELL”のロゴは海外で発売されているハイグレードアルカリ「Duracell Quantum」で使われている、太めな従来のロゴよりもシャープになった新しいロゴが採用されています。

PC1604_3端子部の比較。マイナス極の端子はいずれも四角形のものになっており、海外製9V形によく見られるものです。
なお、手前の現行品は裏側のもので『无汞PC1604』と書かれています。中国語で“无汞”は無水銀を表す言葉であり、この電池に水銀は含有されていないことがわかります。なお、英語など他言語で水銀が含まれていない旨の記載はありません。

 

PC1604_4社名表記部分。使用推奨期限は上から2010年2015年2019年3月。一番下の現行品が一番新しく、なおかつ社名表記が“P&G Inc.,”と書いてありますから、デザインは古臭いですが確かに新しい電池であります。
ちなみに“P&G”とは日本で「ファブリーズ」や「ジョイ」などで知られるあの会社。日本では電池事業を展開していないのであまりピンと来ないですよね。

PC1604_5注意書き部分。いずれも注意書きは英語フランス語の2カ国表記です。
前々世代には原産国表示はありませんでしたが、前世代で“Made in the USA”の表記が追加され、現行品で“Assembled in USA”の表記に変化しています。

 

PC1604_6底板。いずれも意味不明なロット番号が印字されており、上4ケタ下4ケタ右下2ケタという同様のフォーマットで記載されています。
アメリカ製ということはやはり、デュラセル自社生産であるのでしょうか?

 

 
★関連記事
DURACELL PROCELL 9V PC1604
→本記事で紹介したデュラセル“PROCELL”9V形の前世代と前々世代をまとめて紹介した記事。本記事でも比較対象として紹介していますけどね。